三人「..........」
少し気まずくなった空気が漂っていた
ラース「....どうしてあんな事言ったんだ?今までブレイブに大事に育てられてきたじゃないか」
コロ「うん、わかってる。嫌いになったんじゃないよ。父ちゃんはずっと俺の自慢の父ちゃん。でもね........マルスやルナがラース様やマルティナ様から褒められてたり、ももんじゃ君もお母さんに優しく手を繋いでたりしてて、いいなーって。俺、父ちゃんと手を繋いだ事も.........褒められた事もない」
マルティナ「そう。.........ブレイブは確かに無愛想な所はあるわね。でも、彼には彼なりの優しさがあるのよ。わかりにくいと思うけどね」
コロ「........父ちゃんは優しくないよ。さっきだって俺を........殺そうとした」
ラース「あれはブレイブがやりすぎただけだ。コロは母ちゃんがいた事を知らなかったんだな」
コロ「うん」
ラース「ブレイブの奥さんかー。どんな人、いや、キラーパンサーだったんだろうな。さっきのブレイブの話だとやかましくて優しいって事しかわからなかったな。コロは自分の母ちゃんの事、もっと知りたいよな」
コロ「うん」
ラース「だよな。そんじゃ、聞きに行こうぜ。ブレイブによ」
コロ「え.......」
マルティナ「ちょっとラース。ブレイブだってきっとまだ怒ってるわよ。またコロが危なくなるかもしれないわ」
ラース「まあまあ。コロ、いい事を教えてやるよ」
その頃、バルコニー
エド「こうか!」
バン「そうそう。足の使い方はうまいな。エドは素早いから、そこを活かしていこう。そのまま横に素早く移動してみろ」
エド「横、ほっ!」
バン「それでもいいけど、距離が離れるから相手に近づきつつ」
ガチャ
ブレイブ「..........」
エド「お!ブレイブじゃん」
バン「よう、ブレイブ。.......どうした?」
ブレイブ「別になんでもない」
バン「お、また話せるようになってるんだな」
エド「?変わってなくね?」
バン「あー、エドからすると変わらねえよな」
ブレイブ「バン」
バン「ん?なんだ?」
ブレイブ「俺は優しくないよな」
バン「ブレイブが?まあどっちかといったら厳しいと思うけどよ、優しいとも思うぞ!」
エド「俺もそう思うぞ、ブレイブ。お前、前にテルマとの訓練の時も手を抜いて指導してくれてただろ?そんな事、優しくないやつはしないからな!」
ブレイブ「俺が優しい....?どこがだ。昔から俺は怖いだの、鬼だの言われてきた。さっきも自分の息子を殺そうとした。そんなやつが.....優しいなど」
バン「コ、コロを殺そうとしたのかよ!?それはちょっとやり過ぎじゃね?ブレイブらしくないぞ」
ブレイブ「まあ......やり過ぎたとは思っている。息子も相当怯えていた」
エド「でも、魔物からしたら普通じゃね?厳しい現実を見せてより強くしていくんだからよ」
バン「それはそうかもしれねえけど、ブレイブとコロはもう普通の魔物じゃねえんだからさ」
エド「まあ.....そっか」
バン「んで、それでもブレイブは優しいぞ。だってさ、前に俺を助けてくれただろ?無視する事だって出来たのに、ブレイブは助けてくれた。俺、すっげえ嬉しかったぞ!」
ブレイブ「変な受け取り方をするな。あれはラース様からのご指示でもあったし、バンにはユグノアでの借りもあった。それを返しただけだ」
バン「ブレイブがいてくれたから、俺はペンダントから出れたんだ。これは変わらないぜ。ありがとな!」
ブレイブ「ふん、相変わらず楽天的な考え方だな」
エド「なんでそんな事聞いたんだ?優しくなりたいのか?」
ブレイブ「.........昔の事だ。どうでもいい」
バン「教えてくれるのか?」
ブレイブ「なぜそうなる」
バン「どうでもいい事なんだろ?じゃあ言っても平気じゃねえか」
ブレイブ「.......チッ!俺の話など面白くもないぞ」
バン「それは俺達が決める事だな。さあさあ!」
ブレイブ「ふん。俺がまだここに来る前。まだ息子も産まれておらず、群れにも属していなかった時の事だ。俺は周りより強いキラーパンサーとして昔から恐れられていた。そんな時、俺につきまとう変なキラーパンサーと出会ったんだ」
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ここからはブレイブ達の会話です
ナプガーナ密林近くの崖
ブレイブ「........」
ブレイブはそこで一人で日向ぼっこをしていた
ブレイブ「........誰だ」
女キラーパンサー「あら、ごめんなさい。先約がいたのね」
