ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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イースター3

デルカダール地方

 

 

 

テルマ「イースターエッグ?が盗まれるなんてな。しかも魔物に。それを取り返せって言われてもどうやればいいんだよ」

 

 

 

 

マルス「いっかくうさぎって縄張りがあるんだよね?前に父さんが言ってた」

 

 

 

 

女の子A「そうなんだ。じゃあその場所に行けばいるかな?いっかくうさぎ」

 

 

 

 

ルナ「でも、返してくれるかな」

 

 

 

 

男の子A「確かに。そもそも話が通用するかもわかんないのに」

 

 

 

 

男の子B「魔物が話せるなんてブレイブ君とコロだけだよ。僕達には言葉通じないもん」

 

 

 

 

四人「あ」

 

 

 

男の子の発言にテルマとマルスとルナとチャムが一人を見た

 

 

 

エド「ん?なんだよ」

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

テルマはエドの肩を掴んだ

 

 

 

エド「な、なんだよ!」

 

 

 

 

テルマ「エド!お前の力が必要だ!」

 

 

 

 

エド「へ....?よ、よくわかんねえけど、任せろ!」

 

 

 

 

女の子B「どういう事?この兵士さん何か出来るの?」

 

 

 

 

チャム「エド君はね、魔物とお話し出来るんだよ!」

 

 

 

 

男の子A「本当!?凄い!」

 

 

 

 

女の子A「いいなー!じゃあブレイブ君達とも話せるの?」

 

 

 

エドの周りに数人の子ども達が集まってきた

 

 

 

エド「おう、そうだぞ!魔物で困った事があったら頼れよな!」

 

 

 

 

テルマ「エド、いっかくうさぎを探してるんだ。いつもなら木や草むらにいるけど........」

 

 

 

テルマは周りを見渡すが、いっかくうさぎの姿だけが見当たらない

 

 

 

テルマ「なぜかいないんだよな。ちょっと周りの魔物に聞いてみてくれないか?」

 

 

 

 

エド「わかった!じゃあ早速、おーい!そこのおおきづち!聞きたい事があるんだ!」

 

 

 

 

おおきづち「ギ......」

 

 

 

おおきづちは近づいてくるエドに警戒しているのか、持っている大槌を構えている

 

 

 

エド「あ、俺、エド!危ない事しようとしてるんじゃねえんだぞ。ほら!安心してくれ!な?」

 

 

 

エドは腕や足を広げておおきづちに何もしないとアピールしている

 

 

 

おおきづち「ギ、ギィ......」

 

 

 

おおきづちも渋々といった感じで大槌の構えを解いた

 

 

 

エド「サンキュー。あのな、俺達いっかくうさぎ探してんだ。どこにいるか知ってるか?」

 

 

 

 

おおきづち「ギィ....ギィ〜」

 

 

 

 

エド「そっか、それならいいんだ。じゃあなー」

 

 

 

おおきづちは戻っていった

 

 

 

テルマ「どうだった?」

 

 

 

 

エド「見てねえってさ。いつもいる場所にもいないから、あっちも少し疑問に思ってるみたいだ」

 

 

 

 

テルマ「そうか。どこかに隠れてんのかな」

 

 

 

 

男の子B「凄いよ、エド君!なんでわかったの?さっきのおおきづちの話してる事」

 

 

 

 

エド「俺は魔物と暮らし.......友達だからな!友達は言葉で話さないとだろ?」

 

 

 

 

男の子B「僕もブレイブ君やコロと友達だよ。なんでエド君みたいにわかんないんだろう」

 

 

 

 

テルマ「もう少し大きくなるとわかるかもしれないよ」

 

 

 

 

エド「そうそう!勉強してみるとわかると思うぜ」

 

 

 

 

男の子B「わかった!」

 

 

 

 

ルナ「あ!エド君、あそこにマンドラがいるわ。何か知ってないかな」

 

 

 

 

エド「お、本当だ。おーい!」

 

 

 

その後、何匹か聞いて回ったが誰もいっかくうさぎを見たという魔物はいなかった

 

 

 

マルス「全然いないねー。なんでこんなにいないんだろう」

 

 

 

 

男の子A「もしかしてさ、卵を盗んだのは夜中なんだよね。だから卵を持ってて動けないんじゃないかな」

 

 

 

 

女の子A「動けない?でも、どこで?」

 

 

 

 

男の子A「どうして盗んだのかはわからないけど、欲しかったから盗んだんだと思うんだ。欲しい物って、僕は部屋にしまうんだよ。それと同じでいっかくうさぎも家に持って帰ってそこで卵と一緒にいるんじゃない?」

 

 

 

 

チャム「そっか!お家の中にいるから皆もいっかくうさぎを見てないんだ!」

 

 

 

 

ルナ「じゃあいっかくうさぎのお家探しだね」

 

 

 

 

テルマ「エド、いっかくうさぎはどんな場所に巣を作るんだ?」

 

 

 

 

エド「ええ!?そんなの俺も知らねえよ。あー........でも......あいつらは小さいし、高い場所にはそこまで登れない。長いツノと脚で地面を掘るのが得意なはずだから、どこかに穴が空いてるんじゃないか?」

 

 

 

 

男の子A「手分けしよっか。僕達はあっちに行こうよ、マルス君!」

 

 

 

 

テルマ「じゃあ俺達はこっちに行くか。チャム、おいで。マルス君達も見つけたら何もしないで俺達と合流してからにしてくれよ」

 

 

 

 

ルナ「はーい!」

 

 

 

その頃、デルカダール城下町

 

 

 

商店街

 

 

 

イースターエッグが置かれていた場所は綺麗に片付けられていた

 

 

 

女性A「ありがとうございました、マルティナ様。こんな事を手伝わせてしまってすみません」

 

 

 

 

マルティナ「いいのよ、気にしないで。折角のゲームの企画残念だったわね。そういえば、私はここで何のゲームをするのか知らないけど何をする予定だったの?」

 

 

 

 

女性A「あ、そうだったんですね。ラース様にはお話ししたのですが、エッグハントをやろうと思っていたんです」

 

 

 

 

マルティナ「エッグハント......。確かそれも昔話の中に出てきたわね」

 

 

 

 

女性A「あ、それですよ!いっかくうさぎ達が盗んだ卵を探した事をゲームにして、子ども達が街の中に隠された卵を見つけ出すって内容なんです。多く見つけた人にはご褒美も用意してあったんです」

 

 

 

 

マルティナ「なるほど。........あら?じゃあ、今マルス達に任せたものこそ本当にエッグハントになるわけね」

 

 

 

 

女性A「ハッ!た、確かに......」

 

 

 

 

ラース「そういう事。その意味でも、マルス達に行かせるのがいいかなと思ってたんだ」

 

 

 

話していた二人の後ろからラースがやってきた

 

 

 

二人「ラース/様!」

 

 

 

 

ラース「形は変わったが、これもエッグハントだろう。子ども達も楽しそうにしてたし、戻ってきたらご褒美を皆にあげようと思ってるんだ」

 

 

 

 

女性A「そうですね!頑張ってくれてるだろうし、ご褒美もこのままどうしようかと思ってたんでちょうどいいです」

 

 

 

 

マルティナ「なるほどね。マルス達、頑張ってるかしら」

 

 

 

 

 

 


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