その後、デルカダール城門
マルス達はひとしきり遊び終わると、そろそろ夕方になろうとしていた
女の子A「あ!私、そろそろお母さんと買い物に行くの。帰らなきゃ」
男の子A「俺も早く帰らないと父ちゃんに怒鳴られる」
二人はマルス達に手を振って城下町に帰っていった
マルス「じゃあ僕達も帰ろっか。楽しかったね、チャムちゃん」
チャム「うん!また今度遊ぼうね、マルス君!」
二人も城下町に戻ろうとすると
男性「待ちな、そこのガキ二人」
二人「!?」
城門の陰から怪しげな男性が現れた
チャム「......だ、だれ」
マルス「な、なあに?おじさん」
マルスは怯えているチャムを静かに背中に隠し、守るようにして男性に話しかけた
男性「そこの女のガキ」
チャム「ヒッ.....」
マルス「この子に何の用事。おじさん、誰なの。すっごく怪しいよ」
男性「男は黙ってろ。おい、さっきの金色のスライムってのはどこにいるんだ?」
チャム「......え?な、なんのこと?」
男性「とぼけんじゃねえ!広場でそこのガキに金色のスライムの話をしてただろうが!」
マルス「だから!それはこの子の嘘で、今日はエイプリルフールだから」
男性「ああ!?嘘なわけねえだろうが!金色のスライムっていったらゴールデンスライム以外いねえだろ!!どこにいやがった!言え!!」
チャム「ご、ごーるでんすらいむ?私、そんなの知らない」
男性「俺を騙しやがったのか、このガキ!!」
男性は怒りを露わにして、マルス達に持っていた短剣で襲いかかってきた
マルス「くっ!チャムちゃん、逃げて!!」
マルスは護身用の模造された片手剣を構えた
チャム「で、でも、マルス君」
マルス「僕は少しでも戦えるから!早く!」
チャム「ごめん!!」
チャムはマルスから離れていく
男性「どきやがれ、ガキ!」
男性がマルス目掛けて短剣を振り下ろす。その刃が夕日に照らされ眩しく光っており、本物の刃である事をマルスに嫌でも認識させる
マルス「(怖い、怖い怖い怖い。でも、父さん達みたいに頑張らないと!)や、やああ!」
カン!
マルスは怯えながらもしっかりと短剣に合わせて剣で防ぐ
マルス「かえん」
マルスが剣に力を込めようとすると
男性「オラァ!」
バキィッ!
マルスの顔に男性の蹴りが直撃した
マルス「が......」
ドサァ!ゴロゴロゴロ
マルスは勢いよく横に飛ばされ、地面を転がっていく
マルス「い......たい......よう」
男性「あの女のガキは!」
男性は動けなくなったマルスなど気にも止めずにチャムが走っていった方向へと向かっていった
デルカダール地方
チャム「ハァ.......ハァ......」
チャムは大きな川が流れている場所へ来ていた
チャム「ど、どうしよう、マルス君大丈夫かな。やっぱり戻った方が......。ダメだよね.......お兄ちゃん」
チャムは一人取り残された事に強い不安を覚え始めていた
チャム「ここから先......道わかんないよ。どうしたらいいの」
チャムは途方に暮れながらトボトボと先を進んでいく
しばらく歩くと二つの分かれ道に到着した
チャム「どっちに行けばいいかな.....。えっと、看板にはデルカコスタ地方とイシの村?あ!デルカコスタ地方なら、前にお塩取りに行った場所だ」
その時
男性「あのガキ、どこに行きやがったー」
少し後ろの方から男性の声が聞こえてきた
チャム「!?嘘.....マルス君は!?に、逃げないと!!」
その頃、デルカダール城下町 教会
マルス「あ、あれ......ここは」
マルスが目を覚ますと綺麗なステンドグラスがある屋根が見えた。マルスの顔や腕には包帯や絆創膏がついている
神父「起きましたか、マルス君。酷い擦り傷が顔や腕にあって倒れていたからね。急いで私がここまで運んで治療したんだ」
マルス「あ、神父さん。ありがとう!」
神父「元気そうでよかったですよ。先程シスターをお城に向かわせて、マルティナ様達に迎えをお願いしました。何があったのか教えてもらえますか?」
マルス「あ、そうだ!チャムちゃんが危ないんだよ!」
その頃、デルカダール地方
男性「見ーつけた」
チャム「キャアアアッ!やめて!離して!」
チャムは先程の怪しい男性に捕まってしまっていた
男性「なあ、もう一度聞くぜ?本当に金色のスライムはいねえのか?」
チャム「.............うう、ヒック」
男性「さっさと答えろ!!ガキ!!」
男性はチャムに見せつけるように短剣を出した
チャム「いる。本当にいるよ、金色のスライム」
チャムは泣きながら答えた
男性「そうか、そうか。そうだよなぁ」
男性はその答えに満足したように短剣をしまった
男性「じゃあお兄さんをその見たって場所まで案内してもらおうかな」
ルナ「わかった........」
チャムは適当に道を進むと、デルカコスタ地方に行くための駐屯所が見えてきた
男性「チッ!おい、ガキ。ここは兵士がいて厄介なんだ。まさかデルカコスタ地方なのか?」
チャム「(そうだ、兵士さんがここにいるんだ。じゃあ兵士さんに助けを求めれば)うん、そうだよ!私はこの先で見たの!」
男性「くそ、なら仕方ねえ。おいガキ、俺は親戚の人って事にしておけ。いいな?」
チャム「う、うん.....(あ、この人もついてくるなら駄目だ)」
駐屯所
マーズ「ん?あれ?チャムちゃん?」
チャム「あ......えっと、確か......マーズさん?」
マーズ「ああ、そうだ。どうしたんだ?こんな所に一人で」
チャム「えっとね」
男性「いやー、すみません。俺、この子の親戚なんですけど久しぶりに海をこの子と見たくなっちゃいまして。通していただけませんか?」
マーズ「え?あ、ああ、そうなのか........。兄ちゃんはどうしたんだ?」
チャム「お兄ちゃんはエド君と遊んでる」
マーズ「そっか。それじゃあ通っていいぞ」
男性「ありがとうございます」
チャム「マーズさん!」
マーズ「ん?」
チャム「私、今から本当の事言うよ!これから海に行くし、この人の事知ってるおじさんだし、私の事守ってくれてるんだよ!全部本当だよ!だって今日はエイプリルフールだから!」
マーズ「え?チャムちゃん、何を言って」
男性「こーら、兵士さんのお仕事の邪魔しないの。すみません」
チャム「行こ!」
チャム達は走っていった
マーズ「な、何だったんだ?エイプリルフールだからってどういう事だ?うーん...........」