ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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なくなったケーキの謎

それから一ヶ月後の夜、デルカダール城

 

 

 

マルティナとラースの部屋

 

 

 

マルティナ「ふふ、明日の準備はバッチリだわ。楽しみね」

 

 

 

 

ラース「久しぶりに全員集まるもんな」

 

 

 

 

マルティナ「そうよね。それに最近はまた色々と忙しかったからより楽しみだったわ」

 

 

 

 

ラース「そういやマルティナの好きなケーキを頼んだんだったな。美味しそうだよなー」

 

 

 

 

マルティナ「昔からあそこのケーキ屋のがお気に入りなの。もちろん他のお店のも美味しいんだけどね。思い出ってやつかしら、あそこが一番好きなのよ。あ、皆の分も買っておいたわ」

 

 

 

 

ラース「お、それはありがたいや。じゃあ明日は皆でゆっくりお茶会だな」

 

 

 

 

マルティナ「シルビア達もお菓子持ってくるそうよ。ふふ、楽しみだわ」

 

 

 

 

ラース「ウキウキだな、じゃあ明日に備えて今日は早く寝ようぜ」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、そうね。あ、でも少し喉乾いたわね。お水だけ飲んでくるわ。先にラースは寝てて」

 

 

 

 

ラース「わかった」

 

 

 

次の日、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

バタン

 

 

 

ベロニカ「マルティナさん、ラース、グレイグさん、来たわよー」

 

 

 

 

セーニャ「お久しぶりです。この前お姉様と一緒に作ったお菓子をお持ちしました」

 

 

 

 

マルティナ「いらっしゃい、ベロニカ、セーニャ。待ってたわ」

 

 

 

 

グレイグ「随分早かったな。まだ他には来ておらんぞ」

 

 

 

 

ベロニカ「セーニャが朝からウズウズしてたから少し早めに来たの」

 

 

 

 

セーニャ「マルティナ様のお気に入りのケーキが楽しみでして」

 

 

 

 

ラース「なんだ、ベロニカ達もその事知ってたのか」

 

 

 

 

マルティナ「前にシルビア達と行った事あるのよ」

 

 

 

 

ラース「なるほど。まあそれじゃあ王様にそろそろ皆が来るから交代の連絡してくる」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、頼んだぞ、ラース」

 

 

 

その後

 

 

 

マヤ「いしし、私も来ちゃった」

 

 

 

 

カミュ「悪いな、急にマヤも行きたいって言い出してよ」

 

 

 

 

マルティナ「あら、いいじゃない。大丈夫よ、マヤちゃん。一緒にお茶会しましょう」

 

 

 

 

シルビア「これで全員.......あら?ラースちゃんは?」

 

 

 

 

イレブン「あれ?本当だ。まだ戻ってないの?」

 

 

 

 

グレイグ「そういえば......王に報告に行ったっきり戻ってないな」

 

 

 

 

ベロニカ「私達が到着した時からよね?いくらなんでも報告にしては長くない?」

 

 

 

 

マルティナ「何してるのかしら?ラースったら」

 

 

 

バタン

 

 

 

ラース「すまない。ちょっと色々あって遅れた」

 

 

 

 

セーニャ「あ、ラース様。よかったですわ、ちょうど今ラース様が遅いので心配しておりました」

 

 

 

 

ロウ「何かあったのかのう?」

 

 

 

 

ラース「いや、問題ないはずだ。ちょっと話が色々逸れちまってな。待たせて悪かったな」

 

 

 

 

マルティナ「あ、それじゃあちょうどいいからラース。キッチンからケーキの入った箱、持ってきて」

 

 

 

 

ラース「早速か、そうだな.......。持ってこよう」

 

 

 

数分後

 

 

 

イレブン「あ、このケーキ屋の名前僕も知ってる。昔からあるやつだよね」

 

 

 

イレブンはラースが持ってきた箱の名前を見て懐かしいような顔をしている

 

 

 

マルティナ「ええ、そうよ。それじゃあ開けるわね」

 

