ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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焼き付ける瞬間

それから三日後、デルカダール城

 

 

 

大広間

 

 

 

今日はダバンがユグノアへと旅立つ日。ダバンを見送ろうと大広間にはデルカダール王から見習いの兵士達、コック達に医者の人まで集まっている

 

 

 

ダバン「な、なんでこんなに.....。申し訳ないですよ」

 

 

 

 

デルカダール王「なに、一目見ようと思ってな。そこまで固くならんでもよい」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、そうよ。前も言ったけど見送りくらいさせて」

 

 

 

 

グレイグ「向こうでもしっかりな。イレブン達をしっかり支えてやってくれ」

 

 

 

 

ダバン「はい。粉骨砕身の思いで頑張ります」

 

 

 

 

ラース「それにしても......バン達は揃ってどこに行ったんだ?こんな大事な時によ」

 

 

 

 

ガク「俺達もわからないんです。皆さんが来る前まではいたんですが」

 

 

 

 

ラース「.....まあいいけどよ。ダバン、ユグノアについたらイレブンに会いにいくんだぞ」

 

 

 

 

ダバン「?もちろんですよ。これからのご挨拶もしなければなりませんので」

 

 

 

 

ラース「そうだな、それならいいんだ」

 

 

 

 

ダバン「それでは..........皆さん!!長年、本当にお世話になりました!ここでの経験や技術は俺のかけがえのない力となりました。ありがとうございました!」

 

 

 

ダバンは深々と全員に向かってお辞儀をした

 

 

 

ダバン「デルカダール王国に栄光あらんことを!」

 

 

 

 

マルティナ「誇り高きデルカダール兵士に!」

 

 

 

 

全員「栄光あらんことを!」

 

 

 

 

ダバン「!?」

 

 

 

 

グレイグ「ふっ、驚いたか?俺達からのエールだ」

 

 

 

 

ダバン「ありがとうございます!!」

 

 

 

ダバンはもう一度深々とお辞儀をするとゆっくりと名残惜しそうに城を去っていった

 

 

 

マルス「母さん、ダバンさんどこに行っちゃうの?」

 

 

 

 

マルティナ「ダバンはユグノアに行くそうよ。また兵士さんになるんだって」

 

 

 

 

ルナ「どうして?」

 

 

 

 

ラース「大事な大事なやりたい事があるそうだ。二人もダバンを応援してやろうな」

 

 

 

 

二人「うん!」

 

 

 

デルカダール城下町 城門前

 

 

 

ダバン「な!?」

 

 

 

ダバンが城下町から出てくると、城門前にはバン達が集まっていた

 

 

 

ギバ「お、来たな、ダバン」

 

 

 

 

ダバン「お前ら、こんな所にいたのかよ。ラース将軍達が探してたぞ」

 

 

 

 

ロベルト「やっぱり一応ラース将軍達にも話しておくべきだったかもな」

 

 

 

 

マーズ「もう遅いさ。さ、ダバン。こっち来いよ」

 

 

 

 

ダバン「なんだ?」

 

 

 

 

バン「よし!じゃあまずは俺からな!俺はー!これからも兵士長として皆を支えていけるようになるぞー!」

 

 

 

バンは海に向かって叫び始めた

 

 

 

ダバン「バン?何してんだ?突然」

 

 

 

 

バン「何って......約束のやり直しだ!あの時の約束はもうダバンがいなくなるから守れなくなったけど、もう一度約束を今やり直すんだ!それにあの時にはいなかったロベルトにマーズ、ガザルもいるからな!ダバンももちろんもう一度やるんだぞ」

 

 

 

 

ダバン「.........ははっ!そうだな。よし、やるか!」

 

 

 

 

ベグル「そんじゃ、次は俺な。うーん........よし。これからも最強の座は俺だー!あとー、バンをこれからもいじめていくからなー!」

 

 

 

 

バン「こらー!最後に何変な事言ってんだ、ベグル!そんなん取り消せ!」

 

