玉座の間
玉座にはホメロスが座っていた
パチパチパチ
ホメロスの乾いた拍手の音が鳴り響いている
ホメロス「お元気そうでなにより。我が友、そして哀れな悪魔の子よ」
グレイグ「ホメロス.....やはりきさまかっ!デヤアアア!」
グレイグはホメロスに向かって斬りかかった
シュン!
ホメロスはその場から消えた
ホメロス「フフフ、その短気、治した方がいいな。周りが見えていないからお前はいつもから回る」
ホメロスは瞬時にグレイグの後ろへと回った
グレイグ「ハアッ!」
シュン!
再びホメロスの姿は消え、グレイグの横に現れた
グレイグ「なぜ魔王に魂を売った!共にデルカダールを守る.....そう誓ったはずだ!ホメロス!」
ホメロス「なぜ?なぜと問うのか?お前が?私に?ははは。ははっ......ハハハハハハ」
ホメロスは空を見上げて高らかに笑っている
グレイグ「なにがおかしい」
ホメロス「では私もおまえに問おう」ブンッ!
ホメロスはグレイグに持っていた杖で殴りかかる
キン!
グレイグはそれを防ぐ
ホメロス「なぜ、お前は私の前を歩こうとする?」ブン!
キン!
ホメロス「なぜ、お前ばかりが力を得る?
なぜだっ!グレイグ!!」ブン!
ガキン!
グレイグは攻撃に押されてしまう
グレイグ「ぐぬぅ!」
イレブン「グレイグ!」
ホメロス「私はもう、お前の後ろは歩かない。愛も、夢も、光もそして友も。この世界では何の意味も持たない。あるべきは力。
世界を統べる闇の力だけ。私の力を認めてくれる、あの方こそが真の王!王の歩みを邪魔する者は、私が許さぬ!ハアッ!」
ホメロスはイレブンに向かって魔法を打った
イレブン「!?」
グレイグはイレブンの前に出て魔法から守った
グレイグ「イレブン!ぐぬぅ!.....くっ!
故郷を奪われ、民を失い.....友は去った。英雄と呼ばれて戦い続けても、俺に守れるものなど、何も無いと思った。だが.....まだだ。まだ、俺にも守るべきものがある」
グレイグはゆっくりと立ち上がり、イレブンの方を向いた
グレイグ「イレブン、お前が世界を救う勇者なら......俺は、勇者を守る盾となろう。
ホメロス!いや、魔王の手の者よ。その命、私がもらいうける」
グレイグは剣を元親友へと向け、宣言した
ホメロス「できるかな?我が友よ」
ホメロスはそれを薄ら笑いしながら見ていた
グレイグ「デヤアアア!」
シュン!
ホメロスは翼を生やした魔物へと姿を変え、空へ飛び立った
ホメロスの胸には光り輝く銀色の宝石が埋め込まれていた
ホメロス「お遊びはここまでだ。グレイグよ、私はお前の先を歩く。お前はここで朽ち果てるのだ!」
バサァ!
ホメロスはどこかへ飛び去っていった
グレイグ「.....ホメロス」
イレブン「ホメロスの胸にあったもの、まさか.....シルバーオーブ?」
その時、玉座からうごめく影が現れる
ゾルデ「ンフフ。フフフフフフ。
我は、魔王様の力を受けし六軍王が一人。屍騎軍王ゾルデ。闇を愛し、光を嫌う者。我は思う。
そなたらはいやしい光を望む者達。
そしてなにより、哀れな者達。魔王様は闇をお望みだ。我の命尽きるまで、清浄なる常闇は消えん。なれば、この地に光は戻らん。
さあ、汚れた光を癒しましょうぞ」
屍騎軍王ゾルデがあらわれた
イレブン「グレイグ、頑張ろう!はやぶさ斬り!」
イレブンはゾルデに突っ込んでいく
ゾルデ「愚かな」
ゾルデは持っている剣でイレブンに迎え撃つ
グレイグ「スクルト!」
グレイグはイレブンと自身に緑色の魔法陣を描き、二人の皮膚と服を硬化させた
イレブン「はああっ!」
イレブンはゾルデの剣と真っ向勝負を仕掛ける
ゾルデ「無駄だ」
ガキン!ギリギリギリ
イレブン「くっ!」
イレブンが力負けし、どんどん押されていく
グレイグ「イレブン!無茶をするな!」
ゾルデ「いつまで持つかな」
イレブン「ここ!!」
ゾルデ「!?」
イレブンは剣から力を一瞬で抜き、ゾルデの剣の下に滑り込んだ
ゾルデは力をかけたままだったため、前に倒れこむ
イレブン「ギガスラッシュ!」
勇者の雷を纏った剣がゾルデの体を下から上へ切り裂いた
ザグッ!!
