それから四日後、デルカダール城下町
裏通り
そこでは数人の男達が金髪をした一人の若い男性を囲んでいた
男性A「お前、近くで見た事ねえ顔だな。旅人か?」
青年「別になんだって構わねえだろ。俺はある人を探してんだ、知らねえならどけ」
男性B「こいつ、若いからって調子に乗るなよ!」
青年「(おいおい、デルカダール王国って治安いいんじゃねえのかよ。ま、どこの国にもこんなんはいるって事かよ)」
互いに険悪な雰囲気となり、今にも殴りあいに発展しそうになっている
その時
おじさん「あ!あの人達ですよ!」
ガザル「教えてくれてありがとな。おい、お前ら!そんな一人によってたかってんじゃねえよ!」
ガザルが青年が連れていかれる所を見ていたおじさんに連れてこられた
男性C「くっ!兵士が来やがった!逃げるぞ!」
男性達はすぐさま走って逃げていった
ガザル「ったくよ〜、すーぐこういう奴らは湧くんだから。大丈夫だったか?何もされてねえみてえだが」
青年「まあ大丈夫っす。俺一人でもあんなやつら倒せましたよ」
ガザル「そんな事を心配したわけじゃねえよ。この街で無駄に争いとか起こすなって事だ」
青年「それはまあ、悪かったっす。あんたって兵士なんだよな?その鎧」
ガザル「ん?そうだが?」
ソール「俺、ソールっす。この国に俺の兄貴が兵士としてやっているはずなんで探しに来たんす」
ガザル「お前の兄貴?兵士に?そいつの名前は?」
ソール「ベグル兄貴ッス!」
ガザル「.........ハア!!?」
ソール「あれ?知らねえっすか?」
ガザル「い、いやいや、知ってる知ってる。俺の仲間だ」
ソール「やっぱり!あの、城に行ってもいいっすか?」
ガザル「あ、ああ。構わねえぜ」
ソール「よっしゃ!兄貴に久しぶりに会えるっす!デルカダール王国まで来た甲斐があった!」
ガザル「(マ、マジかよ、あいつ。兄貴とか呼んでるって事はつまり、あれだろ。レッドボーンとかいう暴走族の........つまり、こいつも見た目によらずに)」
その後、デルカダール城
訓練場
ソール「おー!!すっげえ、すっげえ!マジの城っすね!!」
ソールは興奮した様子で周りをキョロキョロと見渡している
ガザル「おーい、ベグルー!お前の子分が来たぞー」
ガザルは入り口から兵士達に声をかけた
ベグル「は?俺の子分?」
バン「ベグル、いつの間に師匠になったんだよ」
ダバン「バン、それはお前とラース将軍みたいな師弟関係の場合の呼び方だ。子分って事はベグルは親分みたいな立ち位置なはずだぞ」
ギバ「ベグルの子分って、なんだ?それ?どんな凶悪なやつが」
マーズ「お?もしかしてガザルの後ろでキョロキョロしてる」
ソール「あー!!やっと見つけたっす!!兄貴ー!!」
ソールはベグルの姿を見るやいなや上から訓練場まで飛び降りた
全員「ハア!?」
ドスン!
ソール「兄貴!!久しぶりっす!!何年振りですかね!俺の事、覚えてますか!?」
ベグル「お、おま、ソール!!?なんでここに!?」
ロベルト「今の普通に凄えな、結構高さあるんだぞ」
ソール「ふおおお!兄貴の鎧姿、似合うっすよー!やっぱ兄貴は何着てても俺達の兄貴っすよ!この大剣も兄貴にピッタリっす!というか、かなりマッチョになられましたね!いやー、俺嬉しいっす!」
ソールはベグルの周りをウロチョロと周り、ペラペラと喋り続けている
ベグル「だー!!てめえは何年経ってもうるせえな!さっさと離れやがれ!」
ソール「すんません!!」
全員「.........」
全員そのやり取りに呆然としている
ガザル「あー、ベグル。ソールだっけか?そいつの兄貴ってーと、やっぱりレッドボーンの時の?」
ベグル「まあ......そういう」
ソール「おお!!皆さんもレッドボーンをご存知で!?という事は、兄貴の伝説もやはりご存知!?」
ソールはベグルの言葉を遮った
バン「ベグルの伝説?いや、それは知らねえな」
ソール「なんだと!?それはもったいない!!なら!兄貴の一番子分の俺、ソールが1から丁寧にベグル兄貴の伝説を教えてさしあげ」
ガツン!