 

 

パカ

 

 

 

マルティナ「.........え!?」

 

 

 

マルティナが箱を開けて中を見ると驚いた表情になった

 

 

 

グレイグ「どうかされましたか?」

 

 

 

 

マルティナ「ないわ!私のケーキだけ入ってない!」

 

 

 

 

全員「ええ!?」

 

 

 

 

カミュ「マジか。間違ってるとか」

 

 

 

 

マルティナ「そんなはずないわ。だって昨日の夜にこっそり確認したもの。その時はしっかり9つ入って、私のロールケーキもあったわ」

 

 

 

 

ラース「ああ、あの寝る前の時か」

 

 

 

 

シルビア「となると、今日の朝から今までの間にマルティナちゃんのケーキだけなくなった.....」

 

 

 

 

ベロニカ「私達の分はちゃんとあるの?」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、予約したもので間違いないわ。そんな.......」

 

 

 

マルティナは自分のお気に入りのケーキだけがなくなり、かなりショックを受けている

 

 

 

セーニャ「これは.......事件の匂いですわ!」

 

 

 

セーニャは突然勢いよく立ち上がった

 

 

 

マヤ「え?事件?どうしたの?セーニャさん」

 

 

 

 

ベロニカ「ちょっとあんたねえ......」

 

 

 

 

セーニャ「大事に保管されていたケーキが狙われたように消失した。これは誰かが意図的に起こした事件だと私は睨みました!」

 

 

 

 

イレブン「えっと.......セーニャはどうしたの?」

 

 

 

 

ベロニカ「ごめんなさい、皆。気にしないで、いつもの事なのよ。最近流行りの探偵小説あるでしょ?この子、あれ気に入って読んでるのよ。その影響だわ」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、シャルロットの事件簿だな。俺も読んでいるぞ。かなり面白い作品だな」

 

 

 

 

シルビア「アタシもよー。ハラハラしちゃうわよね。セーニャちゃん、確かに好きそうだわ」

 

 

 

 

ロウ「しかし、セーニャよ。これはあまり事件と呼ぶような事では」

 

 

 

 

セーニャ「いいえ、きっとこれは予兆。マルティナ様が狙われているという始まりに過ぎませんわ!」

 

 

 

 

ラース「ノ、ノリノリだな」

 

 

 

 

マルティナ「そんな!これよりもっと酷い事がおこるの!?」

 

 

 

 

セーニャ「ご安心ください、マルティナ様!この探偵セーニャ、いえ、探偵ステイロがバシッと解決してみせます!」

 

 

 

 

ベロニカ「探偵になりきっちゃって......もう。こうなると止まらないんだから」

 

 

 

 

カミュ「まあ......好きにやらせてみてもいいんじゃねえの?」

 

 

 

 

セーニャ「まず容疑者ですが、今日は私達以外このお城に入ってきておりませんね。つまり、一般の方はありえません。この城内の誰かが犯人です。兵士様や私達の中に犯人がいらっしゃいます」

 

 

 

 

ラース「それでなおかつ、今日マルティナがケーキを予約していた事を知っている人物というわけか」

 

 

 

 

イレブン「となるとまず怪しいのは.......コックの人?」

 

 

 

 

マルティナ「!そうだわ!コックの人に誰がキッチンにやってきたかを聞きましょう。そうすれば怪しいのが誰かわかるわ!」

 

 

 

 

セーニャ「そうですね!それではキッチンに向かいましょう!」

 

 

 

キッチン

 

 

 

コック「ど、どうされましたか?皆様お揃いで」

 

 

 

 

セーニャ「突然すみません。実は今日マルティナ様が予約してあったケーキの中に、マルティナ様本人が食べるはずだった物だけなくなっていたのです」

 

 

 

 

コック「そ、そうなのですか!?私達が一昨日確認した時は中にしっかりあったはずですが」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、わかってるわ。私も昨日の夜にちゃんとあるのを見たもの。それでね、犯人は昨日の深夜から今までの間にキッチンに入った人って事になるわよね?誰がキッチンに入ってきたか教えてほしいのよ」

