次の日、デルカダール城 玉座の間
ベロニカが一人でやってきていた
ベロニカ「突然ごめんなさい。もしかして忙しかった?」
マルティナ「ううん、そんな事ないわよ。どうしたの?ベロニカ。一人なんて珍しいわね」
ベロニカ「お願い事というか、助っ人を頼みに来たのよ」
グレイグ「助っ人?何か困っている事があるのか?」
ベロニカ「私ね、時々メダル女学園で魔法の先生やってるのよ。マルティナさんには前に話した事あったわよね」
マルティナ「ああ、そうだったわね」
ラース「へ〜、ベロニカが先生か。まあ魔法に詳しいし、いいんじゃないか?」
ベロニカ「その講義がね、私は皆に魔法を教えてあげたいから参加自由にしてるのよ。他の人達にはしっかりメンバーを決めなさいって言われてるんだけど、学校に行けるのは不定期だからこうした方が効率がいいのよ。結構人気なんだから!
ただ、そのせいで人数が前回からかなり多くなっちゃってね。30人くらいいるのよ。一人だととてもじゃないけど見きれなくて」
グレイグ「それは確かに大変だな。魔法の暴発も慣れていないと頻繁に起こると聞く。そんなに人数がいると危ないな」
ベロニカ「そうなの。それで、明日講義があるんだけどその時の助っ人にラース、私と一緒に指導してくれない?」
ラース「やっぱり俺か。魔法関連だと俺かじいさんに頼るよな、ベロニカ」
ベロニカ「だってあんただって魔法に詳しいし器用だし、基本もしっかりしてるじゃない。おじいちゃんに比べればまだまだだけど、おじいちゃんはもう歳だし、イレブンの補佐で忙しいと思うのよ。まあラースも.......忙しいのはわかるけど!お願い!」
マルティナ「ラース、行ってあげて。仕事はなんとかしておくから。ベロニカがかわいそうだわ」
ラース「べ、別に断ろうとはしてなかったぞ。いいぞ、ベロニカ。ただ、俺は初めましてになるが大丈夫なのか?」
ベロニカ「ありがとう、ラース。そこは問題ないわ。明日の内容は至って単純よ。数人で一グループになってもらって別々に魔法を調べて勉強してもらうの。その後で実際に調べた魔法を使ってみようって風に考えてるの」
ラース「なるほど。メラの式や構造を調べて、その後で実際に使おうって感じか。魔法がわからない人や慣れてない人には効果的だな。ただ、もう使えるやつだっているんじゃないか?」
ベロニカ「その人達も学べるように多少変化はいれるつもりよ。まあ詳しい事は明日になったら話すわ。それじゃあ明日、メダル女学園に来てよね!」
ラース「おー」
次の日、メダル女学園
ラースが着くと、ベロニカが校門で待っていた
ラース「おはよう、ベロニカ。なんか必要かと思って初級魔法と中級魔法の魔導書持ってきちまったが、いらなかったか?」
ベロニカ「おはよう、ラース。中級魔法の魔導書はありがたいわね。借りるかもしれないわ」
ラース「了解。えっと、場所はどこなんだ?」
ベロニカ「最初は教室でやるわ。その後外に出て実践って流れね。教室に案内するわ、こっちよ」
教室
ドアの向こう側からは既に生徒達が集まっているのか、ガヤガヤとたくさんの話し声が聞こえてくる
ラース「結構周りより広い教室なんだな」
ベロニカ「私が先生達に色々言ってここを使ってもらえるようにしたの。さ、ラース。入るわよ」
ガラガラ
ベロニカ「はい皆ー。魔法教室の時間よ。席についてー」
ベロニカがそう声をかけると、立って話していた生徒達もどんどん席に座っていった
しかし、ベロニカの言っていた通り生徒が多く、座れずに後ろで立っている生徒達もいる
生徒A「ベロニカ先生、隣の方はどなたですか?」
ベロニカ「この人は今日の助っ人よ。私一人だとこの人数は大変だから呼んだの。ラース、適当に紹介よろしく」
ラース「適当って......。ゴホン、初めましてだな。俺の名前はラースだ。今はデルカダール王国でマルティナ王女の騎士をやっている。魔法は色々使えるから、何か困っていたら気軽に声かけてくれて構わないぞ。よろしく!」
生徒達「よろしくお願いします」
ベロニカ「ラースは私より魔法の扱いはうまいのよ。結構器用だし、魔法式や構造にも詳しいの」
生徒B「ベロニカ先生の彼氏だったりしますか!?」
ベロニカ「ハア!?違うわよ!!」
ラース「残念だが、俺にはマルティナっていう妻がいるんでな。ベロニカとそういう関係ってわけじゃないからな」
ベロニカ「変な事聞かれる前にとっとと始めるわよ!今日は5人で一つのグループになってもらうわ。自由でいいから、まずは5人で集まってちょうだい」
ベロニカがそう言うと、生徒達はまた賑やかに話しながらグループを作っていく
しばらくすると6グループが出来上がった
ベロニカ「出来たかしら?もし人数が足りなくても大丈夫だからね。まずはこれを貸すわ」
ベロニカは図書室から借りてきた魔導書を一グループに一冊置いていく
ベロニカ「じゃあ左から順番に一、ニ、三、四、五、六番ね。番号ごとに調べる魔法を決めるから、言われた魔法をグループの人達と協力して調べてみて。
それじゃあ一番はメラ、二番はギラ、三番はヒャド、四番はイオ、五番はバギ、六番はジバリア。今言った魔法の初級呪文の構造と式を調べてちょうだい。もし余力があるなら中級呪文もやっていいわよ。わからない事があったら私かラースにいつでも聞いてね。それじゃあ始め!」
生徒達はそれぞれ本を開いて調べ始めた
ラース「ふーん、結構慣れてるんだな、ベロニカ。様になってんぞ」
ベロニカ「当たり前じゃない。先生は私の憧れでもあったんだから。それじゃあラース、四、五、六番の方をよろしく。私は一、二、三番を見てるわ」
ラース「了解」
ラースが奥のグループに歩いていくと
生徒C「あ!えっと.......ラース先生!」
ラース「せ、先生か。慣れないな。なんだ?」
生徒C「バギに使われる文字が本にないんです」
ラース「ん?なんでだ?」
生徒C「さ、さあ?」
生徒J「ラース先生はご存知ですか?」
ラース「知ってるぞ。バギは使えるからな。でも、調べた方が君達のためになる。本、借りるぞ」
生徒C「はい、どうぞ」
ラースは借りた魔導書を見た
ラース「ああ、そうか。これ、魔法使いの初級呪文用か。バギはな、少し特殊な魔法の一つで魔法使いでも覚えられる人と覚えられない人がハッキリしてるんだ。
そのせいか区分は初級呪文じゃないんだ。これ、俺が持ってきた中級呪文の魔導書だ。こっちには載ってるはずだから、こっちを貸すよ」
ラースは持ってきた魔導書を渡した
生徒C「そうなんですね!ありがとうございます!」
ラース「ああ、頑張れ。おーい、ベロニカ」
ベロニカ「なに?」
ラース「これ、魔法使いの初級呪文だとバギは載ってないぞ」
ベロニカ「あ!うっかりしてたわ。ありがとう、ラース」
ラース「後で返してきてくれ。それじゃあ」