それから三週間後の昼、デルカダール城下町
グラジー
チャム「〜♪」
チャムが一人で鼻歌を歌っている
マヤ「どうしたの?チャム。今日はご機嫌だね」
チャム「うん!だって明後日はひな祭りだもん!」
グリー「ひな祭り?」
テルマ「あー、もうそんな時期か」
チャム「お兄ちゃん、今年はどうする?皆でやろうよ、ひな祭り!」
テルマ「いやいや、流石にビルさん達には無理だから」
マヤ「なに?そのひな祭りって」
チャム「あれ、知らないの?ひな祭りは女の子の日で、綺麗な洋服着て美味しい食べ物を食べる日なんだよ」
テルマ「そっか、ソルティコでの習慣だから皆さんはきっと知らないですよね。ひな祭りは女の子の成長を祝う日の事でして、おひなさまという綺麗な人形の姿のように見せてお祝いする事からそう名付けられました。
といっても、チャムが綺麗な洋服になった事なんてないんですけどね。そんなお金ありませんし」
その時
カラン
全員「いらっしゃいませー!」
ルナ「チャムちゃーん、いる?」
ルナが一人で入ってきた
チャム「あ!ルナちゃん!どうしたの?」
ルナ「マルス達と遊んでたんだけど、疲れたからこっちに来たの。マルス達ずーっと友達と模擬戦してて大変なの」
チャム「マルス君強いもんね。チャムちゃんもだけど」
グリー「ふふ、それじゃあ喉乾いてない?なんか飲む?」
ルナ「いいの?じゃあ、リンゴジュース!」
グリー「はーい。少し待っててね」
チャム「あ!そうだ!ルナちゃんはひな祭りって知ってる?」
ルナ「ひな祭り?なーにそれ?何のお祭り?」
チャム「女の子のお祭りなんだよ!綺麗な服着て、美味しい食べ物を食べる日なの!」
ルナ「えー!なにそれ!私やった事ない!」
チャム「明後日なんだよ!一緒にやろうよ!」
ルナ「やるー!綺麗な服も着たいし、美味しい食べ物も食べたい!あ!あのネックレスつけてみようかな」
テルマ「ど、どんどん話が大きくなっていく。チャム、俺一人じゃ出来る範囲は狭いからな。悪いが、あまり大人数を誘うなよ?」
カラン
シルビア「皆〜、久しぶりー!」
シルビアがルンルンとした様子でやってきた
全員「シルビアさん!」
シルビア「元気そうね!チャムちゃんとテルマちゃんに用事が、ってルナちゃんもいるじゃない!ちょうどいいわ!ねえ三人とも、ひな祭りってのがソルティコであってね」
三人「もしかして!」
マヤ「なんていいタイミング」
シルビア「あ、あら?かなり反応が速いわね。まあいいわ、チャムちゃんとテルマちゃんは知ってると思うけど、ソルティコでひな祭りが開かれるからチャムちゃんもマルスちゃん誘って来てみない?」
ルナ「行く!行くよ、シルビアさん!待ってて、マルスを絶対連れてくるから!」
ルナは興奮した様子で店から出ていった
グリー「あれ?ルナちゃんは?」
グリーがリンゴジュースを持ってやってきた
チャム「そこに置いといていいよ、グリーさん。この後戻ってくるから」
テルマ「いいんですか?シルビアさん。今ちょうどひな祭りの話をしてたんです」
シルビア「もっちろんよ〜!だって今回はアタシ達がお祭りの主催者になったの。お祭りを大きくするためにね!だから、いろんな子ども達に来てほしいの。その時に真っ先に思い浮かんだのよ」
テルマ「ありがとうございます」
数分後
ルナ「連れてきた!」
マルス「ふぇぇ〜......」
ルナの後ろでは無理矢理連れてこられたのか目を回したマルスがいた
グリー「ああ、大変。ほらマルス君、座って落ち着いて」
マルス「クラクラする......。なんなんだよ、ルナ」
シルビアがマルスにもひな祭りの事を伝えた
マルス「ふーん、でもそれならルナだけじゃないの?僕、男だよ?」
ルナ「確かに!なんで?」
シルビア「うふふ、それはね、おひなさまの王子様役よ!」
二人「王子様!?」
テルマ「元々は人形のお姫様と王子様がいるんだ。二人は幸せな夫婦となったんだ。そこに倣って幸せな事があるようにって同じ格好をさせる人が増えたんだよ」
マルス「そうなんだ。じゃあルナの王子様だね」
ルナ「仕方なくだけどね」
シルビア「やだ、テルマちゃんよく知ってるじゃない!」
テルマ「チャムに喜んでもらうために色々してましたから。二人だけでもこの日は楽しくって思って」
チャム「ありがとう、お兄ちゃん!」
シルビア「素敵ね、テルマちゃん。もちろんあなたも王子様役よ。明後日、楽しみにしてるわね!」