アルト遺跡
森の中に突如として現れた石で出来た大きな床、そこから無数に生える大きな石の柱がそりたっている。しかし、それもボロボロになり途中から折れており、無数の石片が散らばっている
ミラ「ここが、その遺跡なんですか。なんだか周りの景色とは不釣り合いですね」
マリー「そうですね、昔はここに森などなかったのでしょう」
ロック「なーんか凄そうな場所だな。遺跡なんてまともに来た事ないからよくわからないけど」
ダバン「ケニー、ここには地下とかあるのか?」
三人は周りをキョロキョロとしているが、ケニーだけはつまらなそうにして先を進もうとしている
ケニー「うっせ、黙って俺についてこい。この先に階段がある」
マリー「あ、お待ちください、ケニーさん!少しここの石柱を調べさせてください」
ミラ「お願い、ケニー。ここ、少しだけど古代文字が書かれてるの」
そう言ってミラとマリーは石柱を眺めていろいろ話し始めた
ケニー「チッ、んだよ。そんなん見ても面白くもねえのに」
マリー「ふふ、確かにつまらないかもしれません。でも、古から残る物には必ず当時生きていた人達の記録があるの。それを読み解いていくと、ここの場所の歴史、果てには過去の時代がどうなっていたのかが見えてくる
盗賊からしてみたら、ここの遺跡全てが私達にとってお宝の海なのでございます。盗賊をされていたなら、おわかりいただけませんか?お宝の価値を上げるためにお宝を調べようとする事が」
ケニー「.....ふーん、なるほどな。そんなもんなのか」
マリー「ご理解いただけて嬉しいです。それではすみません、少し時間をいただきます」
ミラ「マリーさん、見てください!ここの文書!」
マリー「ん?.....これって」
二人はまた興奮した様子で話し始めた
ロック「んー、まあここら辺はまだ見通しがいい方だよな。山の中よりは木々がないからな」
ケニー「俺は少しこの先にある階段から地下に行ってくる」
ケニーは一人で先に進んでいく
ダバン「じゃあ俺はここに残ってるさ。ロック、お前もケニーと一緒に行ってきてくれ」
ロック「お、俺が?」
ケニー「別に俺一人で充分だ」
ダバン「それはわかってる。でも、バラバラで行動されても合流に困るからチームで動こうって話だ。な?頼む」
ケニー「.....ま、勝手にしろ」
ロック「ん、おっけー。行くか、ケニー。案内よろしくな」
ケニー「ふん」
遺跡 内部
階段を降りると、昔に使われていたのか通路が出来ていた。通路は複数に分かれ、様々な部屋に繋がっている。しかし、いくつかは崩落して行き止まりとなっていた
ロック「へ〜、ボロボロだけど昔は綺麗そうな通路だったんだろうな。で、どこに向かってんだ?」
ケニー「元々使っていた俺の部屋だ。簡単なベッドとここの地図、俺の武器とか置いてある」
ロック「ほ〜、地図があるのはありがたいな。ケニーが書いたのか?」
ケニー「俺がわかるように書いただけだ、期待すんなよ」
ロック「いやいや、こんな広そうな場所だろ?すげえじゃん、ケニー!器用そうだと思ってたんだ!ダバンとは違うな!あいつ、不器用もいいところだもんな。特に手先とか」
ケニー「あいつが不器用?まあ料理とかは出来ねえけど」
ロック「いやいや〜、それだけじゃねえって。あいつ、意外と力強いからよ。訓練用の木の盾とか慎重に扱えって言ってるのにボロボロにして壊してんだ。一人で4個も破壊してよ、ふざけんなって感じだよな〜。はははは」
ケニー「ふっ、馬鹿だな、あいつ」
ロック「だろ〜?今度言っておいてくれよ、もうあれで教えようとすんなって(こいつ、こんな顔で笑うんだ。ダバンと似た笑い方してんな。嫌がっても兄弟ってか)」
ケニー「さて、着いたぜ」
ケニーが通路を曲がると、そこにある小さな部屋には一つの小さなベットと丸められた地図や箱にまとめられた短剣や道具が床に無造作に置いてあった
