その後、デルカコスタ地方 海岸
バン「これでよしっと!魔物調査はこれくらいですかね」
ギバ「特に変な所もなさそうだしな。このまま戻ろうぜ」
カミュ「..........」
カミュは山の方を静かに見つめていた
バン「カミュさん?」
カミュ「ちょっとついてきてくれないか?さっき山の中から音が聞こえたように思えてな」
ギバ「え?そうだったんですか?」
バン「俺もわかんなかった。きっと魔物が葉っぱか木の枝を踏んだんですよ」
カミュ「それならいいけどな。なんだか魔物の気配が多いように思うんだ。とりあえず行ってみるぞ」
バン「まあカミュさんがそこまで言うのなら......」
山中
奥に進んでいくと
二人「!!」
山の奥では様々な魔物が集まっていた。その中心にはリーダーと思われる魔物が立っている
ギバ「こんなに魔物が集まってる!何がおこってんだ?」
カミュ「気配はこれか。あの周りよりでかいやつ、おそらくリーダーだろ」
バン「指示を出してるみたいですし、間違いありませんね。しかし、どうして?」
ギバ「とりあえず、俺ガザルに救援要請を出してきます!」
カミュ「頼んだ。俺はもう少しだけ進んでみる。バンはここで待機しててくれ」
バン「はい!」
カミュが気配を消して進んでいくと魔物の声が聞こえてきた
魔物リーダー「お前は西の方角からだ。俺達が正面の門から攻めている間に回り込め。デルカダール王国の逃げ道は限られているからな。そこを塞げ」
魔物「ギギッ!」
カミュ「(こいつら、デルカダール王国を襲う気か!)」
カミュはそれを聞くとバンの元へ戻っていった
カミュ「大変だ、バン。こいつら、狙いはデルカダール王国だ!襲撃の準備をしているみたいだ」
バン「え!?そんな事絶対させません!早く食い止めないと!」
カミュ「あ、待て!!正面からなんて二人だと苦戦を」
バン「お前らー!!デルカダール王国に手出しはさせねえぞ!!」
魔物リーダー「なに!?どうしてここが!?」
カミュ「チッ!!この馬鹿野郎が!!」
夕方、デルカダール城下町
兵士達「バンがご迷惑おかけしてすみませんでした!!」
あの後、バン以外の兵士達が魔物の群れの戦闘に駆り出され、事情を知ったベグル達がカミュに一斉に頭を下げていた
カミュ「いいって、別に。群れは食い止められたんだし最悪の展開は免れたんだからよ」
ベグル「ほんっっとうにすみません!こいつはいっつも人の話を聞かないで突っ込んでいく悪い癖が直らなくて!後で処刑しておきますので!!」
ベグル達の近くには全員からタコ殴りにされ血だらけのバンが倒れていた
カミュ「まあ知ってたのにそれを止められなかった俺も悪かったからよ。バンが率先して戦ってくれてこっちも助かったんだ。それくらいにしておいてやってくれ」
ベグル「すみません。お詫びといってはなんですが、この後よろしければ酒場で飲みませんか?カミュさんの分は俺達が奢りますので」
カミュ「お、それはいいな。なら早速向かおうぜ」
酒場
ベグル「それでは、今日はカミュさんに助けていただいたという事で」
兵士達「ありがとうございました!」
ベグル達はカミュに頭を下げながら盃を上げた
カミュ「感謝されるほどじゃねえよ」
カミュはその様子に苦笑いしながら盃を上げた
バン「俺、俺にも酒をくれよー!」
バンだけは床に縄で縛られており、近くにはコップ一杯の水だけが置いてある
ベグル「なに生意気言ってんだよ。誰よりもカミュさんに迷惑かけたのはてめえだ。水があるだけマシと思え」
バン「それは本当に悪かったけど、水一杯の価値すらないレベルだった!?」
ガザル「当然だけど水のおかわりもなしだからなー。つまみもないぞ」
バン「酷え!!兵士長虐待だー!」
バンは駄々をこねるように床でジタバタと暴れている
ロベルト「はは......。まあ同情の余地はねえな」
マーズ「たまにはいい薬になるだろ。カミュさん、カルパッチョです。おつまみにどうぞ」
カミュ「お、サンキュー」
ギバ「相変わらずよくいきなりそんな強い酒から飲めますよね」
カミュ「これで体をあっためていくんだよ。ま、飲み慣らしってとこだな」
ギバ「飲み慣らし.......度数30が飲み慣らし.......」
カミュ「たまにはそっちのエールとかも貰うぜ。俺のも誰か飲むか?」
兵士達「全力でご遠慮させていただきます!」
カミュ「な、なんだよ、そんな一斉に」
ガザル「いや、ラース将軍が兵士長の頃に俺達の酒が弱いのを鍛えるとか言ってほぼ無理矢理ホムラの酒を飲まされたんです」
ベグル「全員ぶっ倒れて次の日、誰も城に行けなかったんです。俺達、あれが結構トラウマでして.....」
全員がその時の事を思い出したのか、どこか青い顔をしている
カミュ「ははは.......。そういや、そんな話聞いたな。兄貴はたまに自覚なしで暴れるからな。ご愁傷様だな」
数時間後
カミュ「へ〜、ダバンがユグノアに行ったのは知ってたがそんなトラブルがあったんだな」
ロベルト「はい、そうなんですよ」
ギバ「ダバンー!!頑張ってるよなー!」
ベグル「うるせえ、ギバ!ダバン、なんとかしろ!」
カミュ「.......酔ってねえか?あの二人」
マーズ「ギバは酔いやすいんです。お酒好きなのに、お酒に弱くて少しかわいそうなんですよ」
バン「珍しいー、あのベグルが酔ってる」
ガザル「これ以上は迷惑になりそうだな。カミュさん、すみませんが今日はこのくらいでよろしいですか?」
カミュ「それもそうだな。中々楽しかったぜ」
ロベルト「それならよかったです。バン、ベグルを支えてやってくれ」
バン「そうだな。ほら、ベグル。顔赤くなってきてるぞ、歩けるか?」
ベグル「あー?てめえなんかに支えてもらわなくてもいい」
バン「そうは言ってもふらふらしてるぞ、危ないって」
ベグル「大丈夫だって。というか、バンじゃなくてダバンがいるだろ」
ガザル「まったくよー、ベグルも早い所ダバンがいない事に慣れろって!」
マーズ「ギバ、ほら。一旦城に帰るぞ」
ギバ「あー、サンキュー.....ロベルト」
マーズ「俺はマーズだ」
カミュ「(中々カオスだな、これは)」
デルカダール城 大広間
カミュ「ベグルは部屋があるからいいとして、ギバはどうすんだ?」
ガザル「とりあえずこのままだと明日に響くんで、二人ともこの後トイレで吐かせてきます」
カミュ「.........中々えげつない事するな。横にさせておけばいいだろ」
ガザル「これが一番手っ取り早いんですよ。ベグルを殴れる数少ない機会ですしね」
カミュ「なるほど、それが本音か。まあ程々にな。それじゃあ俺はこれで。今日は一日ありがとな」
バン「こちらこそありがとうございました!また一緒に見回りしましょうね!」
カミュ「それは断らせてもらう」
バン「えー!!」