ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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ライバル、友達

次の日、四人はデルカダールへ帰るためにまた来た道を戻る事になった

 

 

二日後、デルカダール城 玉座の間

 

 

バン達はマルティナ達へ出来事を報告していた

 

 

バン「という事がありまして、なんとか無事に帰ってきました」

 

 

 

ラース「そうか.....。流石にそこまでの展開は予想出来てなかった。大変だっただろ、悪かったな。バンもシルビアまで」

 

 

 

シルビア「仕方ないわよ、こんなの誰も予想出来ないもの」

 

 

 

マルティナ「そうね。でも、シルビアが手伝ってくれて本当によかったわ。もしもバン一人だけだったら、テルマもエドもどうなっていたか」

 

 

 

バン「本当ですよね!シルビアさん、大変助かりました!ありがとうございました!」

 

 

 

シルビア「ふふ、ありがとう。でも.....エドちゃんがね」

 

 

 

グレイグ「.....まあ察しはつく。大方、エドが避け始めるようになったのだろう?そんな騒ぎの後だ、仕方ない」

 

 

 

バン「そうなんです。帰りもずっと俺達と距離を取ってて....特にテルマとはかなり距離を置いてるんです」

 

 

 

ラース「これは俺達がどうこう出来る問題じゃないからな。しばらく見守る事にしよう。とにかく、全員が無事に帰ってきてくれてよかった。シルビアもありがとう。礼はまた今度渡す」

 

 

 

シルビア「いいのよ、お礼なんて。アタシが自由にやった事なんだから気にしないで」

 

 

その頃、デルカダール地方 崖

 

 

エド「.......」

 

 

エドは一人で海を眺めていた

 

 

テルマ「見つけた。エド」

 

 

エドの後ろからテルマが走ってきた

 

 

エド「テルマ.....」

 

 

エドは近寄ってくるテルマに対して後退りしていく

 

 

テルマ「なんなんだよ、エド。昨日からさ。俺、なんか悪い事したか?」

 

 

 

エド「いや、してない。むしろ、俺がしたっていうか」

 

 

 

テルマ「だから!怪我は何も怒ってないってば!無事に治ったし、普通に動く!そんないきなり余所余所しくなるなよな」

 

 

 

エド「だって.....よう。俺......あの時、本当にテルマを殺そうとした。テルマは必死に戻そうとしてくれたのに。俺は.....」

 

 

 

テルマ「........はぁ」

 

 

テルマはため息をついてエドに近寄る

 

 

エド「!く、来んなって」

 

 

 

テルマ「いやだ」

 

 

 

エド「お、俺に近づくと」

 

 

 

テルマ「はっ!」

 

 

 

エド「!!」

 

 

テルマは大きく一歩を踏み込んで素早く距離を詰めてエドの懐へと入り込んだ。そのままエドの足を振り払った

 

 

ドサ

 

 

エドはそのまま力なく倒れ込んで、その上にテルマがのしかかった

 

 

テルマ「はい、俺の勝ち」

 

 

 

エド「......」

 

 

 

テルマ「あの時のエドは信じられないくらい強かったけど、今のエドは信じられないくらい弱いな。俺でも余裕で倒せるぜ」

 

 

 

エド「むっ.....別に俺は抵抗してないだろ」

 

 

 

テルマ「強がんなよ、抵抗出来なかったんだろ?俺があまりにも強くなりすぎて」

 

 

 

エド「むっかー!なんだよ、テルマ!人がせっかく怪我しないようにしてたのによ!」

 

 

エドは飛び起きて上に乗っているテルマを突き飛ばした

 

 

テルマ「そんないらない気遣いすんなよ!エドのためならいくらでも傷ついてやる!」

 

 

 

エド「いらない気遣いってなんだよ!珍しく優しくしてやろうとしてたのによー!完全に怒った!もう一戦だ!テルマ、俺を挑発した事後悔させてやるよ!」

 

 

 

テルマ「いいぞ、エドとも一度模擬戦しなきゃいけないと思ってたんだ!」

 

 

 

エド「怪我したって知らないからな!」

 

 

 

テルマ「そっちこそ、舐めてかかると痛い目見るぞ!」

 

 

夕方、デルカダール城 医療部屋

 

 

ラース「それでお互い動けなくなるまで暴れた、と。馬鹿だなぁ、二人とも」

 

 

医療部屋には治療された二人がいた。互いの腕や顔には包帯がついている

 

 

エド「まあ俺の方が一戦勝ち越してるけどな!」

 

 

 

テルマ「な、おいおい!話を盛るなよ!あの一戦は俺の剣の方が先に首に当たってた!」

 

 

 

エド「残念だったな!俺の爪の方が早かった!」

 

 

 

テルマ「違う!それよりも俺の方が早い!」

 

 

 

エド「負け惜しみは見苦しいぞ、テルマ」

 

 

 

テルマ「お前.....ならもう一戦だ!」

 

 

 

エド「おう、受けて立つぜ!」

 

 

 

ラース「受けて立つじゃない」

 

 

ゴン!ゴン!

 

 

ラースは二人の頭に拳骨を落とした

 

 

二人「いっ....」

 

 

 

ラース「引き分けって事にしておけ。にしても、テルマがエドにそこまで張り合えるようになったのか。凄いじゃないか」

 

 

 

エド「俺が手を抜いてたからな!」

 

 

 

テルマ「そんな事してないのわかってるぞ!危ねえって何回も言ってただろ!」

 

 

 

エド「俺の演技に気付かないなんて、テルマも馬鹿だよな」

 

 

 

テルマ「お前演技なんてできる繊細なやつじゃねえだろ!」

 

 

 

エド「よーし、もう一戦だ!」

 

 

ドゴォン!

 

 

ラースが隣にあった壁を殴った。その壁は思いっきり凹んでボロボロと崩れている

 

 

ラース「俺の言いたい事はわかるな?」

 

 

 

エド「......すみませんでした」

 

 

 

テルマ「お、大人しくしてます」

 

 

 

ラース「まあ元通りになったならそれでいい。ライバルでもあり、友達でもあるお前らなら互いにいい存在になれるからな」

 

 

 

テルマ「まあ、俺がエドを守れるくらいに強くなるって約束もありますし」

 

 

 

エド「基本は俺が守ってやらないとだけどな!背中くらいは任せられそうだぜ!」

 

 

 

テルマ「!へっ、ありがとな」

 

 

 

エド「俺はあれから決めたんだ。この魔物になれる力で、大事な友達を守れる人間になるんだ。それが例え、周りから疎まれても化け物だと言われてもいい。俺を俺として、人間として見てくれるテルマがいるから。俺は魔物にはならない」

 

 

 

テルマ「エド....」

 

 

 

ラース「ふっ、そうか。これからも期待してるからな。頑張れよ」

 

 

 

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