それから六日後、デルカダール王国
テルマ「よし、向かうか!」
テルマは剣を装備しながら大きい鞄を背負い直した。意気揚々と上げた声からはワクワクしたような雰囲気が感じられる
エド「そんな準備しなくてもいいとは思うんだけどな」
対照的にエドはかなり身軽な格好をしてテルマを笑いながら見ていた
テルマ「別にいいだろ、こんなに遠くに行くのは初めてなんだ。何かあったら大変だろ」
エド「別に何も起きねえって。昔より魔物も穏やかになったしよ」
テルマ「念には念を、だろ!さ、バレるとまずいし早くソルティコまで向かおうぜ」
エド「だな」
数時間後、デルカダール城 訓練場
バン達が自主訓練を終えようとしていた
バン「498.....499.....500!よし、今日のノルマは終了っと!」
ロベルト「お疲れ、バン。流石にバンもそろそろ休めよ」
ロベルトは持ってきていた冷えた水筒を渡した。ロベルトも先程まで自主訓練をしていたため、汗がまだ額に滲んでいる
バン「お、サンキュー、ロベルト!ぐっ.....ぐっ.....プハァ!にしても、今日は大体休みのやつが多いから城もどこか静かだよな〜」
ロベルト「だな。ま、俺達はもう休むってよりもここにいる方が落ち着くから自主的に来てるけど、ガザルや見習い達みたいに休むのも必要だよな」
バン「ロベルトも休んでよかったんだぞ。俺は.....書類が.....」
バンはふっと遠い目をした
ロベルト「どうせまたやり忘れてたんだろ。ベグルやラース将軍に怒られても知らないからな」
バン「うぅ....ロベルトー!助けてくれよー!ベグルにまたぶん殴られるー!」
バンは涙目になりながらロベルトにしがみついた
ロベルト「いきなりくっ付くな!というか、自業自得だろ!何回お前の書類手伝ったと思ってんだ!ああいう機密事項なのは普通は大勢に知られちゃいけねえんだ!」
バン「だってよ〜〜」
その時、訓練場に走って入ってくる音がしてきた
ロベルト「ん?誰か来たな。ほら、とっとと離れてくれ」
入り口を見るとラースが足速にやってきた
バン「あ!し、師匠!どうされましたか?焦った様子ですけど」
バンは少し慌てた様子で飛び上がった
ラース「おう、よかった、バン。ここにいたな。ちょっと頼まれてほしい事がある」
バン「へ?は、はい!わかりました!」
その後、デルカダール城 城門前
見張りをしていたベグルの元にバンとラースがやってきた
ベグル「え?エドとテルマですか?見ましたよ、朝方に。どこかに出掛けていく様子でした」
ラース「ハァ......。やっぱり」
ラースはため息をつきながら顔に手を当てている
バン「エドとテルマがどうかしたんですか?二人は数日お休みだと聞いてますけど」
ラース「実はな」
ラースはこの前のエド達とのやり取りを話した
バン「ええ!?つまり、エド達は隠れて里に向かったって事ですか!?」
ラース「そういう事になるな。俺達には諦めたって言ってたが、心配になって確かめてみたらこれだよ、まったく」
ベグル「あの馬鹿!どうせエドが無理矢理テルマを連れ回したんだろ!待っててください、俺が無理矢理にでも連れ戻してきます」
ラース「あー......いや、ベグル。お前は行くな」
ベグル「え?」
ラース「バン、お前が連れ戻して来い」
バン「え!?お、俺ですか!?ま、まあいいですけど」
ベグル「ラース将軍、なんでですか?こいつはあまり連れ戻すとかには向かないと思いますよ。なにより兵士長じゃないですか、やる仕事だってありますし」
ラース「あまり深くは言わないが、今回だけはベグルよりバンの方が適任だ。無理矢理連れ戻す必要はないが必ず無事に帰ってこい。数日以内に帰ってくればそれでいい」
バン「??は、はい!わかりました!」
ラース「ベグル、明日から兵士長代理を頼む」
ベグル「わ、わかりました」
バン「(なんで連れ戻すだけなのに数日かかると思われてんだ?俺ってそんなに期待されてない?)」
その頃、ソルティアナ海岸
エド「やっと森を抜けたな。魔物を避けながら進むのもやっぱり一苦労だな」
テルマ「ここら辺までなら俺でも戦えるからな。でも体力は温存しておくに越した事はないよな」
エド「まあな。さっさと進んでおきたい所だが、どうする?この後も進むとなると今度は今よりも険しい森の中だぜ。夜営?も出来るかわからないぜ」
テルマ「なるほど、そんなになのか。それじゃあソルティコに泊ろうぜ。俺の家になるけどよ」
エド「おう!テルマの故郷だよな!行ってみたかったんだよな〜。海が綺麗なんだろ?楽しみだ!」
テルマ「どうせなら一緒に泳ぐか!気持ちいいんだぜ」
エド「いいな、それ!へへ、それじゃああの見えてる花畑まで競争な!」
テルマ「いいぞ!よーい、ドン!」