ブレイブ「こんな所にくる者が他にいたとはな」
女キラーパンサー「同じ意見ね。あら?あなた......最近噂のキラーパンサー君?」
ブレイブ「だったらどうした」
女キラーパンサー「ふぅ〜ん、確かに怖いわね。表情死んでるんじゃない?」
ブレイブ「噛みちぎるぞ、貴様」
女キラーパンサー「あら、怒る時は顔が動くのね。それならもっと笑った方が素敵よ」
ブレイブ「本当に死にたいようだな」
ブレイブは牙を剥き出しにした
女キラーパンサー「やだ、怖い。それじゃあね〜」
ブレイブ「チッ!なんなんだ、あいつは」
数日後
女キラーパンサー「やっほー、また来たわよ」
ブレイブ「貴様.......目障りだ。なぜいちいち俺の前に現れる」
女キラーパンサー「そう怒んないでよ。私、あなたといると楽しいのよ」
ブレイブ「俺は不愉快極まりない。消えろ」
ブレイブはさっさと森に戻っていく
女キラーパンサー「やーよ、ついて行くから」
女のキラーパンサーもブレイブの後ろについてきた
ブレイブ「消えろと言った!」
ブレイブは俊敏な動きで振り返ると爪を伸ばして勢いよく振り下ろした
女キラーパンサー「やだ、怖い」
女のキラーパンサーは飄々とした様子で避けてみせた
ブレイブ「貴様!」
ブレイブはその動きに腹をたてたようで連続で攻撃を仕掛けていく
女キラーパンサー「ちょっと、そんな怒んないで。私はただ面白い子が見つかったと思っただけよ」
ブレイブ「俺が面白いだと!?」
女キラーパンサー「ねえねえ!どうせなら勝負しましょ!私が全部避けたら私の勝ち。あなたが私を倒したらあなたの勝ちよ」
ブレイブ「ふざけやがって!切り裂いてやる!」
数分後
ブレイブ「ハァ.......ハァ......」
周囲の木は深い傷や爪痕がたくさんつき、周りに生えていた草や花は全て見る影もないほどに切り裂かれていた
女キラーパンサー「ちょっと休みましょうよ。私、疲れちゃったわ。ほら、あなたも」
ブレイブ「クソ!なぜ攻撃が当たらない!」
女キラーパンサー「ふふ、女だからって舐めたかしら?私、結構強いのよ。それで、私の勝ちね」
ブレイブ「勝手にしろ!」
女キラーパンサー「じゃーあ、これからも私ずっと近くにいるわね!」
ブレイブ「なんだと!?」
女キラーパンサー「負けたんだから言う事聞きなさい」
ブレイブ「........」
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ブレイブ「そうして俺はあいつと.........一緒に行動を........」
バン「アハハハハハ!!!ヒィッ!腹痛えー!!」
バンはブレイブが負けた所から大笑いしていた
ブレイブ「貴様ーー!!俺の話を聞け!!」
バン「あのブレイブが.....ゴホッ!ゲホッ!負けて言いなりになってたとか!!アハハハハハ!!」
ガチャ
ラース「なんだ、騒がしいと思ったらここにいたのか、ブレイブ」
ブレイブ「ラース様......」
エド「よ!ラース!」
バン「師匠......ふふふ」
ラース「え、怖。なんでこいつ、こんなに笑ってんだよ」
ブレイブ「気にしないでください。後で引き裂いておきますので」
ラース「もう落ち着いたか?」
ブレイブ「..........息子は本来、私が育てるつもりはなかったのです」
ラース「そうなのか?となると、ブレイブの奥さんが?」
ブレイブ「はい。ご存知と思いますが、私は愛想など持ち合わせておりませんし、周りからも恐れられていました。そんな者が子育て?笑ってしまいますよね」
ラース「そんなの関係ないだろ。現に、ブレイブはこれまでしっかりとコロを育ててきたじゃないか」
ブレイブ「......そんな事ありません。息子があそこまで育ったのは群れの皆やラース様達のおかげです。私は今でも息子にどうしていいのかわかっておりません」
バン「今のままでいいんじゃね?」
エド「うんうん。コロはブレイブの事、自慢してるしな」
ラース「俺も同意見だ。今まで通りでいいんだよ。ブレイブなりの愛情表現で伝わっているんだから」
ブレイブ「愛情........。そんなもの、魔物の私は持っておりません」
ラース「そんな事ないさ。ブレイブが気付いてないだけ」
ブレイブ「そんなはずありません。現に息子には、あいつの方がいいと言われました」
ラース「コロは母ちゃんを知らなかったからな。興味本意な所もあるだろう。コロがブレイブを自慢にしてるのは知ってるだろ?それは父ちゃんが大好きだから自慢に出来るんだぞ」
ブレイブ「..........」