ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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消えた思い出達

一週間後、デルカダール城

 

 

玉座の間

 

 

男性「それではマルティナ様!頑張ってください!」

 

 

 

マルティナ「ええ、こっちこそ寄付してくれてありがとう。助かるわ、大事にすると約束するわね」

 

 

 

男性「はい!それでは失礼します!」

 

 

男性は思い出の品である一部が欠けた銅像を渡して帰っていった

 

 

マルティナ「ふふ、結構な数が集まったわね。小さな場所を予定していたけど、これならもう少し大きくしてもよさそうね。後でラースとグレイグに伝えないと」

 

 

リストを作って数を確認すると、30を超える数の物が集まっていた

 

 

ブレイブ「....ガウ?」

 

 

その時、ふと寝ていたブレイブが耳を動かして扉を見た。この合図はブレイブが知っている人が来た時にするサインだ

 

 

マルティナ「あら?どうしたの?ブレイブ?知ってる人でも来た?」

 

 

ガチャ

 

 

女の子「あの〜.....お、お邪魔します」

 

 

大きな扉を開けて入ってきたのは小さな女の子だった

 

 

マルティナ「あら、どうしたの?一人かしら?何か用事?」

 

 

 

女の子「はい....一人できました」

 

 

 

ブレイブ「ガウ」

 

 

ブレイブがその女の子に近寄った

 

 

女の子「あ、ブ、ブレイブ君だ。こんにちは」

 

 

 

マルティナ「ブレイブの知り合い?というと、マルス達のお友達かしら」

 

 

 

女の子「あ、はい。私、いつもマルス君。あ、えっと、マルス様達と遊んでるルリっていいます。え、えっと、マルティナ様に言いたい事があって.....」

 

 

ルリはモジモジとしながらゆっくりと話している

 

 

マルティナ「そうだったのね。ルリちゃん、ゆっくりで大丈夫だからお話してみて」

 

 

マルティナはしゃがんで、下を向いているルリと高さを合わせて優しく微笑んだ

 

 

ルリ「あ、ありがとう....。えっとね、一昨日にね、私の大事なうさぎのうーちゃんを、広場の場所に出したの」

 

 

 

マルティナ「あら、ありがとう。ちょっと待ってね........うん、確認してるわ。いっかくうさぎのぬいぐるみね。それがどうかしたの?」

 

 

 

ルリ「それがね.......今朝見たら.......なくなってたの.....」

 

 

ルリは今にも泣きそうな顔をしながら必死に涙を堪えている

 

 

マルティナ「なんですって!?それは大変だわ!」

 

 

 

ルリ「私のうーちゃん......どこかに行っちゃって」

 

 

 

ブレイブ「ガ....ガウゥ...」

 

 

ルリは手で目を押さえてポロポロと涙を流し始めた。突然泣き始めたルリにブレイブが少し戸惑っている

 

 

マルティナ「そうだったのね。悲しかったわよね、教えてくれてありがとう。ほら、これで涙拭いて」

 

 

マルティナはハンカチを差し出した

 

 

ルリ「ありがとう....」

 

 

 

マルティナ「一緒に広場まで行きましょう。他にも盗まれた物がないか確認しないと」

 

 

 

ルリ「うん」

 

 

マルティナはルリと手を繋いで広場へ向かっていった

 

 

デルカダール城下町 広場

 

 

マルティナ「..........確かに無くなってるわね。それも、うーちゃんだけじゃないわ。ジョウロもクッションもランプも無い。誰かが盗んでるみたい」

 

 

 

ルリ「そんな.....」

 

 

 

マルティナ「(迂闊だったわ。人が集まりやすい場所の方が宣伝にもなると思ったけど、その分多くの人の目に触れる。盗賊から見たらこんな所に物がたくさん置かれてたら盗んでくださいと言ってるようなものね。もう少し集める時の防犯面も考えるべきだった)」

 

 

 

男性「おや?マルティナ様。こんな所でどうされましたか?......ああ、収集場の確認ですか?随分とたくさん集まりましたよね」

 

 

 

マルティナ「あ、さっきの。ちょうどよかったわ!聞きたい事があるんだけど、ここの物がいくつか盗まれているの。怪しい人とか見なかったかしら」

 

 

 

男性「ええ!?そうだったんですか!?全く知らなかったです。でも、それは大変ですね!俺は....うーん、わからないですね。ここ最近この周辺に人が集まりやすかったとは思いますが、皆さん思い出の品を出している事ばかりでしたから」

 

 

 

マルティナ「そうよね。他の人にも聞いてみるわ、ありがとう!」

 

 

 

男性「いえ!お力になれずすみません。でも、思い出の物を盗むなんて許せないですよね。俺も周りの人に聞いてみます!」

 

 

 

マルティナ「ええ、助かるわ!何かあったら教えてちょうだい」

 

 

今の会話を聞いたルリは泣くのをやめた

 

 

ルリ「私も.....お友達やお母さんに聞いてみる」

 

 

 

マルティナ「ルリちゃん....。ええ、皆で協力して犯人を捕まえましょう。そして、うーちゃんも取り返さないとね」

 

 

マルティナは再びルリにしゃがみこんで優しく笑いかけた

 

 

ルリ「うん!」

 

 

その夜、マルティナとラースの部屋

 

 

ラース「さっきバンに緊急で明日からあの広場の場所を厳しく見張るように言っておいた。警備はなんとかなるだろ」

 

 

 

マルティナ「ありがとう。私の不備でルリちゃんや街の人達に申し訳ない事しちゃったわね」

 

 

 

ラース「俺も平和ボケしてきたのかもしれない。そこまで頭が回らなかった。俺の方こそすまないな。あまり大きく協力出来そうになくて」

 

 

 

マルティナ「いいのよ、予定より大きい建物になりそうだし時間がかかるのは当然よ。こっちは私と街の人達でなんとかしてみせる。バン達の力も借りるとは思うけど、ラース達はそっちに集中してて」

 

 

 

ラース「わかった。だが、危ない事になりそうだったらマルティナだけで動くなよ?最低でも兵士を連れて行けよな」

 

 

 

マルティナ「ふふ、本当に言ってる事がグレイグみたいになってきたわよ。でも、わかってるわ。気をつけるわね」

 

 

 

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