ベグル「余計な事言わんでいい」
ベグルがソールの頭を思いっきり殴り、ソールの話を止めさせた
ソール「は......はい。すみません、兄貴」
ソールの頭に大きなたんこぶが出来た
ギバ「なんだよ、面白そうだったのになんで止めるんだよ」
ベグル「面白くもなんともねえよ!勝手にこいつらが伝説だのなんだの騒いでただけだ」
ガザル「悪尽のベグル.......ププっ、そ、それとどっちが恥ずかしい?」
ソール「おお!?兄貴の異名はご存知なんですね!その異名がついた由来こそ、兄貴の伝説の!」
ガツン!
ベグル「いいから黙れ!!」
ベグルは再びソールの頭を思いっきり殴り、黙らせた
ソール「な、なんでさっきから話させてくれないんっすか!!兄貴のカッコいいお話なんですよ!?」
ソールは頭に出来た二つの大きなたんこぶを押さえながらベグルを見た
ベグル「もうそんなん昔の話だ、ボケ!!いつまでそんなもんにすがってやがる!」
ソール「!!?」
ソールはベグルのその言葉に口をつぐませた
ロベルト「お、おい、ベグル。ちょっと今のはあまりいい言い方ではないんじゃないか?」
ベグル「うっせえ。ソール、そんな話をしに来たんならダーハルーネに帰れ」
ソール「..........す、すんませんっした、兄貴。ちょっと興奮して夢を見ていたみたいです。俺、ダーハルーネに帰ります。兄貴、兵士のお仕事頑張ってくださいね!」
ソールはそのまま階段を走っていった
ベグル「.........おい、ソール!」
ソール「!」
ベグル「お前が無事でよかった。お前がいるって事は、あいつらもまだいるんだよな?」
ソール「ヨシュアもドニもゼロも元気ですよ!俺達、今新生レッドボーンとしてダーハルーネの街を守ってるんっす!」
ベグル「そうか.......。それなら安心した!無茶はすんなよ!」
ソール「もちろんっすよ!」
ソールはそのまま走って訓練場から去っていった
バン「ソールか、かなり懐かれてんだな、ベグル」
ギバ「子分とかいうからどんな関係なのかと思えば、普通だったな。バンとお前を見てるみたいだったぜ」
ベグル「は?ソールを馬鹿にすんじゃねえよ。こんなのよりよっぽど賢いやつだわ」
バン「ハア!?俺が馬鹿だってか!?」
ダバン「何も間違っちゃいねえだろ」
ガザル「あーあ、知りたかったなー、ベグルの面白やらかし伝説」
ベグル「何か勝手に変な名前付けられてるし」
マーズ「だが、少し妙だな。あいつ、本当に話に来ただけなのか?」
ロベルト「俺もそこが気になる。そのためにわざわざ何年も会っていないベグルに会いに来たのか?というか、ベグルがここにいるとどうして知っていた?」
ベグル「それは俺が兵士になる前にあいつだけに話したからな。デルカダール王国で兵士になろうと思うってな。だが........マーズとロベルトの言う通りだ。あいつ、なんで今更になって会いに来た?」
バン「さっきベグルの昔の話にすがってんなって言葉の後に急にしおらしくなったよな。やっぱ何かあったんじゃね?それできっとベグルを頼りにきたんだって」
ギバ「となると、ベグルのあの言葉でベグルはもう頼ってはいけないって思ったのかもしれねえな」
ベグル「.............チッ!どいつもこいつも面倒事持ってきやがって!おい、兵士長!」
バン「わかってるって。仕事は俺がなんとかしておくからよ!行ってこい!」
ベグル「ああ、頼んだ」
ベグルは訓練場から出ていった