ゾルデ「ぬおおお!!」
イレブン「よし!」
イレブンはゾルデから離れる
グレイグ「隙を突くのは素晴らしいが、見ていて心配になる。あまりやるんじゃないぞ」
イレブン「うん、わかってる。でも、最初だからこそ通用しやすいと思って」
ゾルデ「ぐっ!ソードガード!」
ゾルデは剣を構え、防御の姿勢に移る
ゾルデ「はあっ!」
ゾルデはそのままイレブン達に走り込み、二本の剣を振りかざした
グレイグ「俺に任せろ!ふん!」
ガン!
グレイグがイレブンの前に出て、盾で二本の剣を防いだ
イレブン「はやぶさ斬り!」
イレブンがその隙に横に素早く移動し、ゾルデの体に剣を素早く二回斬りつける
ゾルデ「くっ!」
ゾルデが二人から離れる
グレイグ「てやぁ!」
グレイグはその隙を逃さず、ゾルデの元まで飛び跳ねて大剣を叩きつける
ゾルデ「甘い!でやぁ!」
ゾルデは剣で横になぎはらい、グレイグを横に大剣ごとふりはらった
グレイグ「ぐっ!」
ゾルデ「ドルクマ!」
ゾルデはそのまま追撃に、グレイグの足下に黒い魔法陣を描き、闇の塊を爆発させた
グレイグ「くっ!」
イレブン「はやぶさ斬り!」
ゾルデがグレイグに向いているうちにイレブンがゾルデの後ろに回り込んでおり、そのまま剣を素早く斬りつけようとする
ゾルデ「わかっておりますぞ!」
イレブン「!?」
ゾルデはいきなり振り向き、そのまま剣をイレブンに振りかぶった
ザクッ!
イレブン「ぐうっ!」
グレイグ「てやぁ!」
ゾルデがイレブンを斬りつけた間に、グレイグが再び大剣でゾルデの背中に斬りかかる
ズバッ!
ゾルデ「ぬうう....。厄介な者達よ。だが、我のこの力に平伏せ!」
ゾルデの瞳は怪しい紫の光を放った
ゾルデ「来い!我が影よ!」
ゾルデと全く同じ姿をした影が作り出された
その影も意思があるようで勝手に動いている
二人「!?」
イレブン「あの光!こいつ、パープルオーブの力を使ってくるの!?」
影がイレブンに向かっていく
グレイグ「イレブン、隙を見せるな!やられてしまうぞ!」
イレブン「!!」
影「ぐおお!」
影がイレブンに斬りかかる
ガキン!
イレブンは剣で咄嗟に防いだ
イレブン「そうだった、ごめん、グレイグ!ギガスラッシュ!」
イレブンは防いだ状態から剣に勇者の雷を纏わせ、反撃に影を切り裂いた
影「ギャァァ....」
グレイグ「イレブン、影はそこまで強くはないぞ!てやぁ!」
イレブンの強力な一撃によろよろと下がった影にグレイグがとどめに大剣を振り下ろした
ザグッ!
影は倒れた
ゾルデ「我をお忘れで?ふん!」
ゾルデがイレブンの背後を取っており、イレブンの体に深く剣を突き刺した
ブスッ!!
イレブン「グハア!クッ.....」
イレブンの胸から血が流れてくる痛恨の一撃
ゾルデ「ハア!」
ゾルデはそのままイレブンの横から剣をなぎはらう
グレイグ「させん!はあ!」
ガギャギャギャ!キン!
グレイグが間に入り、盾で剣を滑らせながら弾き返した
イレブン「助かった、グレイグ!ベホイム!」
イレブンは即座に自身に緑の魔法陣を描き、強い治癒の力をかけ傷を塞いだ
グレイグ「気にするな!てやぁ!」
グレイグはそのままゾルデに斬りかかる
ゾルデ「ドルクマ!」
ゾルデはグレイグの体に黒い魔法陣を描き、闇の塊を爆発させた
グレイグ「!?ぐっ!」
イレブン「ギガスラッシュ!」
イレブンは走りながらゾルデに雷を纏った剣でなぎはらう
ゾルデ「ソードガード!」
ガキン!
