ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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エイプリルフール3

その頃、デルカダール城

 

 

 

大広間

 

 

 

マルス「チャムちゃん、大丈夫かな。僕が......すぐにやられちゃったから」

 

 

 

 

マルティナ「大丈夫なはずよ。さっきラースが兵士達に伝えに言ったんだし、きっと保護されて帰ってくるわ」

 

 

 

 

マルス「.........」

 

 

 

マルスは俯いたまま動かない

 

 

 

マルティナ「......マルス、よく頑張ったわね。本物の刃物を持った大の大人に一人で立ち向かって。怖かったでしょう?怪我までして。さ、お部屋に戻りましょう」

 

 

 

デルカダール城下町

 

 

 

城門の近くでラースが多くの兵士達を連れて指示を出していた

 

 

 

ラース「今からチャムちゃんの捜索と怪しい男の確保に移るぞ」

 

 

 

 

バン達「は!」

 

 

 

 

ラース「それと男は短剣も装備しているらしいから気を抜くんじゃないぞ。チャムちゃんは見つけ次第、保護するんだ」

 

 

 

その頃、デルカコスタ地方

 

 

 

男性「さっきの演技は中々よかったぞ、ガキ」

 

 

 

 

チャム「そ、そう?」

 

 

 

 

男性「で?どこまで連れて行く気なんだ?」

 

 

 

 

チャム「..........こ、ここら辺だったよ」

 

 

 

チャム達は神殿前の草原で止まった

 

 

 

男性「ほー、くまなく探してみるとするか」

 

 

 

男性はキョロキョロと見渡しながら周りを歩き始めた

 

 

 

チャム「......お、おじさんは.....なんでそのスライムを探してるの?」

 

 

 

 

男性「ああ?まあガキは知らねえか。ゴールデンスライムってのは体が全部金で出来てんだよ。だからそいつの体を剥ぎ取れば金がガッポリ手に入るのさ」

 

 

 

 

チャム「ど、どうしてお金がいるの?」

 

 

 

 

男性「んなもんに理由なんてねえよ。欲しいからだ」

 

 

 

 

チャム「働けばいいじゃん」

 

 

 

 

男性「ガキが何を知ったかのように」

 

 

 

 

チャム「だって....私だって働いてるのに」

 

 

 

 

男性「チッ!うるせえガキだなあ!黙ってろ!!」

 

 

 

男性はチャムに短剣を向けた

 

 

 

チャム「ヒッ、ご、ごめんなさい....」

 

 

 

 

男性「それにしてもよ、全然見当たらねえじゃねえか。おい、ガキ!本当にここで見たのか!?」

 

 

 

 

チャム「だ、だからそれはエイプリルフールの嘘で、本当はそんなの私知らないんだってば!」

 

 

 

 

男性「エイプリルフール.....だと。このガキ!!!騙しやがったな!!」

 

 

 

 

チャム「ヒッ!!も、もうやだー!!助けてよー!!お兄ちゃーん!!」

 

 

 

チャムは大声で泣き始めた

 

 

 

男性「このクソガキめ!!」

 

 

 

男性が泣き叫ぶチャムに向かって走っていき、持っている短剣を刺そうとする

 

 

 

チャム「キャアアアッ!!」

 

 

 

チャムが咄嗟に腕で顔を覆うと

 

 

 

ガキィン!

