ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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心と向き合って

その後、メダ女学園

 

 

 

ベロニカ「ラース、ちょっとこの魔導書図書室に返してきてもらえる?私、話したい生徒がいるのよ」

 

 

 

ベロニカはグループに使った数冊の魔導書をラースに押し渡した

 

 

 

ラース「わかった。最後の女の子か?グループの事についてならベロニカが口出しするような事じゃないだろ」

 

 

 

 

ベロニカ「あ、あんたも気付いてたの!?というか、なんで口出ししちゃダメなのよ。あんなやつらと一緒にいる方が駄目よ!」

 

 

 

 

ラース「それは俺達が関係していい事じゃない。本人次第だ。他者がどうこう言って変わるものじゃないだろう」

 

 

 

 

ベロニカ「........でも!あの子自体は優秀だし、あんな人達にいるのはかわいそうだわ!」

 

 

 

 

ラース「それこそベロニカの押し付けだろう。とにかく、あまり感情的になって行動するなよ?何をしようが生徒の自由だ。いろいろ経験して学んでいくんだ」

 

 

 

 

ベロニカ「わかったわよ!ちょっと話すだけにするわ!」

 

 

 

二階 廊下

 

 

 

そこには一人で歩いている先程の気弱そうな女の子がいた

 

 

 

ベロニカ「あ、見つけた。ねえ、ちょっといいかしら?」

 

 

 

 

気弱そうな女の子「え?あ!べ、ベロニカ先生」

 

 

 

 

ベロニカ「こんにちは。少し聞きたい事があったのよ」

 

 

 

 

気弱そうな女の子「わ、私にですか?」

 

 

 

 

ベロニカ「そう、えっと........名前を教えてくれる?」

 

 

 

 

スミア「私、スミアといいます」

 

 

 

 

ベロニカ「そう、スミアね。スミア、今日の魔法教室でのグループ見てたわ。なんだか仲がいいようには見えなかったけどお友達なの?」

 

 

 

 

スミア「あ.......は、はい。友達です」

 

 

 

スミアは顔を俯かせて静かに呟いた

 

 

 

ベロニカ「本当に?言いなりになってない?」

 

 

 

 

スミア「そ、そうですね。多分扱いやすいとか思われてます」

 

 

 

 

ベロニカ「なんで一緒にいるの?嫌じゃないの?」

 

 

 

 

スミア「私......人見知りで。他にお友達がいないんです。だからグループでの作業とかになるといつも余っちゃって」

 

 

 

 

ベロニカ「だからってあんな人達と一緒にいる事ないわよ。優しい子なら他にたくさんいるわ」

 

 

 

 

スミア「でも.......」

 

 

 

 

ベロニカ「言いなりになるのは嫌なんでしょ?それなら嫌ってはっきり言っちゃいなさい」

 

 

 

 

スミア「そ、そんな事できません!私.......そうしたら......また一人になっちゃう」

 

 

 

 

ベロニカ「一人になるのを怖がってちゃ駄目よ。勇気を出して。今一緒にいるのは本当の友達なんかじゃないわ」

 

 

 

 

スミア「本当の友達.......」

 

 

 

 

ベロニカ「そう。本当の友達ってのは、心でしっかり向き合っていける人達よ。ありのままのあなたを見てくれる人達。そんな人がきっとこの学園にいるはず」

 

 

 

 

スミア「........わかんないです。そんなの!わかんないです!!」

 

 

 

スミアは大きな声をあげた

 

 

 

ベロニカ「スミア、大丈夫だか」

 

 

 

 

スミア「私、この後授業あるのでこれで失礼します!」

 

 

 

スミアは走っていった

 

 

 

ベロニカ「..........やっちゃったかしら。ハァ、ラースにあまり深く関わるなって言われたのに」

 

 

 

その頃、図書館

 

 

 

ラース「えーっと、ここがこの魔導書でその奥がこっちか」

 

 

 

ラースは魔導書を元の本棚の位置に戻していた

 

 

 

その時、近くから話し声が聞こえてきた

 

 

 

ラース「ん?」

 

 

 

 

生徒D「今日の魔法授業マジでビビった。あんな波起こすとか何考えてんの、スミアのやつ」

 

 

 

 

生徒E「わかるー!暴走とか言ってたけど、そんな事起こるわけないよね。あのスミアだもん!絶対皆を狙ったんだって」

 

 

 

 

生徒F「あー、それか私ドジっ子なんですーって思われたかったんじゃない?ほら、今日来た男の先生かっこよかったじゃん。なんか大きな壁を作って守ってくれてさ」

 