ゾルデのガードにより防がれた
イレブン「くっ!もう一回!ギガスラッシュ!」
イレブンは即座に反対周りにもう一度雷を纏った剣でなぎはらった
ザグッ!
ゾルデ「ぬうっ!」
グレイグ「てやぁ!」
グレイグが怯んだ隙を逃さず、連続でゾルデに斬りかかる
ゾルデ「くっ!」
ガキン!ガン!キン!
ズバッ!
ゾルデ「ぐう....。はあ!」
ゾルデはグレイグの攻撃に当たるが、ゾルデも剣をなぎはらった
ザク!
グレイグ「ぐっ!」
グレイグも攻撃に当たり、横に軽く飛ばされる
イレブン「はやぶさ斬り!」
グレイグがいなくなった場所からすぐにイレブンが飛び出し、ゾルデの顔に剣を素早く斬りつける
ザクッ!ザクッ!
ゾルデ「ぬうう....」
グレイグ「スクルト!」
再びイレブン達の皮膚と服が硬化した
ゾルデ「ドルクマ!」
ゾルデは呪文を唱えたグレイグに向かって黒い魔法陣を描き、闇の塊を爆発させた
グレイグ「効かんぞ!」
ガン!
グレイグは盾で防ぎきる
イレブン「やあっ!」
イレブンはその間にゾルデに向かっていく
ゾルデ「ふん!」
ゾルデはイレブンに剣で迎え撃ち、今度は剣が当たる瞬間に一瞬で押し返した
イレブン「!?」
ゾルデ「はあ!!」
ズバッ!
イレブンの体に大きく縦に切り傷がつく。そこから血が流れてくる
イレブン「ぐっ......」
イレブンは膝をついた
グレイグ「イレブン!大丈夫か!?」
グレイグがイレブンに駆け寄ろうとする
ゾルデ「させませんぞ!」
ゾルデがグレイグの前に現れ、剣をなぎはらう
グレイグ「くっ!」
グレイグは攻撃を避けるが、イレブンと距離が開いた
イレブン「ハァ.........ハァ.......。ハアアアア!!」
二人「!?」
イレブンは大きな叫び声をあげ、立ち上がった。先程よりも研ぎ澄まされた視線や顔つきとなり、青いオーラをまとっている
グレイグ「ゾーン状態か!」
ゾルデ「なんと」
イレブン「グレイグ、合わせるよ!はやぶさ斬り!」
イレブンは一瞬でゾルデの背中にたどり着いた
ゾルデ「!?」
グレイグ「はああ!」
グレイグも後ろを振り返ったゾルデの隙を逃さず、前から大剣で斬りかかる
ズドン!
イレブンとグレイグの息のあった同時攻撃がゾルデの胴体を切り裂いた
ゾルデ「ぐおおおお!!!」
ゾルデは苦しそうにしながら、立ち上がろうとしている
グレイグ「まだ立つか」
イレブン「終わりだよ!はあ!」
イレブンはゾルデを上から下へと綺麗に斬った。それがトドメとなり、ゾルデは真っ二つとなった
ゾルデ「おお、私の愛しき闇が.....。ああ、汚らわしい光が、あふれて」ジュワー
ゾルデは消え、目に入っていたパープルオーブが落ちた
コトン
イレブンはパープルオーブを取り戻した
イレブン「やっぱりパープルオーブだ。という事は、ホメロスの胸にあったものもシルバーオーブで間違いないはず。オーブは、悪しき者の手に渡ると力を与える......。ラース、忠告してくれたのにごめん。こんな事になって。必ず、全部取り戻すよ」
常闇を生み出す魔物が消えた事により、空を覆っていた闇は全て消え去った。空からは朝方なのか、薄明るい久しぶりの太陽の光が差し込んでいる
グレイグ「......」
グレイグは黙ってその場を立ち去っていく
デルカダール王国 入り口
入り口には二頭の馬が待っていた
グレイグ「......流石だな、リタリフォン。きてくれたのか。イレブンの馬もいるようだぞ。常闇は消えた。しかし、砦が心配だ。一刻も早く帰るぞ」