 

 

 

男性「な!?」

 

 

 

 

チャム「あ......」

 

 

 

 

マーズ「間一髪か!間に合ってよかった!!」

 

 

 

マーズがチャムの前に立ちはだかり、盾で短剣を防いでいた

 

 

 

男性「さっきの兵士!?」

 

 

 

 

マーズ「チャムちゃん、ナイスヒントだったよ。まさかSOSに嘘を使うなんて思わなかった。エイプリルフールならでは、だな」

 

 

 

 

男性「SOSだと!?このガキがいつの間に!」

 

 

 

 

チャム「よかった......。気付いてくれた」

 

 

 

チャムは安心したように座りこんだ

 

 

 

マーズ「こんな幼い少女を脅して誘拐しようとするとはなんて奴だ」

 

 

 

 

男性「ク、クソォー!!」

 

 

 

男性はもうヤケクソに短剣をマーズに振りかぶる

 

 

 

マーズ「ばくれつきゃく!」

 

 

 

マーズは素早く短剣を見切ると、横に僅かに避けすぐさま足を男性の体に連続で叩き込んでいく

 

 

 

男性「ガハァッ!!」

 

 

 

 

マーズ「よし、確保!!」

 

 

 

マーズは男性の手に手錠をかけた

 

 

 

その後、グラジー

 

 

 

チャム「お兄ちゃん!!」

 

 

 

チャムはお店で待っていたテルマに急いで飛びついた

 

 

 

テルマ「チャム!よかった!!ラース将軍から襲われているって聞いて凄く心配したんだぞ!」

 

 

 

テルマも安心そうにチャムを抱きとめた

 

 

 

ラース「マーズが男性に襲われそうになっているチャムちゃんを捕まえてくれたんだ。マーズはまだその知らせを受けていなかったのによくわかったな」

 

 

 

 

マーズ「チャムちゃんが機転をきかせてくれたおかげなんです。エイプリルフールにちなんで、嘘のSOSを言ってくれたんです」

 

 

 

 

全員「嘘のSOS?」

 

 

 

 

チャム「あのね、全部本当の事を反対にして言ったの。知らないおじさんの事を知ってるおじさんって言ったし、襲われそうになってる事も守ってくれてるって言ったの」

 

 

 

 

マーズ「その最後にエイプリルフールだからと言ってくれて、最初はよくわからなかったんですけど、エイプリルフールは嘘をついてもいい日。つまり、チャムちゃんはエイプリルフールだから嘘を言った。だから今のは全部嘘の事なんだなと気づいたんです」

 

 

 

 

テルマ「す、凄いじゃないか、チャム!そんな危ない状況の中、よくそんな事を考えたな!」

 

 

 

 

ラース「テルマの言う通りだ。チャムちゃん、素晴らしい動きだ。まあ、今日の見張り役がマーズだったのも幸運だな。これがバンだったらこうはならないからな」

 

 

 

 

マーズ「ははは....確かに。とりあえず無事でよかった」

 

 

 

 

チャム「ありがとう、マーズさん!ラースさん!あ、あとマルス君にもお礼言わないと!初めに私を守ってくれたの、マルス君だから」

 

 

 

 

テルマ「本当にありがとうございました。マーズさんがいなかったらチャムはどうなっていたか....。本当にありがとうございました!」

 

 

 

 

ラース「そうだったな。マルスも少し怪我していたみたいだが無事だ。酷く心配していたからマルスにも伝えておくさ」

 

 

 

その後、デルカダール城

 

 

 

マルスとルナの部屋

 

 

 

ラースはマルスにチャムが無事である事を報告した

 

 

 

マルス「そっか〜、よかった〜」

 

 

 

 

ルナ「マルスがずっとそわそわしてたけどそういう事だったんだ」

 

 

 

 

ラース「マルスもチャムちゃんが逃げるための時間稼ぎ、助かったぞ。そこで二人して捕まっていたらきっと大変な事になっていただろうからな」

 

 

 

ラースはマルスの頭を優しく撫でた

 

 

 

マルス「う、うん.....」

 

 

 

マルスも少し照れ臭そうにしている

 

 

 

ラース「もっと強くなれるさ、マルスなら。怖かっただろ?よく頑張ったな」

 

 

 

 

マルス「........うん、怖かった。でも、チャムちゃんを守らないとって思ったから」

 

 

 

 

ラース「そうだな。偉いぞ、流石俺達の子だな」

 

 

 

 

マルス「えへへ、うん!」

 

 

 

 

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