 

 

 

 

コック「な、なるほど。そうなりますと.......深夜は私達はいなかったのでわかりませんが、朝にデルカダール王様、その後にロベルトさん、次にベロニカさんとセーニャさん、バンさん、ラース様の順ですね」

 

 

 

 

グレイグ「結構出入りしていたのだな」

 

 

 

 

コック「そうですね。今日はいつもよりもキッチンに来る方が多くて驚いています。まあデルカダール王様やラース様は割と頻繁に来ていらっしゃいますが」

 

 

 

 

ロウ「ベロニカとセーニャも来ていたのだな。何をしに来たんじゃ?」

 

 

 

 

ベロニカ「私達が作ったお菓子を持ってきたんだけど、早めに到着しちゃったから冷蔵庫で冷やしておいてもらおうと思ってね」

 

 

 

 

セーニャ「そういえば、その時に冷蔵庫の中にあのケーキの箱があるのは確認しましたわ」

 

 

 

 

マヤ「あ、あの美味しそうなパイのやつだよね。あれベロニカさん達の手作りだったんだ。それにその話だと、ベロニカさんやセーニャさんが姉ちゃんのケーキを食べるわけないよね」

 

 

 

 

シルビア「じゃあ犯人の候補は決まったわね。デルカダール王様、ロベルトちゃん、バンちゃん、ラースちゃんの誰かって事になるわね」

 

 

 

 

ラース「王様まで候補に入れんのかよ」

 

 

 

 

カミュ「というか、バンもロベルトも勝手にケーキを食べるやつじゃねえだろ」

 

 

 

 

イレブン「ラースは.........ちょっと怪しいかな」

 

 

 

 

ラース「失礼だな!俺はマルティナがあのケーキを好きな事知ってる!それを知ってて食べるわけねえだろ!」

 

 

 

 

マルティナ「それはそうね。ご飯の時も私のお気に入りのやつは絶対に食べないでいてくれるし」

 

 

 

 

グレイグ「確かに。だが、お前は自由に動いていた時間が長い。報告がやたらと長かったのも怪しいしな」

 

 

 

 

ベロニカ「そうじゃない!あんた、一番怪しいわ!あんだけ時間あったなら一口で食べて、顔洗う時間にも充分だわ!何食わぬ顔で戻ってきたんでしょ!」

 

 

 

 

ラース「おいおい......マジかよ。信用がねえのは傷付くぞ」

 

 

 

 

セーニャ「コック様、先程あげた四名の方がどうしてキッチンにやってきたのか知っておりましたらお聞かせください」

 

 

 

 

コック「そうですね。まず、デルカダール王様は朝食前に訪れておりました。今日の朝のメニューの確認と、少々つまみ食いの方を.......。でも、それだけでしたね」

 

 

 

 

マルティナ「お父様ったら!つまみ食いはもうしないでくださいとお願いしたのに!」

 

 

 

 

グレイグ「全く......。昔から習慣になってしまっている。健康のためにも控えていただきたいものだ」

 

 

 

 

コック「は、はは......。まあ、止められない私達にも非はありますので。お次は訓練後にロベルトさんですね。ロベルトさんはお疲れのようでしたので、甘いものを欲しがっておりました。なので、たまにパフェなどに使うバニラアイスを一つご用意しました」

 

 

 

 

カミュ「そっか、訓練後とかなら仕方ないな」

 

 

 

 

セーニャ「ロベルト様は甘いものがお好きなのでそれは喜ばれそうですわ」

 

 

 

 

コック「そうですね、アイスをすぐに食べた後少ししてベロニカさん達がいらっしゃいました」

 

 

 

 

マヤ「え、そんな早くから来てたの?ベロニカさん達」

 

 

 

 

ベロニカ「そんなにだったのね。それはわからなかったわ」

 

 

 

 

ロウ「わし達が来るよりも二時間ほど前からおったのじゃな」

 

 

 

 

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