その後、盗賊達はマーズとベルによりあっという間に倒され、旅人の男性を助け出した
デルカダール城下町 広場
男性「ありがとうございます!助かりました!」
女性「私からもお礼を言わせてください。ありがとうございました。彼を助けてくれただけでなく、私の治療までしてもらえるなんて」
マーズ「兵士だからな。困ってる人を助けるのが仕事だ。無事でよかった」
ベル「彼氏の方も女性の方を助けるために囮になるのは勇敢だが、彼女の気持ちからすればあまりいい判断とは言えんぞ。残された方は不安で心配で仕方ないのだからな」
彼氏「そ、そうですよね.....すみません」
彼女「ありがとうございます、私の気持ちまで言ってくれて。この人の言う通り!本当心配したんだから!もうあんな事しないで!」
彼氏「はい」
夕方
観光の続きとして道具屋や図書館に行きゆっくりしていると、外は夕暮れ時になってきていた
ベル「おお、随分と時間が早いように感じるな。知らぬ内に本に夢中だったようだ」
マーズ「ベルさん、ずっと読んでたもんな。その本、そんなによかったのか?」
ベル「ああ、中々勉強になる。立ち回り方や人と魔物との戦いの構えの違いなど細かく書かれてある」
マーズ「なるほど。まだ強くなるのか?」
ベル「ああ、そうだ。私は強くなりたいのだ。女だから戦えないと決めつけるのも、後ろで何もせずただ見ているだけなのも嫌なのだ。そうしていては守りたいものは離れていく。私も守りたいものがある。そのために戦うと決意したのだ。だから私はどこまでも強くなりたい」
ベルは夕日が沈む方を見ながら真っ直ぐ、強く言い切った
その瞳は光に満ちており、ベルの綺麗な瑠璃色の瞳に夕日のオレンジが混ざり輝いていた
マーズ「..............かっこいいな、ベルさん」
ベル「!?そ、そんな事はないだろう!マーズ殿こそ、戦いの時も仲間の兵士殿達といる時もかっこいいではないか。強さも優しさも持ち合わせている。少々羨ましい」
マーズ「はは、そんな風に見えてたのか?それこそベルさんの買い被りだ。俺はベルさんみたいな強い決意は無いからな。そういう高い目標を掲げて必死に頑張る人は皆、かっこいいさ。バンも俺の中ではかっこいいやつなんだぜ」
ベル「バンが?.......そうか。私は魔物のバンの事しか知らない。人間のバンの事は知らないからな。そういえば兵士長なのだったな。魔物のバンと同等の強さだったな、さぞ強いのだろう。是非とも手合わせ願いたいものだ」
マーズ「バンは強いぞー。俺と組み手をやると大抵俺が防戦一方になるからな」
ベル「マーズ殿が防戦一方か!それは凄いな」
マーズ「かなりのスピードでかくとう技と槍を組み合わせてくるんだ。魔法はまったく使えない代わりに接近戦を誰よりも得意とするんだ。まあベルさんの大剣はバンのかくとう技とは相性がいいからな。リーチのあるベルさんが有利に立ち回れるはずだぜ」
ベル「だが、それはバンも当然わかっているだろう。弱点なのだからな。対策があるはずだ。考えていたら戦ってみたくなってきた。マーズ殿、訓練場に行ってもいいだろうか」
マーズ「構わないが、バンは兵士長なだけあってまあまあ忙しいからな。戦えるかはわからないぞ。それとベルさんは平気なのか?そろそろ夜になるが」
ベル「宿は既に取ってあるのでな、心配はいらない。バンの用事がなければよいのだが」
マーズ「ま、それじゃあ城に戻るか」
ベル「ああ。マーズ殿、とてもよいホワイトデーだった。かなり楽しませてもらった。ありがとう」
マーズ「ふふ、またお礼を言われるのか。もういいって。俺もベルさんといろいろ出来て楽しかったしな」
ベル「感謝はいくらでも伝えないと伝わりにくいものだからな。それに嫌な思いをするものでもないだろう?」
マーズ「まあな」