ちょうちん屋
タホル「ほうほう、家族が増えるお祝いね〜」
ロウ「うむ。何かよい物があると嬉しいんじゃが」
タホル「うーん........ないわけじゃあねえが、かなり時間かかるぜ?」
ダバン「そんな大変なのか?」
タホル「大変ってより、必要になる素材の一つが希少品でよ。それを取りに行くのに苦労するんだ」
ロウ「ほう、何という物なのじゃ?」
タホル「知ってるか?ほしのかけらだ。宇宙から落ちてきた隕石その物のカケラと言われてんだ。あれを使うんだ」
ロウ「ほしのかけらか。知っておるぞ。それを取ってくればよいのじゃな?」
タホル「へ?じ、じいさんが?やめときなって。どこにあるかわかんねえものだし、落ちてても純度が高くねえと使えないんだ。酷い時は年単位かかるんだぜ?」
ダバン「めちゃくちゃ大変じゃないか。ロウ様、流石にこれはやめましょうよ」
ロウ「なーに、わしに任せておくのじゃ。ほしのかけらは一つでよいのじゃな?」
タホル「お、おう。一つありゃあ充分だ。だがさっきも言ったけど、純度が大事なんだ。綺麗なやつを頼むぜ」
ユグノア城 玉座の間
イレブン「ほしのかけらかー。悪いんだけど、今持ってないんだよね。今度カミュにお願いしようかと思ってんだ」
ロウ「むう、そうであったか」
ダバン「イレブンさんってそんな貴重なもの持ってたんですね」
ロウ「イレブンは昔から鍛治の影響で様々な希少な素材を持っておるからのう。ほしのかけらも昔使っているのを見ていたんじゃ」
イレブン「ほしのかけらは最近全然手に入らなくなったんだよ。あるとするなら、ミルレアンの森の奥かな」
ロウ「そうか。.........誠にすまぬが、ダバンよ」
ダバン「大丈夫ですよ。こんな途中で投げ出したりしませんから」
ロウ「おお、本当にありがたい。連れ回してすまぬのう」
ミルレアンの森
ダバン「うわ、流石クレイモランだ。川が凍って歩けるなんて」
ロウ「この奥かのう。イレブンが必要としている分もあるとよいが」
二人が氷の川の上を歩いていると
ヒュッ!
ダバン「!?ロウ様!!」
ダバンが突然ロウに覆い被さった
ロウ「ぬう!?」
ブスッ!
ダバン「いて!」
ロウ「ダバン!なんじゃ、急に!」
ロウが向こう岸を見ると
アローインプ達「ケヒヒヒヒ」
頭巾を被った矢を打つ魔物、アローインプ達がロウとダバンを的にして遊んでいる
ダバン「あいつら、ふざけやがって。ロウ様になんて事を」
ロウ「急いで渡ってしまおう。アローインプは根は臆病。いたずら好きではあるが、少々脅かせばよい」
ダバン「は!」
ロウとダバンは走ってアローインプ達の元に向かう
アローインプ達「!!キー!」
アローインプ達はさみだれうちをダバン達に打っていく
ダバン「ロウ様!俺の後ろに!」
ダバンが盾を前に構えた
ロウ「うむ、頼むぞ」
ダバン「受け流しの構え!」
ダバンは盾の構えを変え、攻撃を横に受け流すようにした
ヒュン!ヒュン!
ダバン「はああ!!」
ダバンの盾に当たっていく矢はどんどん横に逸れていく
ロウ「どれ、少し驚かそうかの。ドルモーアじゃ」
ロウはダバンが矢を防いでくれているうちに、アローインプ達の近くに黒い魔法陣を描き、周囲を闇の魔力が包み込み爆発した
アローインプ達「!!?キー!!」
驚いたアローインプ達はバラバラに逃げていった
ダバン「ふぅ、いたずらもほどほどにしてほしいですね」
ロウ「助かったぞ、ダバンや。流石盾使いじゃな。いなし方がとても安定しておった」
ダバン「ありがとうございます」
しばらく進むと
ダバン「結構.......雪が.....深くなってきましたね。歩きにくいです」
ロウ「うーむ.......そろそろ奥地なのじゃが、こんなに雪があっては探す事すら出来んのう」
ダバン達の周りには降り積もった雪があり、足が埋まるほどの雪にダバン達は苦戦していた
ダバン「流石にこれ以上はまずいですかね」
ロウ「うむぅ........誠に残念なんじゃがのう」
その時
マントゴーア「グルルル.....」
緑の体に青い翼とたてがみを生やした魔物、マントゴーアがロウ達の前に現れ威嚇している
ダバン「うわ、凄い色した魔物だ。なんてやつですか?ロウ様」
ロウ「こやつはマントゴーア。呪文や回復効果を下げる技があったはずじゃ、それに気をつけねば」
マントゴーア「ゴオオッ!」
マントゴーアは黒い怪しげな息を吐いてきた
ダバン「これか!ロウ様、俺にお任せを!ビッグシールド!」
ダバンがロウの前に割り込み、盾を構えた
ロウ「おお、ありがとのう」
ダバンの盾で息が遮られ、ロウには効果がなかった
ロウ「マヒャデドス!」
ロウはそこからマントゴーアの足下に巨大な水色の魔法陣を描き、頭上から大量の巨大な氷柱を落とした
バリバリィィン!!