ロック「こんな場所で暮らしてたのか?」
ケニー「長くいた訳じゃない、身を隠したり雨籠もりするのにちょうどよかったんだ。魔物もなぜかほぼいないしな」
ロック「確かに。なんでこんなに見ないんだろうな」
ケニー「知らね。さて、あいつらの所に戻るか」
ロック「おう。ん?この先は?」
ロックはケニーの部屋より先に続く道を指している
ケニー「なんもねえ大部屋があるだけだ。吹き抜けになってるんだ。下からも着地して入れるぞ」
ロック「着地って....地上からそれなりに下にあるだろ、ここ」
ケニー「んなもん、上手く力を逃がすんだよ」
ロック「簡単に言ってくれるぜ、身体能力の高さは兄貴譲りか」
カラ
ケニー「!」
ケニーは短剣を抜いて奥の方を睨みつけている
ロック「ん、どうした」
ケニー「......なんか、気配がした」
ロック「マジ?」
ロックも奥をじーっと見つめる
ロック「.....何も見えないぞ」
ケニー「.....気のせい、か?まあいい、急いで戻るぞ」
ロック「おう」
階段前
ダバン「ここがケニーの話していた階段か」
ミラ「この通路も形も、使われてる石もやっぱり古代プワチャット王国の物と似ているわ」
マリー「そうですね。これは大変素晴らしい場所ですね、新たな歴史が明るみになるかもしれません」
その時、ロックとケニーが早足で戻ってきた
ロック「お、待たせたか。悪いな」
ダバン「別に大丈夫だ。ん?ケニー、それ地図か?」
ケニー「雑なやつだぞ」
ミラ「それはありがたいわ!見てもいい?」
ケニー「別に読めねえと思うぞ、汚ねえし」
ミラ「ふむ....この、×で書かれてるのは何?」
地図には所々に×が書いてある。先程通った通路にもあるようだ
ケニー「これは俺が仕掛けた罠の場所。落とし穴とかの簡単なやつから、通路に細工した武器が飛び出したりするやつだ」
ダバン「ま、まあ、盗賊だったならやって当然か」
ロック「待て待て待て!じゃあ、なんだ!さっき俺が引っかかってた可能性も!」
ケニー「あぁ、そうだな。何も言わなかったが、俺の隣にいなかったらわざと引っ掛けてやろうかと考えてたんだけどよぅ」
ケニーは悪そうな顔をして笑っている
ロック「こ、こいつぅ!!おい、ダバン!こいつとんでもなく悪いやつだな!」
ダバン「は、はは。まあ大目に見てやってくれ」
マリー「この通路の先には何があるのですか?」
ケニー「俺の簡単な部屋と何も無い大部屋がある程度だ。通路は他にもあるし、いろいろ繋がってるから全部はよく知らねえ。
あ、さっきその大部屋の方向から変な魔物の気配がした。近づくなら気をつけた方がいい」
ミラ「わかったわ、そこには近づかないようにしましょう」
ダバン「それでは、ミラとマリーさんはここから俺達3人と極力離れないようにお願いします」
一時間後
通路をゆっくり進みながら小部屋を調べていると
ダバン「.....なーんかこの先から嫌な気配がするな」
ケニー「だよな。これ以上進むのはやめるか」
マリー「わかりました。収穫は多かったので、今日はここまでにしておきましょう」
全員で小部屋から通路に戻ると
ひゅん、こつん
ロック「ん?石?」
ロックの鎧に小石が飛んできた
ミラ「石?飛んできたんですか?」
ロック「ああ、こっちの方から」
ロックがそう言ったその時
キィイン!!
全員「!!」
進んできた方向の通路の床から茶色の魔法陣が描かれる
ゴゴゴゴゴ
瞬く間に通路が石で塞がれていく
ケニー「な!?」
マリー「通路が!!」
ミラ「そ、それなら今の部屋に!」
ゴゴゴゴゴ
ミラ「きゃっ!」
今入っていた小部屋への道も石で塞がれた
ダバン「.....これは」
ロック「進むしか...ねえってか」
ダバン達に残された道はただ一つ。嫌な気配がする方向、つまり小石が飛んできた方向への道だけだ