最後の砦入り口
出発の準備が終わり、村を出ようとしていたイレブンとグレイグに後ろから誰かが追いかけてきた
ペルラ「待っておくれ、イレブン!グレイグ様お願いです。少しだけ、少しだけ息子と話をさせて」
グレイグ「......手短にな」
イレブン「母さん......」
ペルラ「行くのね?」
イレブン「うん。僕とグレイグで皆を助けて、また朝を迎えられるようにするんだ。だから、行くよ」
イレブンは真っ直ぐにペルラへと伝えた
ペルラ「何があっても、へこたれるんじゃないよ。グレイグ様と助け合って、しっかりお役目を果たして来るんだよ。ふぅ.....母さんも年かねえ。辺りがこう暗いんじゃ、あんたの顔も見えやしない。
.....だからお願いだよ。今度は太陽の下で、あんたの顔をよく見せておくれ」
ペルラは涙ぐみながら、イレブンの手を優しく包みこんだ
イレブン「母さん......。うん、絶対に帰ってくるよ。約束する。だから母さんも皆も、どうか無事でいてね」
ペルラ「グレイグ様、どうか息子をお願いします」
グレイグ「うむ。リタリフォン、ご婦人を砦まで送ってやってくれ」
グレイグの愛馬はペルラへと向かっていった
イレブン「頑張ろう、グレイグ」
グレイグ「勿論だ。母上や砦の皆の事は心配するな。我が王が、約束を違える事は絶対に無い。命を賭して、砦を守ってくださるだろう。
我々の役目は、デルカダールの崖上にある地下水道から城に潜入し、魔物を打ち倒すこと。まずは導きの教会まで行こう。そこを拠点として、潜入していくぞ」
イレブン「わかった、行こう!」
導きの教会
森を抜けて、教会があった場所までやってきた。教会は大岩や焼けた木々などにより倒壊していた。
イレブン「崖がある場所は僕も知ってる。そこまでは早足で進もう」
グレイグ「ああ、だが周りに気を抜くなよ」
デルカダール地下水道 前
ギャアーギィィィ
城から大量の魔物達が飛んでいった
グレイグ「魔物達が砦の方角へ飛んでいく。我々にできるのは、信じることだけだな」
イレブン「地下水道も急いで抜けて、城まで行こう。そこまで行けたらすぐだね」
地下牢獄
魔物が大量に湧くようになった細い一本道を抜けていくと、見覚えのある牢屋に辿り着いた
イレブン「あ!ここは!」
グレイグ「ここは前にお前と盗賊を捕まえていた所だ。ここまで戻ってきたな、城はすぐそこだ」
デルカダール城内
城内は至る所がボロボロになっており、床が崩壊していたり、柱が倒れて通れなくなったりしていた
グレイグ「......酷いありさまだな。上に上がる階段まで壊されている。おそらく、この先の玉座の間に常闇を生み出す魔物が潜んでいるのだろう。
神聖なる玉座を穢すとは許せぬ。何とか上にあがる道を探すぞ」
中庭
そこにある木には大樹の根っこが巻きついていた
イレブン「これは、大樹の根っこ。グレイグ、少し過去を見てみよう」
イレブンが根っこに手をかざすと、二人の頭に映像が流れ込んできた
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子グレイグ「こいっ!ホメロス!」
子ホメロス「行くぞっ!やあっ!」
子グレイグ「ハアッ!」
グレイグとホメロスは木刀を交えるが、グレイグが力で押し勝ちホメロスはそのまま倒れ込んだ
子ホメロス「ちっ!相変わらずの馬鹿力だな、グレイグ」
グレイグが倒れたホメロスの手を掴んで立ち上がらせた
デルカダール王「ハハハハ、相変わらず元気がいいな。2人とも、挨拶がまだであっただろう。我が娘のマルティナだ」
その時、デルカダール王が赤ん坊のマルティナを抱きながらやってきた
赤ちゃんはデルカダール王の腕の中で安心しているように眠っている
デルカダール王「お前達2人がこの国の未来を守るのだ。頼んだぞ。グレイグ、ホメロス。お前達にこのペンダントをやろう。これからも励むんだぞ」
デルカダール王は金色のお揃いのペンダントを渡した
二人「はい!」
部屋内
子グレイグ「なあ、ホメロス。お前の知恵と俺の力。二つが合わされば、王国一の騎士になれるぞ。そして、姫様とこの国をお守りするんだ。おいっ!聞いているのか、ホメロス」
子ホメロス「この本を見ろ」
ホメロスは見ていた本をグレイグに見せつける
子グレイグ「なっ、なんだよ」
子ホメロス「王国最強の騎士に与えられるという盾が、王の私室にあるらしい。見てみたくはないか?いずれ、僕達が手にする盾なんだろ?」
ホメロスは最後の部分を少し恥ずかしそうに言った
子グレイグ「へへっ!いいな!」
グレイグは嬉しそうにホメロスの背中を叩いた
子ど グレイグ「しかし、どうやって見るんだ?王の私室なんて、魔法でも使わないと入れないぞ」
子グレイグ「誰にも言うなよ?俺はこの間、一人のつまみ食い犯を見つけた。誰だったと思う?」
子グレイグ「誰だ?」
子ホメロス「我が王だよ。食器棚の後ろから出てきて、ケーキをパクッとさ。あれは王の私室に繋がってるはずだ」
子グレイグ「ハハハハ!そういう事か。近頃、お腹がだらしないって王妃様に叱られてたもんな」
子ホメロス「今晩、台所裏に集合な」
子グレイグ「おうっ!」
グレイグとホメロスは手を合わせた
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映像はここで終わっている
グレイグ「......そうだ、長らく忘れていた。台所に王の私室へ続く隠し階段がある。しかし、この現象は一体」
イレブン「どうやら勇者の力は取られても過去は見れたみたいだ。これは僕の勇者の力の一つで大樹の根っこから、そこで起こった過去の出来事を見ることができるんだ」
グレイグ「.....時を超え世界の記憶を知る。そうか、それが大樹へと連なる勇者の力というものか。
台所は城の北側にある食堂の奥だ。そこの食器棚を調べよう。行くぞ、イレブン」
イレブン「(あ、今......僕の事をイレブンって......)」
食堂裏
イレブン「あ、この棚動くね。この事か」
イレブンは棚を横に押した
隠し階段があらわれた
グレイグ「あの時は俺が衛兵に見つかって、この階段を見つけることはできなかった。王に叱られて城中の鎧を磨かせられた。ホメロスは怒ってな。取っ組み合いの大げんかだ。
あの頃は悪さばかりして、王を困らせていたものだ。だが、楽しかった。2人でデルカダールの未来を担うのだと、心から信じていた。......イレブン、今までの非礼を詫びる。すまなかった」
グレイグはイレブンに頭を下げた
イレブン「......そんな事ない。確かにグレイグは怖かったけど、あれは仕方ない事だよ。グレイグの良心につけ込んだウルノーガが悪いんだ。グレイグは何も悪くない。迷う必要もないんだよ」
グレイグ「ありがとう、イレブン。そう言ってくれると嬉しい。
この先に誰が待ち受けていようとも、俺は戦う。もう二度と、俺の剣が道に迷わぬよう力を貸してくれ」
イレブン「うん、グレイグのその力を僕も頼りにしている。行こう」
イレブンとグレイグは互いに見つめ合った後ゆっくりと階段を登っていき、玉座の間に向かっていった