マントゴーア「ギュウ.......」
マントゴーアは苦しそうにしている
マントゴーア「ガアアアッ!」
マントゴーアは即座に赤い魔法陣を描き、巨大な炎の塊をロウ達にぶつける
ダバン「!メラガイアー!こんな魔法使えるのか!」
ダバンは再びビッグシールドで防ごうとする
ロウ「!?これじゃ!!ダバンよ、先程の受け流しの構えじゃ!」
ダバン「え?は、はい!受け流しの構え!」
ダバンはロウの突然の指示に戸惑いながら盾を構え直した
ダバン「よっ!」
ダバンの盾に当たった巨大な炎の塊は逸らされ、深く積もった雪の中に落ちた
ジュゥゥゥ!!
炎の塊が落ちた周辺の雪が全て溶けた
ダバン「!!なるほど!これで邪魔な雪を溶かすんですね!?」
ロウ「そうじゃ!よし、もっと打ってくるのじゃ」
マントゴーア「ガアアアッ!」
マントゴーアは再びメラガイアーをロウ達にぶつける
ダバン「受け流しの構え!」
ジュゥゥゥ!!
マントゴーア「ガアアアッ!」
ダバン「受け流しの構え!」
ジュゥゥゥ!!
マントゴーア「グゥゥ.......」
マントゴーアは通用しないとわかったのか、そのまま帰っていった
周りにあった雪はなくなり、かなり歩きやすくなった
ダバン「流石です、ロウ様。これで探しやすくなりますね!」
ロウ「ああ、マントゴーアにも感謝せねばな。む?」
ロウは隅の方で淡く黄色に光る物を見つけた
ロウ「おお!あったぞ、これじゃ!これがほしのかけらじゃ!」
ロウはほしのかけらを手に入れた
ダバン「これがほしのかけら。初めて見ました、結構大きいんですね」
ロウ「純度はわからぬが、これでひとまずは達成じゃな」
ダバン「他にも周りにありませんかね?」
ロウ「少し探してみるかの」
数分後
ダバン「ロウ様!これ、かなり透明ですよ!」
ロウ「おお、本当じゃ。綺麗な黄色じゃのう。この方が純度が高いのかのう。どれ、プチャラオ村のタホルに見せに行こう」
その後、プチャラオ村
ちょうちん屋
タホル「す、凄え.......じいさん、これ凄えよ!!ほしのかけらってのは、純度が高いといっても精々半分は不純物なんだ。それがこれはほぼ星の成分そのものだ!これはもうほしの結晶だな!」
ダバン「だからこんなに透明なのか、やりましたね、ロウ様!」
ロウ「うむ、頑張った甲斐があったのう。それではそのちょうちんとやらを頼んでもよいかの?」
タホル「ああ、任せな!星のちょうちんの最高傑作、作ってやるぜ!」
その後
タホル「どうだ!完成だ!」
二人「お〜.......」
タホルが完成させた星のちょうちんは紺色の紙が張られ、そこには星空や月が描かれている。また、中には先程のほしのかけらが入っており、光を灯すとほしのかけらの色と反射して黄色くちょうちんが照らされる。それはまさに夜空を表しており、描かれた星空と綺麗に合わさっている
ダバン「こりゃあ凄えな、こんなちょうちんもあんのか」
ロウ「見事な物じゃな。ロマンチックじゃのう」
タホル「この星のちょうちんは、プチャラオ村では夢を叶えるちょうちんと言われてんだ。きっとほしのかけらが持つ星の力のおかげなんだろうな。なんたって、流れ星の一部なんだからよ!」
ダバン「そうか、確かにほしのかけらってそういう事だもんな」
ロウ「とてもよいものじゃな。どれ、いくら払えばよいかの?」
タホル「いやいや!これはあの男達から助けてくれた礼だし、素材だって持ってきてもらったんだ。金はいらねえよ」
ロウ「それは嬉しいのう。では、本当にありがとのう。きっと喜んでくれるはずじゃ」
タホル「おう!またのご来店待ってるぜ!」
その後、ユグノア城
玉座の間
イレブン「よかったー、無事にちょうちんが出来て」
ロウ「ちょうちんを求めに行ったはずが大分遠回りをさせられたのう」
ダバン「ですね。でも、楽しかったですよ。ロウ様と色々話せましたし」
ロウ「そうじゃな。わしも楽しかったぞ。ダバンよ、またよろしく頼むのう」
ダバン「はい!」