ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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ぶつかる兄弟

それから数日後、ユグノア城

 

 

 

廊下

 

 

 

地下の牢屋へと続く階段の前に、イレブンとダバンとミラがいた

 

 

 

イレブン「それじゃあ、もう一度約束を言うよ。

ケニーの牢屋以外には見向きしない事。

特別にケニーの牢屋を開けるけど、入るのはダバンだけ。

ケニーと話せる時間は10分、それ以上は認めないよ。

いい?」

 

 

 

 

ダバン「はい!」

 

 

 

 

ミラ「わがままを申してしまい申し訳ありません。ダバン、落ち着いて話してね」

 

 

 

 

ダバン「そう.....だな。時間も限られてる。グダグダしてはいられないな」

 

 

 

 

イレブン「それじゃあ向かうよ。ついてきてね」

 

 

 

地下牢

 

 

 

見張りの兵士に軽く礼をして進んでいく。新しいユグノア城とはいえ、地下牢にもなると暗く錆ついたような匂いが立ち込めている

 

 

 

イレブン「さあ、ついたよ」

 

 

 

 

ケニー「あ?」

 

 

 

ケニーは牢屋の隅で壁を見ていたのを振り返った

 

 

 

ダバン「ケニー」

 

 

 

 

ケニー「チッ!.......んだよ。笑いに来たか?」

 

 

 

 

ダバン「そんな事するわけないだろう」

 

 

 

 

ケニー「ふん!.........その女がてめえのか」

 

 

 

ケニーはダバンの隣に立つミラを睨みつけた。その目は暗い牢屋の中でもはっきりと光って見えた

 

 

 

ミラ「.....初めまして、ケニーさん。あなたの兄のダバンの」

 

 

 

ガシャァン!

 

 

 

ミラ「!!」

 

 

 

 

ケニー「こんなやつが俺の兄なわけねえだろ。女、もう一度言ってみろ。その首、切り裂くぞ」

 

 

 

ケニーはミラが兄という発言をした瞬間、牢に勢いよく飛びかかりミラに向かって殺気をぶつけている

 

 

 

ダバン「ケニー......」

 

 

 

 

イレブン「大丈夫?ミラさん。無理しないで見守るだけでも」

 

 

 

 

ミラ「いいえ、大丈夫です。大きな音に少し驚いただけですので。ケニーさん、ダバンの妻のミラといいます。これからよろしくお願いします」

 

 

 

ミラはケニーの殺気を気にしていないように、ケニーを見つめたまま凛と発言を続け、綺麗に頭を下げた

 

 

 

ケニー「よろしく?はっ、何を馬鹿な事を。俺は盗賊!てめえはただの一般人!よろしくなんざ出来るわけねえだろ!」

 

 

 

 

イレブン「盗賊ケニー、今からダバンを牢屋の中に入れる。ダバンから君に話したい事があるみたいだ。ただし10分間だけだからね」

 

 

 

 

ケニー「断る!!こんなやつと話す事なんかねえ」

 

 

 

 

ダバン「聞くだけでも構わない」

 

 

 

 

ケニー「俺はてめえの声すらも聞きたくねえんだよ」

 

 

 

 

イレブン「.......どうするかはケニーの自由だ。開けるよ」

 

 

 

ダバンが入り口を体で塞ぎながら、イレブンが牢屋の鍵を開けた

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ダバン「よっ!」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ダバンは開いた瞬間に僅かに牢屋を開け、体を滑り込ませすぐに鍵を閉めた

 

 

 

イレブン「ダバン、今から10分だからね。僕達はここで見てるから」

 

 

 

 

ミラ「きっと伝わるわ。諦めないでね」

 

 

 

 

ダバン「ああ」

 

 

 

 

ケニー「聞かねえって言ってんだろ。勝手にしろ」

 

 

 

ケニーはダバンに背中を向け、耳を塞いだ

 

 

 

ダバン「勝手にするさ。ケニー、頼みがある」

 

 

 

 

ケニー「誰がてめえなんかの頼みなんか聞くかよ」

 

 

 

 

ダバン「もう一度!家族としてやり直さないか!俺とミラと一緒に!」

 

 

 

 

ケニー「は......?何言ってんだ、てめえ」

 

 

 

ケニーは意味がわからないといったような顔で振り向いた

 

 

 

ダバン「ケニーは前にグロッタで俺に前こう言ったな。俺は兄貴でも家族でもなんでもねえ、ただの他人だと。確かにその通りだ。一番大事な弟であるお前を守らずにずっと苦しませ続けた。いじめられている事は簡単に予測していたのに......。

 

 

 

お前がこうなったのは全て俺のせいだ!お前が俺を嫌いになり、失望するのも当然だ!だからやりなお」

 

 

 

バキィッ!

