激しい揺れが山全体を揺らす。山の上にあった遺跡は崩壊していき崩れていくのが山の下からも見えていた
イレブン「まずい、あの中にダバン達がいるのに。本当に急がないと!!」
イレブンは乗っていた馬を更に早く前のめりになって駆け出した
イレブン「無事だよね、三人とも」
ミラのいる場所
グラグラグラ!!ピシッ!!
ミラ「キャアアアア!!!」
ミラのいる場所だけでなく、上からもどんどん崩れていき岩や柱がどんどん落ちてくる。ミラの立っている足場も大きな亀裂が入り崩れていく
そのまま落ちていくと、視線の先に白煙に包まれたゴーレムも落ちていくのが見えた
ミラ「ゴーレム!!」
ゴーレム「グォォォ.....!」
ゴーレムはゆっくりとした動きでミラへ指さした。すると、落ちてきている岩や柱がいくつかミラに向かっていく
ミラ「嘘!!こんな時になんて!避けられない!!」
バァン!!
ミラ「キャアアア!!」
向かってくる岩にいくつも当たり、ミラの頭や腕から激しい血が出てくる
ドスゥン!!
そのまま地面に岩とともに落ちていく。激しく打ち付けられた痛みでミラは動けなくなっていた
ミラ「う....うう.....」
朦朧とした意識の中でなんとかゴーレムを見る
ゴーレム「グゥゥゥ....ゴー.....レム」
ゴーレムも白煙を纏いながら、なんとか立とうとしているが立ち上がる事が出来なくなっている。周囲にはゴーレムの物と見られる赤い破片や塊がいくつも散らばっている
ミラ「(弱ってる.....今、今なら、どうにか体を動かせれば....)」
ミラはこれまで感じた事のないような程の痛みの中でも、必死に体を動かそうとする
ミラ「!!腕が.....岩に挟まって....」
ミラの腕は落ちてきた岩と岩に挟まり動かせなくなっていた
ミラ「ぐぬぬ、ふん!こんな時に!!今、絶好のチャンスなのに....」
ミラは必死に抜こうとするが痛みで体に上手く力が入らないせいもあり、中々抜けずにいた
ゴーレム「ゴーレム!」
ミラ「はっ!」
振り向くとゴーレムが立ち上がれない四つん這いのまま、腕だけをこちらに向けて大きな岩をくっ付けながら殴りかかろうとしていた
ドスゥゥゥン!!!
ダバン達は
ダバン「ぐ.....揺れが、凄い」
ケニー「これ、ミラは無事なのか!」
崩落による激しい揺れと落ちてくる岩や柱などから、ケニーがダバンとロックを背負ってなんとか必死に避けていた
ダバン「あのゴーレムのせいなのか」
ケニー「うおっと!」
ドスゥン!!!
ケニーの前に大きな柱が落ちてきた。ケニーは寸前で立ち止まり回避した
ダバン「うぐ.....」
突然の動きが傷に響いたのかダバンが苦しそうな表情を浮かべた
ケニー「あ.....ご、ごめん兄貴」
ダバン「いや、平気だ。このくらいまだ耐えられる。ロックもいるのによく避けてくれてるよ。ありがとな、ケニー」
ケニー「だ、だって.....俺には、これくらいしか」
ダバン「こんな時に言うのもあれだが、弟に背負われる日がくるなんてな」
ケニー「本当に今じゃないなその感想!!」
その時
ドスゥゥゥン!!!
