その後、サマディー城
歴史保管所
ラース達はマルスの発見した謎の輪っかを鑑定してもらおうとしていた
研究者「ふむふむ........。おそらくは古代の物と見て間違いないでしょうな。材質が古い時代の黄銅となっているので」
マルス「本当!!?もしかして、凄い発見!?」
ルナ「えー!!本物なの!?」
グレイグ「おお、それは凄い。よく見つけたぞ、マルス」
研究者「しかし、この汚れが無ければもっとしっかりと判断出来そうなのですが........。やはりオアシスにあったというだけあって、苔の奥に錆びもあってかなり劣化していますね」
ラース「ふむ.............。その素材は銅なんだよな?」
研究者「はい。間違いありませんね」
ラース「なら、汚れはある程度落とせるはずだぞ」
全員「ええ!?」
マルティナ「ど、どうやって?水や洗剤じゃ落ちないわ」
ファーリス「ラースさんって古代物にも精通していたんですか!?」
ラース「いやいや、そんなわけないだろう。マルティナやグレイグも見た事あるんじゃないか?イレブンの鍛治さ。イレブンはよく鍛治の素材に使う銅鉱石を磨いていただろ?」
マルティナ「そ、そうね」
ラース「その時、何を使っていたか覚えているか?」
グレイグ「..........そうか!レモン!酸が強い物をかければ、銅の汚れを落とせるのだったな!俺も鍛治の勉強はした事あるから知っていた」
ラース「そういう事。やってみようぜ」
その後
ラース「ほら、さっきよりもずっとピカピカだ」
ラースは汚れが落とされて磨かれた輪っかを見せた
その輪っかは綺麗な黄銅で、輪っかの周りには何かの文字が彫られている
研究者「ほう、これは。なるほど、何に使うのかわかりました」
ファーリス「早いな、見ただけでわかるなんて」
研究者「既にこの部屋に保管されている物と同じです。古代の人達が使っていた指輪です。遥か昔、この地方にあった集落では好きな人に自分で手作りの指輪を贈る習慣があったのです。
これはその時の一つでしょう。近くで銅が多く採れた影響もあり、白銅や銅などで作られた指輪は他にも見つかっております。彫られている文字は古代文字で集落の名前が彫られてあります」
マルス「へー、じゃあ結婚指輪なんだね。母さん達と同じだ」
ルナ「じゃあ他にもいっぱいあるんだ」
研究者「そうですね。それでも普通の人には見つけられませんし、砂に埋もれてしまっているのが多いはずです。見つけられたのは凄く運がいい事だよ」
グレイグ「よかったな、マルス。宝探し、大成功だ」
マルス「うん!!」
マルティナ「それじゃあその指輪、研究者さんに渡してあげて」
マルス「えー......せっかく見つけたのに」
研究者「ふむ........。どうだね?マルス君。それ、欲しいかい?」
マルス「え?うん!だって、僕が見つけたお宝だもん!」
研究者「そうだね。それならマルス君にあげるよ。大事に持っていておくれ」
ラース「い、いいのか?大事な資料となるはずじゃあ」
研究者「先程も申しましたが、既にあの指輪はいくつか持っております。文字を読みましたが、同じ集落から出たと思われる指輪もあります。もちろん黄銅のもので。なので、一つくらい誰かにあげてもいいんです。いい思い出になると思いますよ。あ、もちろん特別ですよ?」
マルティナ「すみません、マルスがわがままを言ってしまって」
研究者「いえいえ、あのように喜んでくれるのはやはり嬉しいですから。宝探し、私も子どもの頃にやりました。あの時は何も見つけられませんでしたが、ああやって本物を見つけられるときっと心から楽しいと思います。マルス君の笑顔がそれを物語っています。あの楽しみを私は奪いたくありません」
ラース「ありがとう、感謝する」
マルス「見て、ルナ。まだ僕の親指でも入んないや」
ルナ「あはは、本当だ。ブカブカ。でも、綺麗だな〜。私も見つけたかった」
マルス「帰ったら部屋に飾ろう。僕、毎日磨くんだ」
ルナ「私もやる!」
数日後、デルカダール城下町
広場
そこではマルス達が友達と遊んでいた
男の子A「すっげー!マルス、それ本物なのかよ!」
女の子A「えー!凄ーい!」
マルス「いいでしょー!」
マルスの胸にはあの指輪が金属のチェーンで結ばれていた
男の子B「太陽に光って眩しいね。金色だよ」
ルナ「本当だー。マルス、ちょっとしまってよ」
マルス「やだ。僕の宝物だもん」
男の子A「宝物こそ大事にとっておけよ!」
全員「アハハハハ!!」