それから二週間後、デルカダール城
玉座の間
ラース達とデルカダール王、兵士長であるバンと副長のベグルなど役職の人全員が集まって会議をしていた。
その内容は月に一度、国民達からの意見箱の内容を審議するという物であり既に恒例となっていた
ラース「それじゃあ補修と改善はすぐに準備して、必要であれば順次対応していくって事で」
デルカダール王「うむ、それで大丈夫であろう。さて、次はなんじゃ?」
ラース「えっとですね........。ん?なんだ、これ?」
ラースは紙を見ると少し首をかしげた
マルティナ「どうしたの?もしかしていたずら?」
グレイグ「そういうのは無視してもらって構わないぞ」
ラース「いや、そうじゃないんだ。ただ、俺は知らない単語があってな」
バン「師匠が知らない単語?そんな難しい物が使われてるんですか?それって本当に文字ですか?」
ベグル「ま、少なくともお前は知らない事が確定したな」
バン「うるさい!ベグル!」
ラース「落ち着けよ。いーすたーって書いてあるんだ。知ってるか?」
デルカダール王「なんだ、イースター祭の事であったか。確かに外の者にあまり認知はされておらんからな。わし達はもちろん知っておるぞ。そうか、そろそろ暖かくなってきたからのう。その時期であったか」
ラース「イースター祭?お祭りなんですね」
マルティナ「ラースは知らないのね、少し意外だわ」
グレイグ「国として大きくやる事はありませんでしたからね」
バン「師匠!俺だって知ってますよ、イースター!」
バンはラースに誇らしげに言っている
ラース「む....。じゃあどういうお祭りなんだよ。由来は?」
バン「へ........ゆ、由来ですか?確か............暖かくなって、やっほーいって感じ......です!」
ベグル「物凄く簡単に言うとバンの言う通りです。冬などで耐え忍んできた生活を春の訪れで楽しく、そして作物が取れるようになった喜びを祝うお祭りなんです」
ラース「へ〜、なるほど。どんな事してたんだ?」
デルカダール王「わし達はやってはおらんかったが、民達の間ではやっておる事も多くてのう。命の誕生や生命などを象徴とする卵やいっかくうさぎをモチーフとしたグッズなどが多く見受けられたはずじゃ。
他にも明るい音楽や色彩豊かな花々、綺麗な旗や紙吹雪で楽しませてくれるようにもしておったのう」
バン「そうですね!あと、ハッピーイースターって言ってお祝いの言葉を言うんですよ!」
マルティナ「ふふ、バンはそういうの好きそうだもんね。それで?そのイースターがどうかしたの?」
ラース「ああ、そうだった。それを国の主催でやってみてほしいとの事だ。話に聞く限りだと楽しそうなお祭りなんだしやってもよさそうだが、なんで今まではやってなかったんだ?」
グレイグ「特段大きな理由はないのだ。元は民達の間だけで行われていた小さなお祝い事程度でな。なので自由にさせていたのだが、こうして王国が大きく有名になるにつれてイースターもどんどん大きくなっていってな。今ではデルカダール王国に昔から住んでいる人の中では知らない人の方が少ないくらいだ」
マルティナ「そうね、私が子どもの頃は商店街で僅かに卵や小さないっかくうさぎが飾られている程度だった記憶があるわ。いつの間にこんなに大きくなったのかしら」
ラース「へ〜、元は民達のお祭りだったんだな。でも楽しそうだし、大きくなって知名度も出てきたんなら俺達が主催にしてもよさそうだな。たしかまだ予算はあったよな。今月の出費は少ないからよ」
グレイグ「ああ、そうだな。近々使う予定もないのだ、少し大きく祭りをしても問題はなさそうだ」
デルカダール王「わしも賛成じゃ。民達の要望というのもあるが、わし達がサポートする事でより祭りを大きく賑やかにする事も出来よう。そこに旅人や商人が訪れれば更にお祭りの知名度が上がるだけでなく、商売も繁盛するだろうな」
