ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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励ましの言葉

デルカダール城 バンの部屋 前

 

 

 

コンコン

 

 

 

ダバン「バン、いるんだろ?俺だ、ダバンだ」

 

 

 

 

バン「!?」

 

 

 

 

ダバン「まだ怒ってるよな。俺の声すら聞きたくないかもな。だから、耳を塞いでいてくれても構わない。ただ、どうしても俺がいなくなる前にお前にもう一度話しておかなければいけないと思ったから勝手に話させてもらうぞ」

 

 

 

ダバンはそっとバンの部屋の扉の前に座り込んだ

 

 

 

バン「.........」

 

 

 

 

ダバン「バンはそもそも、どうして俺がいなくなるのかの理由知ってるか?知らない前提で話すが、俺はケニーと一から家族としてやり直すためにユグノアに行こうと決めたからなんだ。お前が俺に言って勇気をくれたから、こうしてやり直そうという気持ちになれた。本当にありがとう」

 

 

 

 

バン「..........」

 

 

 

 

ダバン「だが、勘違いするなよ。お前が原因で辞めたわけじゃない。きっかけは確かにそうかもしれないが、決めたのは俺自身だ。バンは悪くない。それで........ずっと黙ってた理由なんだが.........。

 

 

 

俺は!ずっとお前達と最後まで出来るだけ楽しく過ごしていたかったから....。

俺なんかを気にかけてくれなくていいと......そう思っていた。あの約束を破って、バンからの信頼を裏切るようなやつを.......止めないでほしかったから。

 

 

 

だから皆からは恨まれようが嫌われようが、辞めるのだからその方が都合がいいと思ったんだ。そう言われる覚悟もしていた。だけどよ.........やっぱり効いたさ、お前からのあの言葉。俺を信頼するんじゃなかった、俺を仲間だと思うんじゃなかった、大嫌いだって。

 

 

 

.........は、はは........当たり前だよなぁ.......。ベグル達に言われてようやく気付いたんだ。俺.........お前達との大切な信頼関係を........壊したくないと言いながら......俺が壊していた。皆、怒って当たり前なんだ.......。

 

 

 

もう無理かもしれねえけど........それでもまだ........俺はお前達と仲間でありたい!!こんな自分の心から逃げてるような弱いやつだけど、もう逃げないから!俺が進む道を、やるべき事を必ず成し遂げてみせる!

 

 

 

それが例え離れ離れだったとしても、心は!!ずっとお前達と共にありたいから!!」

 

 

 

ダバンは涙を流しながら、それでも力強く声をあげた

 

 

 

バタン!

 

 

 

ダバン「!?」

 

 

 

ドサァ!

 

 

 

ダバン「重たっ!!」

 

 

 

突然ダバンの目の前の扉が開き、座っていたダバンにバンがのしかかってきた

 

 

 

バン「あだりばえだ!!」

 

 

 

バンも泣きながらダバンに抱きついた

 

 

 

バン「ごべん!!俺......ダバンのごと、嫌いになるわげないのに.......ひでえこと言った。グズッ......確かになんで黙ってたのかとか、どうして俺達を頼ってくれなかったのか色々わかんなくてゴチャゴチャしてたけど、ダバンが全部正直話してくれたからもういい。

 

 

 

俺の方こそごめん!本当は俺、ダバンの事大好きだぞ!頼りがいのある所とか、昔からいろんなところで俺達をサポートしてくれた事とか、実はちょっと怒らせると怖い所とか!

 

 

 

ダバンならどこに行ったって絶対負けねえよ!俺が保証する!なんたって、デルカダール王国の兵士長を支える大事な仲間の一人なんだからよ!」

 

 

 

 

ダバン「バン........。ああ......ああ......そうだな。ありがとう」

 

 

 

 

バン「本音を言うなら、俺だってずっとダバンと皆とここで楽しくこれまで通りやっていたい。でも、どうしても譲れないもののためなら皆はきっとここからいなくなる。すげえ寂しいけど、悲しいけどそれを止めて悲しませる事は俺も絶対に嫌だ。

 

 

 

だから!ダバンが言ってくれたみたいに、離れてても心はきっと一緒だって信じてる!だからよダバン、頑張れなんて言わねえぞ。ダバンが努力家で頑張ってるのは俺が、俺達が一番知ってる!代わりに応援してるからな!遠く離れたこのデルカダール王国からずっと!ダバンなら出来るってな!」

 

 

 

 

ダバン「ああ。バンこそ俺がいなくなってもこれまで通り兵士長をやっていけよ。ベグル達と力を合わせてさ。お前は皆がいてこそ輝くからな」

 

 

 

 

バン「おう!」

 

 

 

 

ギバ「一件落着みたいだな」

 

 

 

 

二人「げ!?」

 

 

 

バンとダバンが声に横を向くと、ギバとベグルが少し離れた場所で見ていた

 

 

 

