ダバン「ケニー、いくぞ」
ケニー「はっ、お前なんかと協力する気はねえよ。俺は俺のやりたいようにやるだけだ」
ダバン「あいつは姑息な手を使ってくるんだぞ。一人じゃ難しい相手だ」
ケニー「だからっててめえに頼るのはごめんだ!」
ケニーは短剣を構えるとジュウに向かって再び向かっていく
ダバン「あ、待て、ケニー!」
ダバンもケニーの後ろを追っていった
だいあくまの書「ジャアアア!!」
だいあくまの書はイレブンとロウに向かって本を開くと鋭く尖った紙を高速で飛ばしていく
イレブン「はっ、ふっ!」
イレブンは盾で防いだり避けたりしていく
ロウ「マヒャドじゃ!」
ロウは自身の前に水色の魔法陣を描くと、大きな氷柱を地面から生やして氷を盾にした
イレブン「どうしよう、迂闊に攻撃する事が出来ない!」
ロウ「むぅ、防戦一方かもしれんのう。じゃが、ここまで巨大となるとこの山への被害も大きい。長期戦にならんとよいが」
だいあくまの書「ギィァァァ!!」
ケニー「俺が相手だ!カオスエッジ!」
ケニーは持っている短剣に黒いエネルギーを纏わせ、そのまま素早くジュウに向けて切り裂いた
ジュウ「お前など私の敵ではない!」
ジュウは持っている杖で軽く短剣の一撃を防ぐと
ジュウ「マヒャデドス!」
ケニーの上空に水色の魔法陣を描き、巨大な氷柱をいくつも降らせてきた
ケニー「チッ!......な!?」
ケニーは即座に離れようとするが足が動かずに下を見ると、地面がケニーの足に絡みつくようにまとわりついていた。ジュウが仕掛けたジバルンバの罠である
ジュウ「真っ向から仕掛けてくるなど馬鹿のやる事です!さあ、死になさい!」
ケニー「くっ!」
ダバン「させない!ばくれつきゃく!」
追いついたダバンが大きく跳び上がり降り注ぐ氷柱を足場にしながら華麗な足捌きで砕いていく
ジュウ「チッ、貴様は中々やるようだな。たかが一兵士の分際で」
ダバン「ケニー、だから突っ込むなと言っただろう」
ケニー「うるせえ。俺に指図すんな、クソ兄貴が」
ジュウ「ふふ、見苦しいですねえ。昔は仲が良かった兄がどんどん上に行く事が許せないんでしたね。あなたの心、ずっと見ておりましたよ」
ケニー「人の心勝手に見てんじゃねえ!気色悪いやつめ!」
ジュウ「必死に抗ってどうするのです?弱いものは弱い、強いものは強い。世界の理でしょう。あなたは弱いんですよ、兄と違って」
ケニー「俺は弱くねえ!!」
ミラ「あんた、ケニーを馬鹿にするんじゃないわよ!」
ジュウ「うるさい小娘ですねえ。あなたは用済みです、黙ってなさい!!」
ジュウは捕らえているミラを突き飛ばした
ミラ「キャッ!」
ミラは地面に倒れた
ダバン「ミラ!」
ジュウ「イオマータ!」
倒れたミラの周囲にオレンジの魔法陣が描かれ、連続で爆発が起こる
ドォン!ドォン!ドォン!
爆発の煙と土煙でミラが見えなくなる
ダバン「ミラーー!!!」
ダバンは急いでミラに駆け寄る
ケニー「おい、やべえだろ!そいつ、ただの女だぞ!」
ケニーも焦ってミラへと向かう
ダバン「ミラ、ミラ!!平気か!?」
ミラ「っっ.....ごめ、なさい.....。私の.....せいで、大切な......ノートが、ダバン達が.....」
ミラは傷だらけになり、服もあちこち破けてしまっている
ダバン「ミラのせいなんかじゃない!あのノートは、あんなやつを絶対倒して元に戻してみせる!休んでいてくれ、ベホイム」
ダバンは優しく声をかけて緑色の魔法陣を描くと、ミラの傷を塞いだ。ミラはそのまま意識を失った
ダバン「お前、絶対に許さないからな」
ダバンはそっとミラを優しく地面に置くとジュウに振り向いて睨みつけた
ケニー「.......」
ケニーはミラの目元に残った涙を優しく拭い取った
ケニー「......おい、兄貴」
ダバン「!?なんだ、ケニー」
ケニー「お前と協力するのは癪だが、この女が泣いて俺達に謝る姿なんて見たくねえ。あのノートがねえと俺の昼飯や晩飯がなくなる。そっちの方が困るんでね。今だけ協力してやるよ」
そう言ってケニーはダバンの隣に立った。その顔は先程のダバンと同じようにジュウを鋭く睨みつけていた
ダバン「.....ああ!頼む、ケニー!俺はお前のように素早く動けん。俺があいつの気を引く、その間にケニーはあいつに攻撃してくれ!」
ケニー「俺だってあいつの攻撃を喰らいたくねえ、痛えからな。だから、しっかりその盾で守りやがれよ!」
ケニーはジュウへと走り出した
ダバン「当然!俺は守りたいものを守る盾だ!!」
ダバンも同じくケニーに並んで走り出した
ジュウ「二人になった所で片方が弱ければ何も変わらん!マヒャデドス!」
ジュウは地面に水色の魔法陣を描くと、巨大な鋭い氷柱を大量に生やした
ダバン「ケニー!」
ケニー「言われなくとも!」
ダバンは氷柱を軽々と足場にしてジュウへと向かう
ジュウ「メラガイアー!」
ジュウは赤い魔法陣を描くと、そこから巨大な火の玉を作り出してダバンにぶつける
ダバン「はやぶさ斬り!」
ダバンは素早く斬撃を二回繰り出して火の玉を切り裂く
ボォォン!
