ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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探偵ステイロ

コック「その後、一時間ほどするとバンさんが汗だくでやってきました。残って訓練をされていたようで、喉が渇いて死にそうだと言われて急いでお飲み物を渡しました」

 

 

 

 

ラース「あいつ、残るのはいいがやりすぎる時があるんだよな」

 

 

 

 

グレイグ「あまり人の事言えんぞ、ラース。お前も兵士長の頃はよくなっていただろう」

 

 

 

 

シルビア「ふふ、そういう所も似ちゃったのね。バンちゃんはそれだけ?」

 

 

 

 

コック「そうですね、お水を飲んだらすぐに出ていかれました。なので、バンさんがここに滞在していた時間は僅かです」

 

 

 

 

セーニャ「なるほど。バン様は犯人候補から外してもよさそうですね」

 

 

 

 

イレブン「それで後はさっきケーキの箱を取りに来たラース、と」

 

 

 

 

コック「あ、いえ。ラース様はそれよりも少し前にこちらに訪れております」

 

 

 

 

全員「え?」

 

 

 

 

コック「ラース様、あの時は何をなされていたのですか?まるで何かを探すようにしておりましたが」

 

 

 

 

ラース「あー、いや、それはな......」

 

 

 

 

全員「........」

 

 

 

全員がジッとラースを見ている

 

 

 

ラース「そ、そんなに全員で見つめんな!俺は偶然怪しいやつを大広間で見かけただけだ」

 

 

 

 

マルティナ「怪しいやつ?誰か城に入ってきたの?」

 

 

 

 

ラース「そうなんだ。王様に報告するための移動中、大広間の方が視界に入ったんだが、その時に変な動きをした男が城にこっそりと入ってきたんだ」

 

 

 

 

イレブン「ええ!?そうだったの!?」

 

 

 

 

マヤ「全然知らなかったよ。そいつはどうなったの?」

 

 

 

 

ラース「残念だが見失った。どこに行ったのかまでは見えなかったからな。だから大広間の周囲を確認してたんだ。どこにもいなかったけどな」

 

 

 

 

コック「なるほど。だから大広間から近いキッチンにもやってきて、その人を探していたのですね」

 

 

 

 

ラース「そういう事だ。別に何も変な事はしてねえよ」

 

 

 

 

グレイグ「それならば俺達に報告してくれてもよかっただろう」

 

 

 

 

ラース「結構念入りに確認したけど見当たらなかったからな。もう出ていったもんだと思って放っておいたんだ」

 

 

 

 

マルティナ「.........」

 

 

 

 

カミュ「まあ、それじゃあ兄貴も一応はアリバイがあるってわけか」

 

 

 

 

シルビア「そうね。その怪しい人ってのも気になるけど、もうお城にいないのなら大丈夫かしら?」

 

 

 

 

ロウ「ちなみに、どんな特徴をしていたとかはわかるのかのう?」

 

 

 

 

ラース「ああ......わかるぞ。髪色は黒で長めだったな。身長は遠かったから定かではないが、俺くらいか?目の色は紫で、フードを被ってた」

 

 

 

 

ベロニカ「随分詳しくわかるのね。そんなによく見えたの?」

 

 

 

 

ラース「まあな。昔から人の特徴はよく覚えてたからよ」

 

 

 

 

セーニャ「なるほど、わかりました。コック様、お次の質問ですがケーキの箱が外に出される事はありましたか?」

 

 

 

 

コック「ああ、何回かありましたよ。個数が入っていた分大きくて。少々他の物を取り出したりする際に落ちないように出したりはしていました」

 

 

 

 

マヤ「まあ当然といえばそうだよね。結構スペース必要だもんね」

 

 

 

 

セーニャ「ありがとうございました。また何かありましたら尋ねさせていただきます」

 

 

 

訓練場

 

 

 

ロベルト「え?マルティナ様のケーキ?ああ、あの箱の中に入ってるやつですか?」

 

 

 

 

セーニャ「ご存知なのですか?」

 

 

 

 

ロベルト「はい。といっても、箱しか見てませんけどね。キッチンに行った時にコックさんが大事そうにしていたので」

 

 

 

 

セーニャ「キッチンで何をしていたか教えていただいてもよろしいですか?」

 