 

 

 

生徒G「やば、スミアなのに調子のりすぎじゃん」

 

 

 

 

生徒D「テストどうなるかわかんないけどさ、スミアを使えばまた満点余裕でしょ。私達魔力ないからわかんないけど」

 

 

 

 

生徒E「皆にスミアが褒められてたけどさ、ズルくない?ちょっと魔法使えるからってさ。私達の方が優秀じゃん。魔法がなんなのよ。あんなん努力しなくたって適当にやれば出来るに決まってんじゃん」

 

 

 

 

ラース「そんな事ないぞ」

 

 

 

 

四人「!!」

 

 

 

 

ラース「魔法を扱うには深い知識と努力が必要だ。単なる式や構造だけじゃない。自然の原理や発生条件など様々な事を知らなければ扱う事は出来ない。

 

 

 

魔法を扱えるってのは、それだけの見えない努力がある。少なくとも、講義を聞かないで話してばかりの君達よりはスミアの方が圧倒的に努力しているな」

 

 

 

 

生徒G「ラ、ラース先生......」

 

 

 

 

生徒D「す、すみません」

 

 

 

四人の生徒は軽くラースに頭を下げてそそくさと図書室を出ていった

 

 

 

ラース「(ハァ......俺もベロニカの事言えないな。つい声に出してしまった)」

 

 

 

放課後、寮

 

 

 

スミアが部屋に戻ろうとしていると

 

 

 

生徒D「ちょっとスミア」

 

 

 

部屋の前にあのグループの四人組が待っていた

 

 

 

スミア「な、なに?」

 

 

 

 

生徒E「あんたさー、ちょっと魔法使えるからって調子のりすぎ」

 

 

 

 

生徒F「私達、ラース先生に怒られたんだけど」

 

 

 

 

スミア「そ、そうなの?」

 

 

 

 

生徒G「そうよ!折角仲良くなろうかなとか思ってたのに、なにあんたが褒められてんのよ」

 

 

 

 

スミア「だ、だって代表に立って魔法使っただけだし、失敗したし」

 

 

 

 

生徒D「そうよね、失敗したのに褒められたのはムカつく。まあいいわ、その代わりにこの魔法授業のテストになったらまた答えよろしく」

 

 

 

 

スミア「え.......。だ、だめだよ、ベロニカ先生もラース先生も厳しそうだもん。私でも点数とれるか」

 

 

 

 

生徒D「いいからやりなさい!!」

 

 

 

 

スミア「..........(ありのままの私を........受け入れてくれる人...........友達.........)」

 

 

 

 

生徒E「ちょっと!なにか言いなさいよ!」

 

 

 

グループの一人が何も言わないスミアに強く声をかける

 

 

 

スミア「嫌だ!!」

 

 

 

スミアは勇気を振り絞り、大声をあげた

 

 

 

四人「!!」

 

 

 

 

スミア「私をもういいように使うのはやめてよ!四人もちゃんと勉強してよ!私、こんな扱いもう嫌だ!!」

 

 

 

スミアの大声に近くの部屋から他の人達が顔を出した

 

 

 

生徒G「ちょっ、あんた何いきなり!ああもう!」

 

 

 

四人は焦ったように去っていった

 

 

 

スミア「........やっちゃった」

 

 

 

 

生徒B「スミアちゃん......大丈夫?どうしたの?」

 

 

 

 

スミア「あ、えっと.........その」

 

 

 

 

生徒C「スミアちゃん、あの子達にずっといいように使われてたもんね」

 

 

 

 

スミア「う、うん。でも........やっぱり嫌になっちゃって」

 

 

 

 

生徒B「そうなんだ。あの子達、嫌な噂とかあるもんね。今までよく頑張ったね」

 

 

 

 

スミア「あ、あり.....がとう」

 

 

 

 

生徒C「あ!ねえ、スミアちゃん。今日のジバリア凄かったよ!私に魔法教えて。ほら、私バギ失敗しちゃったじゃん?」

 

 

 

 

スミア「あ......そうだったね。でも、私なんかでいいの?」

 

 

 

 

生徒C「いいよ!スミアちゃん、あんなしっかり難しい式を詠唱してて凄かったもん」

 

 

 

 

生徒B「うんうん。ジバリアってね、中級呪文と同等の難易度なんだよ」

 

 

 

 

スミア「そ、そうみたいだね」

 

 

 

 

生徒C「私のお部屋に来て。お話しよ!」

 

 

 

 

スミア「........うん!」

 

 

 

 

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