切り裂かれた火の玉が爆発すると、爆発の中からケニーが素早くつっこんできた
ジュウ「チッ!」
ジュウは杖でガードしようとすると
ケニー「へっ、馬鹿が!」
ケニーはそのまま高く跳び上がった
ジュウ「!?」
杖の先には剣を構えたダバンがいた
ダバン「はあっ!!」
スパン!
杖はダバンによって真っ二つに斬られた
ジュウ「くっ、私の杖が!」
ケニー「まだ続くぜ!さっきのお返しだ!」
ケニーはジュウの後ろに着地するとそのまま短剣を振り下ろす
ケニー「ナイトメアファング!」
赤黒く纏った二振りの短剣がジュウを切り裂いた
ズバン!
ジュウ「ぐうっ.....調子に、乗るなーー!!」
二人「!?」
ジュウは怒ったのか、体表が赤く変色していく。それと同時にジュウを中心に風が集まっていく
ケニー「チッ、なんだこれ!」
ダバン「なんか来るぞ、ケニー!」
ケニー「......ったく!」
ジュウ「イオグランデ!!」
ジュウは集まった風に向かって橙色の魔法陣を大量に描くと、そこから大爆発を引き起こした。更に風によって爆発の範囲が格段に広がっていく
ドォォン!!!
これまでとは桁違いの威力に大地が割れ、周囲にある木々も倒れていく
ロウ「ぬぅ!?」
ロウは突然の衝撃に足を転ばせそうになった
イレブン「うわ!っと、おじいちゃん、大丈夫!?」
だいあくまの書「ギィィィ!!」
だいあくまの書はよそ見をしたイレブンに向かって朱色の魔法陣を描くと、巨大な火柱がイレブンを包み込んだ
ロウ「イレブン!!」
火柱が収まると
パリィィン!
イレブン「大丈夫。アストロンで防いだよ」
鉄の塊となったイレブンは無傷で立っていた
ロウ「ふぅ、驚いたわい。あっちはどうやらかなり激しく戦っておるようじゃな」
ジュウ「はぁ......はぁ.....私の怒りの前には、あなた達ごとき簡単に消し去るんですよ」
ダバン達がいた場所は煙に覆われていた
ケニー「ヒュ〜、こりゃあ喰らったらひとたまりもねえな」
ジュウ「なに!?」
煙が晴れるとそこには盾を構えたダバンがおり、その周囲は紫色のオーラに包まれていた。ケニーとダバンはかなり密着した状態でいるため、その範囲はかなり狭い事が伺える
ダバン「スペルガード。これが俺の決意の技!守りたいものを守り抜く技だ!」
ケニー「.......」
ジュウ「小癪なー!!」
ジュウは再び魔力を溜めようとする
ケニー「させねえよ!ヴァイパーファング!」
ケニーは素早くジュウに走っていき、毒を纏った短剣で素早く切り裂く
ジュバッ!
ジュウ「ぐっ....なんのこれしき...!」
斬られた場所を押さえながら後ろに下がる
ダバン「俺を忘れるなよ。はあ!」
ダバンは背後に回っており、下がってきたジュウを空へ蹴り上げた
ジュウ「ぐはっ....」
二人「はっ!」
舞ったジュウに向かってダバンとケニーが二人揃って片手剣と短剣の斬撃をお見舞いする
ジュウ「がぁっ.......」
ジュワー
ジュウはそのまま消え去った
ドクン
だいあくまの書「ギィィィィ......」
暴れていただいあくまの書は煙を出しながらみるみるうちに小さくなり、元のノートの姿に戻った
ロウ「おお、どうやらダバン達がやってくれたようじゃな」
イレブン「うん。おじいちゃんの読み通り元に戻ってよかった」
イレブンはノートを拾った
ダバン「イレブン様、ロウ様、そちらはご無事ですか!」
ダバンがミラを抱き抱えながらイレブン達の元にやってきた
イレブン「うん、こっちは大丈夫。二人は大丈夫だった?」
ケニー「当然だろ。あんなふざけたやつに負けるわけ」
ゴン!!
ダバン「お、お前!!馬鹿!!王様に向かってなんて口の聞き方を!!」
ダバンはケニーに向かって勢いよく拳を振り落とした
ケニー「いってえな、クソ兄貴が!!何しやがる!」
ダバン「お前があまりにも失礼な事するからだろうが!」
ケニー「俺は兵士じゃねえんだから別にいいだろうが!」
ダバン「兵士だからとか関係ねえ!ちゃんと敬語を使え!」
ロウ「ほほ、ダバンよ、わし達はそこまで気にせんよ」
ダバン「いいえ、ロウ様!弟は教育がなってないんですよ!甘やかしてはいけません!」
ケニー「あーあー、やってらんねえ!俺はもうこんな所いられっかよ!」
ケニーはそのまま走っていった
ダバン「あ、おい、どこ行くんだよ!ちゃんと帰ってこいよー!」
ケニー「うっせえ、そんなん知るか!」
イレブン「は、はは....。二人で倒したから少しはどうにかなるかと思ったけど、まだ大変そうだね」
ダバン「申し訳ありません。今度しっかり言い聞かせておきますので」
ロウ「うむうむ。まあよいのじゃ、焦らず行こうではないか。どれ、元凶と思わしきやつはこれで倒した。後はしばらく様子を見ておこう。何事もないはずじゃがな」
イレブン「そうだね。しばらくはここも巡回ルートに入れるよ、何かあったら報告よろしくね」
ダバン「はっ!!」
ロウ「それでは国へ戻ろうかの」