ラース「そうですね。よし、これは俺達が主催するという事で。いつ頃が開催の目安なんだ?このイースター祭は」
マルティナ「春が訪れてきたらって感じだからもう開催しても問題ないはずよ」
ベグル「そうですね。城下町でも今年のイースターはどうなるのかって話を聞いていますから」
バン「もう勝手に始めそうな人もいましたので、やるのならば早く決定をした方がいいと思います」
ラース「そうなのか。なら、少し早急に決めようか。幸い、意見箱はこれで最後なんだ。このまま引き続きイースター祭の件について話し合って大丈夫か?」
全員「ああ/ええ/はい!」
ラース「んじゃ、まずは内容と予算の決定、装飾などの場所からだな」
それから三日後
デルカダール城下町
ガヤガヤガヤ
広場や商店街では大勢の人達が集まって装飾の準備をしていた。明日はついにイースター祭が開催される。そのための装飾として、たくさんの色が連なった旗やくす玉、触るとパカッと割れて紙吹雪が降りてくる大きな卵などが至る所に飾られていく
ラースや兵士達が中心となり、それを国民達全員が楽しく作業に取り掛かっていた
男性A「ラース将軍!こちらのいっかくうさぎの銅像、この広場に飾ってもよろしいですか?」
ラース「おお、そんな物があるのか。これは凄いな、ぜひ飾って盛り上げてくれ」
男性A「ありがとうございます。これ、俺の手作りなんですよ」
ギバ「手作り!?凄えな、目とか角の輪郭とか本物そっくりだ。凝ってるな〜」
男性A「へへ、ありがとうございます。あ、運ぶの手伝っていただいてもいいですか?」
ギバ「もちろんだぜ!というか、俺一人で持てそうだぞ。よっ......と!」
男性A「おー!流石兵士さん!力持ちだー、大丈夫ですか?」
ギバ「想像より少し重たかったけど大丈夫だぜ。えっと、この辺か?」
ラース「ああ、そこら辺で大丈夫だ」
ギバ「よっと!」
女性B「あ、ラース将軍!あの、こちら風船なんですけどどこか飾れませんかね?」
女性が様々な色がある風船を持ってきた
ラース「お、それもいいねえ。んーと......よし、商店街の右側に小さな広場があるだろ?そこに飾ってくれ」
女性B「あ、ベンチと街灯がいくつかある場所ですよね。わかりました」
ロベルト「あ、ラース将軍!少しご相談したい事が」
ラース「どうした?」
その頃、デルカダール城
デルカダール王「うむ、中々よいではないか」
マルス「頑張ったおかげだね!」
ルナ「目立つねー!」
デルカダール城のバルコニー部分に大きな旗が飾られ、そこには黄色と赤と水色と緑でハッピーイースター!と書いてある。その縁には鮮やかなボンボンがたくさんついており、とても華やかな印象となっている
マーズ「それではいきますよー。よっ!」
マーズがバルコニーから更に様々な色の垂れ幕を下ろした。そこにも大きく文字が書かれており、それぞれ春の生誕祭、春和景明などと書いてある
ルナ「華やかになったね!お祭りって感じがする」
デルカダール王「そうじゃな。これを見れば少しは旅人達もこれがどのようなお祭りなのかわかるじゃろう」
その頃、デルカダール城下町 商店街
ラース「へ〜、イースターエッグか。面白いな、これは。可愛らしいし、いいじゃないか」
女性A「ありがとうございます!」
ロベルト「それでは商品もこれでいいという事で大丈夫ですか?」
ラース「ああ、大丈夫だ。なんなら、俺も協力しようか。子ども向けになるかはわからないが、多少の図鑑なんかは持っているからそれを提供しよう」
女性A「いいんですか!?」
ラース「問題ないさ。子どもからしたら宝探しみたいで楽しそうじゃないか。きっと皆、喜ぶだろうぜ」
女性A「はい!」
イースターも書いたのに遅刻......(泣)
それはともかくとして、イースターは皆さんご存知ですか?イエス・キリストが復活した日だと言われており、日本語では復活祭というそうです。それを少し変えて、このドラクエの世界では春の訪れを祝うお祭りとして登場させてみました