 

 

 

ロベルト「俺、今日の訓練でダバンと模擬戦したんです。やっぱりダバンは強くてですね、かなり接戦はしたと思うんですが負けちゃったんです。

 

 

 

それで結構疲れたんで訓練後にコックさんに甘いものを頼んだんです。俺、甘いもの食べると疲れとか吹っ飛ぶんで。そうしたらアイスを出してくれて、それをいただきました。それ以外は特にないですね」

 

 

 

 

セーニャ「わかりました。ありがとうございます」

 

 

 

デルカダール城下町 城門

 

 

 

 

バン「へ?キッチン?.........ああ!行きましたよ!水飲みにですけど」

 

 

 

 

セーニャ「それ以外に何かありましたか?」

 

 

 

 

バン「え?それ以外..........。うーん............あ!マルティナ様達が食べるケーキの中身を見ましたよ!」

 

 

 

 

全員「え!?」

 

 

 

 

マルティナ「え?どうやって見たの?」

 

 

 

 

バン「えっとですね〜.........ああ!そうだ!コックさんに冷蔵庫にある物を取ってくれって頼まれてそれを出そうとしたんですけど、俺その時に間違えてマルティナ様達のケーキが入ってる箱を出して開けちゃったんです。あ!すみません!勝手に見てしまって!」

 

 

 

 

マルティナ「いや、いいのよ。その時ケーキが何個入ってたか覚えてる?」

 

 

 

 

バン「え、え〜........すぐにしまったから個数までは.........。でも、隙間なく敷き詰められてましたよ。全部ケーキでした」

 

 

 

 

シルビア「じゃあ、その時にはまだマルティナちゃんのケーキはあったのね」

 

 

 

 

セーニャ「ありがとうございました。また何かありましたら聞きに伺いますね」

 

 

 

 

バン「はーい」

 

 

 

デルカダール城 玉座の間

 

 

 

グレイグ「王は今は仮眠中のようだ。立て札がしてあった」

 

 

 

 

マルティナ「最近この時間に昼寝するようになったのよね。少し心配だけど、また後で話を聞いてみましょう」

 

 

 

 

ラース「だけどよ、結構詳しく調べたけどわかんないもんだな」

 

 

 

 

ロウ「そうじゃな。かなりギリギリまで姫のケーキはあったようじゃが、突然姿を消した」

 

 

 

 

ベロニカ「セーニャ、あんたはシャルロットじゃないんだから推理なんて無理よ。それにもう充分楽しんだでしょ?一旦ここまでにしましょう」

 

 

 

 

マルティナ「そうね。最初は感情的になっちゃったけど、また頼めばいいだけだし次の機会にするわ。セーニャ、ありがとう」

 

 

 

 

セーニャ「いえ!駄目ですわ!もう少しお待ちください。何か.........何か見落としているはずなんです」

 

 

 

 

イレブン「随分必死だね、セーニャ」

 

 

 

 

セーニャ「当然ですわ!大好きなスイーツが取られるなんて、そんな悲しい事起こってはいけません!私がなんとか犯人を突き止めます!」

 

 

 

 

グレイグ「そういえば、シャルロットが推理で悩んだ時はよく一人で事情聴取をしていたな」

 

 

 

 

セーニャ「!!そうですわ、グレイグ様!私、もう一度皆様に事情聴取をしてきます!」

 

 

 

 

マヤ「え!?また行くの?」

 

 

 

 

シルビア「セーニャちゃん、気持ちはわからなくもないけどケーキだってまだあるし」

 

 

 

 

セーニャ「少しだけですので!皆様はこちらで待っていてください!」

 

 

 

セーニャは走って出ていった

 

 

 

カミュ「セーニャのやつ、凄え張り切ってんな。まあいいか。マルティナ、どうせなら俺の分のケーキやるよ。俺はマヤからのやつ少しもらうだけで充分だ」

 

 

 

 

マルティナ「え?いいの?カミュ。ありがとう」

 

 

 

 

マヤ「ちょっと兄貴、なに勝手に私のやつ貰おうとしてんの」

 

 

 

 

カミュ「別にマヤが一人で食べるならそれでいいさ」

 

 

 

 

 

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