 

 

 

ベグル「別に変な事なんか言ってねえだろ」

 

 

 

 

バン「俺はいじめられたくねえ!」

 

 

 

 

ベグル「お前の意思なんか知るかよ。俺がしたいんだからするんだ」

 

 

 

 

バン「こいつ.....」

 

 

 

 

ダバン「はは、ベグルは変わらねえな。じゃ、俺だな。スゥ........俺はバンみたいになれるかわからねえけど!ユグノアでは兵士達の中心になっていく!」

 

 

 

 

ロベルト「おお、兵士長って事か?」

 

 

 

 

ダバン「いや、そこまでじゃなくとも皆を引っ張っていきたいと思ってな」

 

 

 

 

バン「いいじゃん、ダバン!絶対出来るって!」

 

 

 

 

ガザル「バンよりそういうの向いてんじゃね?」

 

 

 

 

バン「そんな事ないだろ!俺が一番!」

 

 

 

 

ギバ「はいはい、次は俺な。俺は!あの日の夢を追い続けるぞー!」

 

 

 

 

ガザル「あの日の夢?」

 

 

 

 

バン「あ!もしかしてそれって!」

 

 

 

 

ギバ「バンだけしか知らねえよな。その夢だぜ、お前のおかげだからな。これからも大事にしていくぜ」

 

 

 

 

バン「へへ、いいじゃん!カッコイイぞ、ギバ!」

 

 

 

 

ロベルト「な、なんなのかはわからなかったが次は俺だな。といっても、ずっと悩んでて今決めたんだけどな。俺はダバンを継いでいこうと思う!」

 

 

 

 

ダバン「俺を継ぐ?」

 

 

 

 

ロベルト「ああ。ダバンは戦闘の時、バンやギバなんかの近くで攻撃を得意の盾で代わりに防いだりしていただろ。あの役割、非常に重要だと思っているんだ。俺もダバンほどではないが盾は使える。もっと磨いていって、ダバンの役割を担おうかと思ってな」

 

 

 

 

ベグル「なるほど。確かにダバンとロベルトは得意武器とかも似てるからな。出来なくはないって感じか」

 

 

 

 

ギバ「ダバンの誘導とか助かってたんだよなー。動きやすくなってよ」

 

 

 

 

ロベルト「俺だとあそこまでうまくはいかないと思うけどな」

 

 

 

 

ダバン「そうか、ロベルトありがとう。ただ、こいつらは本当動き回るから大変だぞ?無理しなくてもロベルトの強みを活かしてもらっていいんだからな」

 

 

 

 

ロベルト「無理はしてないさ。大丈夫だ」

 

 

 

 

ガザル「ま、問題をあげるならダバンよりロベルトは脆いって点だよな」

 

 

 

 

ロベルト「うるさい。そういうのは言わなくていいんだ、ガザル」

 

 

 

 

マーズ「ま、まあ次は俺だな。ふむ.............よし。俺は今より強くなるぞ!ギバよりも、ダバンよりも、ベグルよりも、そしていつかバンも超えてやろうか!」

 

 

 

 

全員「え!?」

 

 

 

 

バン「お、大きく出たな、マーズ。なんか意外.....」

 

 

 

 

ギバ「確かに。それにもっと具体的にくるかと思ってた」

 

 

 

 

ベグル「へっ、悪くねえな、その意気込みは。ま、精々頑張れよな」

 

 

 

 

ダバン「マーズが強さを求めてるとはあまり想像してなかったな。何があったんだか」

 

 

 

 

ガザル「最後は俺か。俺はだな...........。よし、やっぱりこれだな。女がほしい!!」

 

 

 

 

ギバ「あ、それなら俺もー!」

 

 

 

 

バン「待て待て!ガザル、今は真面目にやれよ!」

 

 

 

 

ロベルト「お前、この空気でそれをやるのは流石だな」

 

 

 