ベグル「男二人が目を赤くしてなんつー事やってんだよ。見苦しいからさっさと離れろ」

 

 

 

 

バン「う、うるせー!つい感情的になっただけだ!」

 

 

 

 

ダバン「ベグル、言い方がよくない。変な事なんかしてないからな。自分に正直になっただけだ」

 

 

 

 

マーズ「やーっと元通りになったか」

 

 

 

 

ギバ「お、マーズ!」

 

 

 

 

ガザル「とんだ面倒をかけさせやがって」

 

 

 

 

ロベルト「お、ダバンとバンも仲直りしたみたいだな。よかった、本当に」

 

 

 

 

バン「あ......な、なんかあれか?もしかして、相当迷惑をかけてた?」

 

 

 

 

ベグル「そうみたいだぜ」

 

 

 

 

マーズ「まあ無事に仲直りしたみたいだし、問題ないさ。な?」

 

 

 

 

ガザル「いーや、こんな面倒かけさせた四人には絶対謝罪してもらわねえと」

 

 

 

 

ダバン「しゃ、謝罪って......。ほら、始まりは俺だから俺が代表して」

 

 

 

 

ギバ「いやいや、ベグルのだって酷かったんだぜ!?」

 

 

 

 

バン「え!?ベグル、なんかしたのか!?」

 

 

 

 

ベグル「うっせえ!俺は謝んねえからな」

 

 

 

 

ロベルト「はは、本当いつも通りになってきたな。ほら、ガザル。お前も落ち着けって」

 

 

 

 

ガザル「チッ.....。これは貸しだからな。いつか返せよ!」

 

 

 

 

ギバ「わかったよ。ま、心配かけさせたのは悪かったしな」

 

 

 

 

バン「そっか、確かに。ありがとな、ガザル、マーズ、ロベルト!」

 

 

 

 

マーズ「よし、それじゃあ皆仲直りした事だし、明日くらいにダバンの送別会やろうぜ!」

 

 

 

 

ダバン「え!?い、いいよ、そんなのしなくたって」

 

 

 

 

ベグル「へ、いいじゃねえか。離れる戦友をいっちょ揉んでやろうぜ」

 

 

 

 

ダバン「待て、ベグル。俺に何する気だ!?」

 

 

 

 

バン「いいじゃん、それ!師匠とか皆誘ってやろうぜ!」

 

 

 

 

ダバン「だから話聞けって!そんな規模を大きくするな!」

 

 

 

 

ギバ「じゃあ俺、マルティナ様達に声かけてくる!」

 

 

 

 

ダバン「待てー!!それをしたら本当に手がつけられなくなるから!待て、ギバ!」

 

 

 

その夜、バルコニー

 

 

 

ラースとマルティナ、グレイグに呼ばれてダバンとバンがやってきていた

 

 

 

マルティナ「よかったわ、四人とも元通りになって」

 

 

 

 

ダバン「大変ご迷惑をおかけしました」

 

 

 

 

グレイグ「本当ならバンやベグルに声をかけようかと思っていたのだが、ラースに何もするなと言われてしまってな。何もせず見ているだけだったが、なんとかなって本当によかった」

 

 

 

 

バン「そ、そうだったんですか!師匠はなんでそんな事を?」

 

 

 

 

ラース「当たり前だろ。というか、マルティナもグレイグもこうなる事は予想出来てただろ?ダバンがバンに言わないでいると言っていた時から」

 

 

 

 

マルティナ「まあ......ね。でも、バンとダバンだけでベグルとギバまであんな不穏な感じになるとは思わなかったわ」

 

 

 

 

グレイグ「それは私も同じです。雰囲気に呑まれたのかは知らないが、どうしてあの二人も?」

 

 

 

 

ダバン「ベグルが俺の取った行動に腹を立てていたらしく、その影響でギバにも強くあたってしまってギバもベグルと喧嘩になったんです」

 

 

 

 

ラース「なーるほど、まあ考えられなくもないか。まあ平和に終わってよかったよ。それで?明日の夕方からにするか?送別会」

 

 

 

 

ダバン「ほ、本当にいいんですか?俺は何もしなくても全く構わないのですが」

 

 

 

 

マルティナ「いいのよ。新天地で頑張るんだから、少しくらい応援させて」

 

 

 

 

グレイグ「どうせならロウ様とイレブンにも声をかけてみようか。忙しかったらこれないだろうが」

 

 

 

 

バン「あ、いいですね!グレイグ将軍!イレブンさんにダバンの事教えないと!」

 

 

 

 

ダバン「恥ずかしいからやめろ!」

 

 

 

ダバンは少し顔を赤くしながら笑っている

 

 

 

ラース「ふっ、後悔しないように.......と言ったあの時よりいい顔をしているな、ダバン。選択を間違わなかったみたいだな」

 

 

 

 

ダバン「はい!!皆のおかげです!」

 

 

 

 

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