二人「!?」
遠くから大きな地響きの音が聞こえてきた
ダバン「ケニー、あっちだ!ミラが危ないかもしれない!」
ケニー「お、おう!兄貴は足回復させてるんだぞ!」
山の中では
山の急な斜面をイレブンが走っていた。しかし、大きな揺れから魔物達も大慌ての様子で山を降りようとしていた
ドラゴン「グオオオオ!!」
イレブン「ごめん、どいて!!」
猛スピードで向かってくるドラゴンの頭を踏みつけてイレブンは高く飛び上がった
イレブン「悪い事何もしてないのにごめん、一掃させてもらうよ!ギガブレイク!!」
イレブンが剣を高く掲げると、バチバチと激しい雷が剣に纏う。そのまま振り下ろして雷と斬撃を魔物の群れに浴びせた
魔物達「ギシャアアアア.....」
斜面を覆い尽くすほどの魔物達は一気に煙に変わり、道が開けた
イレブン「異質な魔物の気配がこの先からする!急げ!!」
ミラは
ミラ「ハァ......ハァ.....」
ミラを取り押さえていた岩達はゴーレムの手によって壊されていた。なんとか寸前で無理矢理抜け出したミラはうずくまるようにその場で丸くなっていた
無理矢理抜け出したせいもあり、片腕が折れ赤く腫れ上がっている
ミラ「(痛い.....痛い.....痛い.....でも、動かないと....動かないと)」
涙を流しながらふらふらとゆっくりとゴーレムに向かっていく
ゴーレムも力を使い動けなくなっているのか、腕を振り下ろした状態で固まっていた
ミラは近くに散らばっている赤い塊を取った
ミラ「ハァ.....ハァ....残念だったわね、ゴーレム......私はまだ動けるわよ!!」
ガァァン!!
ミラは大きな背中に塊を思いっきりぶつけた
ゴーレム「ゴーレム!!!」
ビシッッ!
ゴーレムの背中にヒビが入る
ゴーレムもその痛みに起き上がり、ゆっくりとミラを見つめた
ミラ「まだ、まだ終わってないわよ!!ダバン達のためならまだ私は動けるわよ!!!」
まるで言い聞かせるようにミラは叫んだ。ミラの叫びが遺跡に響く
ゴーレム「ゴーーー!!!!」
ゴーレムも雄叫びをあげると、ゴーレムの体がどんどん元の大きさに戻っていく
あっという間に見上げないといけないほどの巨大なゴーレムへ戻ってしまった
その時
二人「ミラ!!」
ミラ「!?」
後ろからケニー達が走ってやってきた
ケニー「ミラ、酷い怪我だ!」
ダバン「今治療するぞ、ミラ」
ミラ「ダバン、ケニー。って、それどころじゃないわ!ダバン、足は!」
ダバン「.........少しだけなら、動くようになった。立つのがやっとって感じだがな」
ダバンはケニーからゆっくり降りて平気そうに振舞っているがダバンの足は未だに色が変わっており、歪な形になっている。痛みを我慢しているのか苦痛の表情を浮かべて脂汗も出ている
ミラ「無理しないで」
ケニー「ミラもだ!こんなに血も出して腕まで折れてるんだぞ!」
ゴーレム「ゴーレム!!」
三人「!!」
ゴーレムは両手を大きく掲げると三人を潰さんとばかりにどんどん大きくなっていく
ケニー「こ、こんなん避けれねえ!!」
ダバン「俺が!!なんとかする!!」
ダバンは前に立ちはだかると盾を構えた
ミラ「ダメよ、ダバン!!盾で守れるようなサイズじゃないわ!!」
ダバン「盾だけで守るんじゃない!!!俺の全てで守るんだ!!もうこれ以上ミラもケニーもロックも傷つけさせはしない!!!」
ダバンは頭の中でバン達を思い浮かべていた
ダバン「(バン、俺なんかでもお前みたいになれるかな)俺はもう諦めない!!!うおおおおおお!!!」
ダバンが大きく咆哮をあげる。盾がその咆哮に呼応するように光り出す
巨大な光の盾がダバン達を覆うように現れる
ダバン「アイギスの守り!!!」
ドオオオオン!!!
巨大なゴーレムの手を光の盾が受け止めた。周りは衝撃で瓦礫や柱が吹き飛んでいく
ケニー「す、すげえ....」
ダバン「はぁ.....はぁ.....!!」
ダバンが踏ん張った衝撃で足から血が吹き出してくる。痛みだしたのかふらふらとしていると、突然上を見た
ミラ「どうしたの、ダバン」
ダバン「やっときてくれた....!」
ミラ「え?」
ミラの疑問の声と同じくしてゴーレムの上空から大きな雷雲が現れる
ダバン「心からお待ちしてました!!!」
ケニー「すげえ魔力だ.....」
イレブン「ギガデイン!!!」
バチバチバチバチ!!!
ほぼ暗闇だった遺跡が眩い閃光に包まれると共に轟音が鳴り響く
プスプスと黒煙を出しながらボロボロとゴーレムの体が崩れていく
その横にイレブンは降り立った
イレブン「待たせすぎてごめん!!!無事!?」
三人「イレブン様!/王様!」