ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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信頼

デルカダール城下町 城門前

 

 

 

ダバン「........」

 

 

 

ダバンは一人で遠くを眺めていた。その場所はバン達とあの約束をした場所と同じだった

 

 

 

ベグル「よう、裏切り者の弱虫君」

 

 

 

 

ダバン「!」

 

 

 

ダバンが振り向くとベグルが近くに立っていた

 

 

 

ダバン「......んだよ」

 

 

 

 

ベグル「べつ」

 

 

 

ガン!

 

 

 

ベグルが話そうとした言葉はベグルが後ろから殴られた事により中断された

 

 

 

ダバン「!?」

 

 

 

 

ベグル「いってぇな!何しやがる!」

 

 

 

 

ギバ「うるせえ、馬鹿野郎!穏やかに話すって言ったから任せたのに、なんだ今の呼び方!てめえは穏やかのおの字すら知らねえのか!!」

 

 

 

 

ベグル「いいだろうが、別に!任せたんなら黙って見てろ!」

 

 

 

 

ギバ「こんなやつに任せられるか!俺が話す!」

 

 

 

 

ベグル「まだてめえに用はねえよ!ひっこんでろ!」

 

 

 

 

ダバン「..........(何やってんだ、こいつら)」

 

 

 

ダバンは目の前で突然繰り広げられ始めた言い争いに少し呆れていた

 

 

 

ベグル「いいから!おい、お前」

 

 

 

 

ダバン「......なんだよ」

 

 

 

 

ベグル「喧嘩しようぜ」

 

 

 

 

ダバン「は?」

 

 

 

 

ベグル「だから喧嘩だって」

 

 

 

 

ダバン「........嫌だが」

 

 

 

 

ベグル「あぁ!?」

 

 

 

ガン!

 

 

 

ギバ「まったくこの暴走族は!言葉が足りねえって何回言ったらわかるんだよ!」

 

 

 

 

ベグル「さっきから人の頭殴りやがって。てめえ、後でどうなるか覚悟しとけよ」

 

 

 

 

ギバ「うっせえ!ダバン、喧嘩だよ。拳とかじゃなくて言いたい事言い合うんだ。考えとか抜きにしてさ」

 

 

 

 

ダバン「あ、ああ。そういう事か」

 

 

 

 

ベグル「もう一度聞く。なんでずっと辞める事を黙ってたんだよ」

 

 

 

 

ダバン「それなら前に答えただろ。お前達との約束を破る事になるし、絶対喧嘩になると思って言い出しにくかったんだ。俺はお前達とずっとこれまで通り仲良くいたかったからよ」

 

 

 

 

ベグル「........ハァ」

 

 

 

ベグルはその答えにため息をついた

 

 

 

ダバン「なんだよ、不満そうな顔して」

 

 

 

 

ギバ「お、おい、ベグル。落ち着けよ?」

 

 

 

 

ベグル「わーってるよ。お前、そんな事して俺達が喜ぶとでも思ったのか?」

 

 

 

 

ダバン「!そんな事、思ってない。だが、お前達が喜ぶような終わらせ方なんて存在しないと思って」

 

 

 

 

ベグル「そうかよ。バンがお前にこう言っていたな、ずっと仲間だと思っていたのに、お前の中じゃそんな事なかったってな。正にその通りだよ、お前は」

 

 

 

 

ダバン「違え!!俺はずっとお前達を仲間だと思っている!」

 

 

 

 

ベグル「そんなわけねえだろうが!!てめえのその行為はな!俺達の信頼や友情、今までの俺達を全否定する行為なんだよ!!」

 

 

 

 

ダバン「!!?」

 

 

 

 

ベグル「言い出しにくかったなんてのは、心の中でお前が勝手にこの程度で俺達の関係が壊れると決めつけたからだろうが!本心ではこの程度の関係だとお前は思ってるんだよ!」

 

 

 

 