 

ダバン「気持ちはわかるが変えておけ」

 

 

 

 

ガザル「チッ、やっぱダメか。じゃあ.......目標に近づくようになる!」

 

 

 

 

バン「目標?どんなのなんだ?」

 

 

 

 

ガザル「え......。言わねえよ!」

 

 

 

 

バン「え〜、気になるだろ〜」

 

 

 

 

ベグル「ま、言いたくねえなら別に無理して言わなくていいだろ。さて、これで全員だな」

 

 

 

 

ギバ「なんか昔を思い出して若くなった気がするな」

 

 

 

 

ロベルト「ま、この年でこんなのをやるんだ。ちょっと若返った気分だな」

 

 

 

 

マーズ「はは、よかったと思うぞ。これで俺達も新しい約束を交わしたメンバーだな」

 

 

 

 

バン「そうだぞ!ロベルトもマーズもガザルもこれからも一緒だからな!よろしくな!」

 

 

 

 

ダバン「.........じゃ、俺はそろそろ行くよ」

 

 

 

 

ベグル「悪かったな、長々付き合わせて」

 

 

 

 

ダバン「いや、むしろありがとな。身が引き締まった」

 

 

 

 

バン「?今のだけで痩せたのか?変わってねえけど」

 

 

 

 

ガザル「はいはい、馬鹿は黙ってなさい」

 

 

 

 

バン「な、なんだよ!俺、そんな変な事」

 

 

 

 

ダバン「バン」

 

 

 

 

バン「!なんだ?」

 

 

 

 

 

ダバン「ありがとな、俺をもう一度仲間にしてくれて」

 

 

 

 

 

バン「当然だろ!ダバンは俺の大事な仲間だ!ユグノアに行ってもな!」

 

 

 

 

ダバン「手紙に進展を書いて送る。よかったら読んでくれよ」

 

 

 

 

バン「読む読む!絶対読む!」

 

 

 

 

ベグル「難しい字を使うなよ?馬鹿が読めねえから。全部簡単な言葉にしろ」

 

 

 

 

バン「ハア!?馬鹿にすんな、ベグル!俺だって文章くらい読めるわ!」

 

 

 

 

ダバン「はは、そうだな。簡単に書いておく」

 

 

 

 

バン「そんな事しなくていいからな、ダバン!」

 

 

 

 

ダバン「........じゃあ....な。行ってくる!」

 

 

 

ダバンはバン達に背中を向けた

 

 

 

全員「行ってこい!」

 

 

 

ダバンはキメラの翼で向かっていった

 

 

 

バン「ダバン.......」

 

 

 

 

ベグル「あいつ......結局最後に堪えきれなくなりやがって」

 

 

 

 

ギバ「だな。ほら、キラキラしてるぞ。これ、ダバンの涙だろうな」

 

 

 

ダバンが飛び立った方向に向かって、キラキラと僅かな雫が一筋の線となって太陽に反射して光っていた

 

 

 

ロベルト「さ、早く城に戻ろうぜ。ラース将軍達が探してるだろうからな」

 

 

 

 

マーズ「確かに。心配かけさせるわけにはいかねえや」

 

 

 

 

ガザル「ほら、ギバ、ベグル、バン。戻るぞー」

 

 

 

 

ギバ「おう!」

 

 

 

 

ベグル「ああ、今行く。.........バン?」

 

 

 

 

バン「............」

 

 

 

バンはまだ真っ直ぐにダバンが飛び立った方向を見ていた

 

 

 

ベグル「もう何も見えねえぞ」

 

 

 

 

バン「......ベグル」

 

 

 

 

ベグル「あん?」

 

 

 

 

バン「俺、今日のこの景色絶対忘れねえ。俺の大事な仲間が、旅立った日。もう思い出さなくてもいいくらいに、脳に焼き付ける」

 

 

 

 

ベグル「...........そうだな。俺も忘れねえよ」

 

 

 

 

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