一ヶ月後、デルカダール城
玉座の間
恒例となっている町の人達からの意見箱の内容を審議していると
ラース「じゃあ次に行くぞ。......ふむ、なるほど」
グレイグ「なんと書かれていたのだ?」
ラース「最近、家の整理をしていたのですが色々といらない物などが出てきました。しかし、それらはどれも思い出が残っており、捨てたり売ってしまうにはもったいないように思っています。そのような物の使い道や再利用の方法を出してほしいです、だそうだ」
デルカダール王「ふむ、なるほど。思い出のある物が捨てられないのはわしもよくわかる」
マルティナ「私は賛成したいです。年々増えるゴミ問題の対策にも繋がると思います」
バン「でも、どうするんですか?古い物とか壊れかけた物ですよね。直す時間ありますかね?」
ラース「マルティナはどう考えてる?何か考えとかあるか?」
マルティナ「私は.....そうね。こんなのはどうかしら。家具とかは無理だけど、きっと誰しも思い出が詰まった大切な物があると思うの。それを捨ててしまうのは心苦しいわ。でも、置き場が家にない。
なら、私達が置き場を作ればいいんじゃないかしら。飾るようにしておけば、いろんな人に見てもらう事が出来て新しい使い道になると思うの」
ベグル「な、なるほど....。しかしマルティナ様、そんな置き場になるような場所は....」
グレイグ「そうですな。ベグルの言う通り、今のデルカダール王国には空いている場所がございません」
マルティナ「そうよね.....そこが問題ね」
ラース「賛成したいマルティナの気持ちは擁護したいが、場所の他にもどれだけその思い出の物を提供してくれるかも問題だな。多ければそれだけ広い場所を、少なければ別に作る必要も薄くなる。街の人達による所もあるな」
バン「お、俺はマルティナ様の意見素晴らしいと思いますよ!俺の家にだってメグの捨てられずに困ってる物とかありますし」
デルカダール王「ふむ。ならば、こうしてみてはどうかな?まず、街の者達に簡単に今の案を説明する。そうして、各家にある思い出の物を持ってきてもらいその量によって作るかどうかを判断する。
その間に、わし達は必要となった際の事も今後の事も考えて、老朽化した建物や使わなくなった場所を解体してスペースを確保しておく」
ラース「そうですね。街の人達の協力が必要不可欠です」
マルティナ「ありがとうございます、お父様!」
ラース「それじゃあマルティナ、この件はマルティナに任せてもいいか?」
マルティナ「ええ、大丈夫よ。私が賛成した事だもの、きっとやり遂げてみせるわ」
グレイグ「もちろん、私達も姫様の指示があれば動かしていただいて構いません」
ベグル「俺達兵士もどんどんお使いください」
バン「はい!力になりますよ!」
マルティナ「ふふ、皆ありがとう!」
次の日、デルカダール城下町
広場
ザワザワ...
広場にはマルティナとラースがやってきており、王女が突然やってきた事に周りの人達は少しざわついている
ラース「皆!少し落ち着いてくれ!今からマルティナ王女から皆へメッセージがある。それをよく聞いてほしい!」
ラースは大きな声を出して周りに言うと、その声でざわついていた広場は静まり返って台に立つマルティナに視線が集まった
マルティナ「突然のご連絡申し訳ございません。昨日、皆さまから頂いたご意見の中に思い出の品の再利用についてがありました。私達で話し合った結果、街の方達からいらなくなった思い出の品を集めて、それを展示する場所を作ろうという方針に決まりました。
しかし、そのためには皆さまから思い出の品を提供していただかなければなりません。そのため、もし多数の方達に展示されても構わないという方がいましたら、こちらの仮スペースか直接お城へ来ていただいて私に渡していただければと思います。もちろん、展示した際の防犯については細心の注意を払わせていただきます」
話すマルティナの後ろには四角で囲った簡易的なエリアがあり、そこに小さい看板で思い出の品収集場と書かれている
マルティナ「思い出の品であればなんでも構いません。例えば私であれば、このグリズリーのぬいぐるみを出そうと考えているので、このように袋に詰めて置いてください。名前など特定される情報はないようにお願いします」
マルティナは自分の部屋に飾ってあった片目が取れてしまっている少し汚れたグリズリーのぬいぐるみを置いた
ラース「俺なら小さい頃に読み漁ったこの本だな」
ラースは少し古くなっている小さな魔導書を置いた
マルティナ「期日は二週間となります。一人で何個出していただいても構いません。ご協力よろしくお願いします」
パチパチパチパチ
マルティナに向けて広場で話を聞いていた人達から拍手が送られた。その拍手を受けながらマルティナ達は城へ戻っていった
デルカダール城 玉座の間
マルティナ「あれでよかったかしらね?私があそこで話すなんてそうそうなかったから少し緊張したわ」
ラース「緊張してるようには見えなかったけどな。よかったと思うぞ。後は、どれだけ集まるかだな。俺達はこれから解体作業でマルティナに少し任せる事が増えるがいいか?」
マルティナ「ええ、もちろん。何かあったら連絡するわね」
ラース「おう、無理はするなよ」