ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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53.最後の砦

デルカコスタ地方 船着場

 

 

 

イレブン「ん.....。あ、人間に戻ってる。ここは....デルカコスタ?」

 

 

 

イレブンが目を覚ますと、デルカコスタ地方の船着場のベッドにいた

 

 

 

船乗り「おまえさん、お目覚めかい?しかし、朝だっていうのに夜みたいに暗いよな」

 

 

 

船乗りがイレブンに気づいて話しかけてきた

 

 

 

イレブン「あの、どうしてこんなに暗いんですか?」

 

 

 

周りは朝なのに暗く、太陽も出ていなかった。空は真夜中のように真っ黒に包まれていた

 

 

 

船乗り「何だい、知らないのか?あれを見ろよ」

 

 

 

船乗りと共に外に出て、船乗りが指差す先にはデルカダール城が見える

 

 

 

そこは前までのような立派な雰囲気はなく、廃墟となったようにボロボロで城からは黒い闇が絶え間なく出ている

 

 

 

船乗り「あの不気味な闇は、おっかねえ爆発がおきた日にデルカダールの城から沸いてきたんだってよ。それ以来、闇が空を覆っちまってここに住む俺らはお天道様が見れねえってわけだ」

 

 

 

キイッキイイッ!

 

 

 

遠くから魔物の声が聞こえてきた

 

 

 

船乗り「まずい!隠れろ!」

 

 

 

船乗りはイレブンを引っ張ると近くにあった岩に隠れた

 

 

 

ギャーギャー

 

 

 

イレブン達の上空を大量の魔物達が飛んでいった

 

 

 

船乗り「ふう、危ねえ危ねえ。やつらは闇と一緒に城から湧いてきた魔物達だ。早く安全な所に逃げた方がいい。

 

 

 

ここから西に行くとイシの大滝がある。その先に最後の砦っていうのがあって、そこではあの英雄が守ってくれているんだ。そこに行くといい」

 

 

 

 

イレブン「わかりました。ありがとうございます」

 

 

 

 

イレブン「(最後の砦?イシの大滝の近くは、僕の村があった場所なんだけどな、行ってみよう。......みんな大丈夫かな)」

 

 

 

イレブンは共にいた仲間達の事を不安に思いながらも、前に進むために魔物だらけとなったデルカコスタ地方を進んでいった

 

 

 

最後の砦 入り口

 

 

 

イレブン「え!?」

 

 

 

イレブンが通ると中からイレブンが見覚えのある大きめの茶色い犬が飛び出してきた

 

 

 

ルキ「ワン!ワンワン!!」

 

 

 

犬はイレブンに喜んでいるようで、激しく尻尾を振っている

 

 

 

イレブン「ルキ!どうしてここに....君がいるってことは、もしかして」

 

 

 

イレブンはルキを追いかけていく

 

 

 

最後の砦

 

 

 

イレブン「これは.....僕の村が砦みたいになってる」

 

 

 

かつてのイレブンの故郷だったイシの村の姿は変わり果て、まるで要塞のようになっていた。丈夫な木の柵に大きい門、あちこちには武器やボウガンが用意されている

 

 

 

ルキ「ワンワン!」

 

 

 

ルキの近くにはオレンジのバンダナが特徴的な金髪の女性が立っていた

 

 

 

エマ「ルキッ!どこにいってたの?」

 

 

 

 

イレブン「エマ!」

 

 

 

イレブンはエマの姿を見て安心したような笑顔になった

 

 

 

エマ「えっ!イレブン.....イレブンなのね!!よかった。私、ひどい噂ばかり聞いて....本当におかえりなさい!

 

 

 

私達の村、ずいぶん変わってしまったでしょ?イレブンが旅立ってすぐに、ホメロスという将軍がやってきて、皆殺しだと言ったわ。でも、あの方が命まで奪う必要はない、と止めてくれて私達は生きてたわ。村は焼かれてお城に閉じ込められたけど、あの人は優しかったわ。誰も傷つけなかったし。

 

 

 

あ!ごめんなさい。長旅で疲れてるわよね。それに、誰よりもあなたの帰りを待っている人がいるわ。イレブン、私についてきて」

 

 

 

 

イレブン「うん、ありがとう。エマ」

 

 

 

砦 休息所

 

 

 

ペルラ「さぁみんな!チャッチャカ手を動かして!チャンバラは男どもにまかせな!私達の戦場はここだよ!」

 

 

 

そこでは数人の女性達を鼓舞しながら織物をしているイレブンの義母、ペルラがいた

 

 

 

エマ「いたいた!おばさま!大ニュースよ!!」

 

 

 

 

ペルラ「あら、エマちゃん。どうしたの?」

 

 

 

 

イレブン「母さん、ただいま。長い間、心配させてごめん」

 

 

 

 

ペルラ「あっ.....ああっ!イレブン!!よかった。本当によく無事でいてくれたよ。恐ろしい事ばかりおきて、もしやと思って....ううっ!」

 

 

 

ペルラはイレブンの姿を見ると、持っていた織物を放り投げて駆け寄り抱きしめた。ペルラは涙を流して喜んでいる

 

 

 

少ししてエマとペルラはこれまでの事を話していた

 

 

 

エマ「あの爆発で大勢の人が亡くなったの。次に朝が来なくなって、恐ろしい魔物が大陸中に溢れかえったわ。生き残った人達も、だんだんと生きる力を失っていったの」

 

 

 

 

ペルラ「そんな時、あの方が私達の前に現れて身分も国も関係なく、困った人を皆助けてくれた。私達を守りながらこの村に連れてきてくれた。

 

 

 

あの方がいなかったらどうなってたか。今じゃここは最後の砦なんて呼ばれて、大陸中の人が集まっているんだ。それに、なんとデルカダール王もいらしてるんだよ」

 

 

 

 

二人「......」

 

 

 

イレブンとエマはその名前を聞いて少し暗い顔をする

 

 

 

ペルラ「そんな顔するもんじゃないさ。村を焼かれた事は、忘れられないさ。

でもね、人を恨んだって仕方ない。まあ今すぐじゃなくても、イレブンは王様に会いに行くべきだよ。おじいちゃんならきっとそう言うさ」

 

 

 

 

イレブン「......うん、そうだね。会いに行ってみる。ありがとう、母さん」

 

 

 

 

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