ダバン「そ.....んなはず.....」

 

 

 

 

ギバ「少しでもいいから相談してほしかったんだ。困ってんなら力になってやりたかったし、決めたのなら応援してやりたかった。でも、ダバンは言ってくれなかった。まるで俺達は頼れないやつらだと思われているみたいだ」

 

 

 

 

ベグル「わかったかよ、馬鹿野郎。俺達が怒ってんのはそこだ。俺達の信頼を浅く見られた事が、俺達はショックなんだよ」

 

 

 

 

ダバン「....すま....ない。俺は.......俺は、そんなわけじゃあ」

 

 

 

ダバンは膝から崩れ落ち、涙を流している

 

 

 

ギバ「わかってる。ダバンはよ、きっとたくさん悩んだんだよな。ケニーの事、ミラさんの事、これからの事、俺達の事。そんなたくさん一人で考えたら間違う事なんか当たり前だ。だから少し間違ってしまったんだ。

 

 

 

俺達を頼ってくれよ、ダバン。仲間なんだからさ。なんでも力になってやりたいんだよ。もう遅いのかもしれないけど」

 

 

 

 

ダバン「ああ..........ああ.......。すまない、ギバ。すまない、ベグル。俺も.......皆に頼りたかった。不安で、一人で頑張らなきゃいけないように感じて........。本当にすまなかった」

 

 

 

 

ベグル「なんだ、言えるじゃねえかよ。心からの声。お前は弟ともう一度家族になると言っていたな。そのためには、勇気を出していかなきゃいけない場面なんてたくさんあるはずだ。

 

 

 

それなのにお前は、俺達にすら勇気を出せず自分の心の声を無視していた。だから俺は弱いと言ったんだ。俺達にすら出来ないで誰に出来るんだよ」

 

 

 

 

ダバン「その通りだな。俺、弱いな。自分にすら正直になれないで、変わってしまった弟を戻せるわけがねえ」

 

 

 

 

ギバ「まだ変えられるぞ、ダバン。自分に正直になるんだ、今みたいにさ。そうすりゃきっとバンともケニーとも元通りになれるさ。勇気を出してよ」

 

 

 

 

ダバン「ああ........。ありがとう、二人とも。俺、もう迷わねえ。バンにもう一度話してくる。逃げないで真っ直ぐ向き合ってくる」

 

 

 

ダバンは泣いた目を腕で擦った後、真っ直ぐベグルとギバを見た

 

 

 

ギバ「おう!」

 

 

 

 

ベグル「そうだ。行ってこい、ダバン」

 

 

 

 

ダバン「ああ!」

 

 

 

ダバンは城に向かって走っていった

 

 

 

ギバ「で?そこで隠れてる二人は何してんだ?」

 

 

 

 

ベグル「隠れる気あんのかよ、コソコソしやがって」

 

 

 

ベグル達が城門に向かって話しかけると

 

 

 

ロベルト「ほら、見ろ。気付かれてるぞ」

 

 

 

 

ガザル「結構頑張ってた方なんだけどな」

 

 

 

 

ギバ「まあ、あれだろ。俺達を心配して見てたんだろ?」

 

 

 

 

ガザル「そうだ、当たり前だろ。昨日の喧嘩の続きをまたここでするんじゃねえかと思ったんだ」

 

 

 

 

ロベルト「ギバもベグルも落ち着いてくれたみたいでよかった。どう仲直りさせようかと苦労してたんだ」

 

 

 

 

ベグル「ああ......。なんか.....すまねえ」

 

 

 

 

ギバ「まああんなにバラバラになりかけたのは初めてだもんな。戸惑うよな」

 

 

 

 

ガザル「本当だぜ!こっちがどれだけヒヤヒヤしたと思ってんだよ」

 

 

 

 

ロベルト「後は.......バンか」

 

 

 

 

ベグル「ダバンがどれだけあいつに向かい合うかだな」

 

 

 

 

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