 

 

 

二人「!?」

 

 

 

ガシャァン!

 

 

 

ケニーは話しているダバンを殴り飛ばした

 

 

 

ケニー「ふざけるなよ!!何が苦しませ続けただ、何がやり直そうだ!!

誰のせいで俺が周りに馬鹿にされ続けたと思っている!!

 

 

 

お前が俺の兄なんかになりやがったからだろうが!!!

 

 

 

お前がいると俺は永遠に比べられるんだよ!そんなやつと一緒になんているわけねえだろうが!!」

 

 

 

 

ダバン「そんなやつら、見返してやればいいだろ!!」

 

 

 

 

ケニー「だから見返しただろうが!!全員動かなくしてやっただろうが!」

 

 

 

 

ダバン「そうじゃない!馬鹿にしてきたやつらは、功績で見返してやれ!力でねじ伏せるのは間違っている!」

 

 

 

 

ケニー「そんなもの!何の意味も持たねえ!!結局比べられるに決まってるんだ!」

 

 

 

 

ダバン「なら、周りが比べられなくなるまで強くなれ!俺を追い越せ!!」

 

 

 

 

ケニー「ああ!追い越してやるよ!てめえをぶっ殺してな!」

 

 

 

 

ダバン「やってみろ。出来るもんならな」

 

 

 

二人は互いにキツく睨み合っている。その顔はまさに兄弟と思うくらい、鋭さや雰囲気がそっくりだった

 

 

 

ミラ「ちょ、ちょっとダバン!そんな事言ったらあなた」

 

 

 

 

ダバン「大丈夫だ、ミラ。たかが知れてる」

 

 

 

 

ケニー「舐めやがって.......。ここから出たら覚えてろよ!必ずてめえを殺して超えてやる!!」

 

 

 

その後、玉座の間

 

 

 

ミラ「何考えてるのよ、ダバン!!あなた、本当に殺されたらどうする気!?」

 

 

 

 

イレブン「ダバンが早々そんな事は起こらないと思ってるけど、僕もあの判断はよくないような気がする。なんであんな事を言ったの?」

 

 

 

 

ダバン「あいつが出てくるまで半年を切りました。ケニーが俺の話を聞くとは思っていませんし、頼みも聞くなんて考えていません。でも、ケニーがこのまま外に出たらどうなるか。またグロッタの家へと戻り、前の生活に元通りだと考えたのです。

 

 

 

そんなの、俺は絶対に嫌です。ケニーにとってあそこは嫌いで嫌いでたまらない場所です。そこにいても、ケニーにとっても周りにとっても何もいい事なんてありません。

 

 

 

だからケニーが俺にやってくる理由がほしかったのです。それがあれば、ケニーは俺の元へ来る。このユグノアに残り続けます。俺がいるであろう家や城に来るでしょう。その間にゆっくりと時間をかけて話していこうと思います。まあ大体は命を狙われると思いますが」

 

 

 

 

ロウ「そのためにわざとケニーを焚きつけた、というわけか」

 

 

 

 

ダバン「はい。それにケニーに俺を追い越せと言ったのも俺の本心です。ケニーは俺と比べられ続けた事で自分に自信がなくなり、俺を恨むようになりました。なら、その俺をケニーが越えればいいと考えました」

 

 

 

 

イレブン「言いたい事はわかるけど、結構難しい事だよ」

 

 

 

 

ダバン「わかっています。これにも作戦があるんです。どうか協力していただけませんか?」

 

 

 

 

ロウ「それは一向に構わぬが.....」

 

 

 

 

ダバン「ありがとうございます」

 

 

 

 

ミラ「(本当に大丈夫なのかしら、ダバン。心配で仕方ないわ)」

 

 

 

 

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