ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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俺の番

ダバン「よかった.....よかった.....何度もうダメかと思ったか」

 

 

ダバンは涙ぐんで腕で目をこすっている

 

 

イレブン「ダバン、ミラさんも酷い怪我だ。ケニー、ロックは?」

 

 

 

ケニー「あ、ロックは.....あそこに」

 

 

ケニーが静かに指差す先には地面に静かに横たわるロックがいた

 

 

イレブン「!!待って、ちょっと集中」

 

 

イレブンはそっと目を閉じてしばらく黙り込んだ

 

 

ミラ「イレブン様?」

 

 

 

イレブン「.........うん、まだいる。近くをさまよっててくれてる。間に合うね、ザオリク」

 

 

イレブンはロックの体に緑の魔法陣を描きながら優しく祈りを捧げると周囲が光りだし、ロックの近くに聖なる光が集まった

 

 

ロック「......ん....」

 

 

 

ケニー「ロック!!!!」

 

 

 

ダバン「よかった!!!!」

 

 

ロックが身動きした瞬間、二人は飛びついた

 

 

ロック「どぅえ!!?なに、ぐほっ!!!重い重い重い重い、苦しー!!」

 

 

ロックは突然の事態に困惑しながら二人に潰されそうになってジタバタと暴れている

 

 

ミラ「よかったです、ロックさん!!」

 

 

 

ダバン「お前、本当に.....本当に......ありがとな」

 

 

 

イレブン「さて......」

 

 

イレブンはそんなやり取りを優しく微笑みながら見た後、ゴーレムへと振り返る

 

 

ゴーレム「ゴゴゴ.....ゴゴ.....」

 

 

ゴーレムは未だに黒煙を出しているが、ゆっくりと体を元に戻そうとしている

 

 

イレブン「こんなの見た事ない。これが突然変異なのか」

 

 

 

ダバン「イレブン様、これまで得たこいつの情報です。こいつの体はおそらく宝石で出来ていてまともな物理攻撃は効きません。更に言語こそ話せませんが知能も高く、岩や自身の体を自由に操る力を持っています。ゴーレムより目もよく、暗闇でも俺達をはっきり認識出来ています。魔法も扱えるのか俺達を岩の罠にかけ、暗闇の中で閉じ込めました」

 

 

 

イレブン「.....なんてやつだ。信じられない強さをしてる」

 

 

 

ミラ「でも!弱点もあります!まず、暗闇でも私達が見えているということは暗闇に強い目をしているという事。それはつまり、裏を返せば光に弱い。突然の光やイレブン様の雷なんかは目を眩ませる事ができます!あと、鉱石特有の弱点、毒です!毒はあいつの体を溶かします!ダメージも入ります!」

 

 

 

ケニー「それと、あいつの体自身である赤い石や塊なんかで攻撃するとあいつにダメージが入ってヒビが入るぜ!俺達はそれを使ってあいつに攻撃してたんだ!」

 

 

 

イレブン「了解。こんなやつ相手なら逃げ回るだけで充分だったのにずっと戦っていたのか。本当によく頑張ってくれたよ、四人とも」

 

 

 

ケニー「へへ、ミラの知識の力のおかげだ。ミラはすげえ頭いいんだぜ」

 

 

 

ミラ「もう、ケニーってば。あとイレブン様、これは憶測なので確証はありませんが、あいつの操る岩には何やら決まった種類があるみたいです。何かまでは判断できませんでしたが、ここら辺にある瓦礫は操れず、遺跡上層にあった岩や柱は反応しています。

 

 

あと、鉱石特有の弱点はもう一つ。電気を通すという事です。もしかしたら、イレブン様の雷なら大きなダメージをいれられるかも」

 

 

 

全員「!!」

 

 

 

ロック「す、すげえ!!それなら今のイレブン様のギガデインでゴーレムがこんなへにゃへにゃになってんのも頷ける!」

 

 

 

ダバン「流石だ、ミラ」

 

 

 

イレブン「凄い分析能力だね、ミラさん。その頭の良さと判断力は戦闘だととてつもない力を発揮するよ」

 

 

 

ゴーレム「ゴーレム!!!」

 

 

ゴーレムから黒煙が出なくなるとゴーレムはイレブンに指さした

 

 

イレブン達の周囲を囲むように岩があちこちに浮いていく

 

 

イレブン「なるほど。これが岩を操る力、確かに厄介だ」

 

 

 

ダバン「ぐっ、また俺が守れば」

 

 

 

ケニー「ダメだ、兄貴!もう足が動かなくなる!」

 

 

 

ダバン「それくらい!」

 

 

 

イレブン「ダメだ、ダバン。無理しない。まだ精度は高くないけど、やってみるしかないね」

 

 

イレブンは右手に回復魔法の力を纏うと、ダバン達の周りにかざした

 

 

ダバン達の周囲に緑の魔法陣が描かれ、強い癒しの力が包み込まれる

 

 

ミラ「温かい。傷が塞がっていく」

 

 

 

ダバン「ありがとうございます、イレブン様」

 

 

 

ケニー「でも!岩はどうすんだよ!」

 

 

 

ロック「もう来るぞ!」

 

 

 

ゴーレム「ゴーレム!!」

 

 

ビュンビュンビュンビュン!

 

 

全方位から岩が飛んでくる

 

 

イレブン「はあ!」

 

 

イレブンは今度は左手に雷の力を纏い、ダバン達に振り下ろした

 

 

バチバチバチ!

 

 

描かれていた緑の魔法陣が黄緑色に変わり、ダバン達周囲を守るように格子状の雷が落とされた。格子状の雷はそのままダバン達の周りを守っており、更に黄金色のベールを纏っている

 

 

イレブン「雷のゆりかご」

 

 

飛んできた岩は格子に触れると

 

 

バチバチバチバチ!!!

 

 

ボォン!

 

 

岩は触れた瞬間に雷が落ちて粉々になった

 

 

どんどんと飛んでくる岩が雷により粉々になっていく

 

 

ロック「すっげーー!!!すっげーすっげー!!すっげーーーー!」

 

 

 

ケニー「こんな技が....これが、勇者の力」

 

 

 

ミラ「本当に凄いわ.....」

 

 

 

ダバン「味方を回復しながら敵から守る。こんな技があるなんて」

 

 

 

イレブン「休んでて。あとは僕がかたづける」

 

 

イレブンは剣をゴーレムに向ける

 

 

イレブン「アルテマソード!」

 

 

素早く飛び上がると闘気の力を纏った剣を振り下ろす

 

 

ガァァァン!!!!

 

 

鋼鉄を殴ったような激しい音が鳴ったと同時にゴーレムの片腕が切り落とされた

 

 

ドォン!!

 

 

片腕が突然なくなりバランスを崩したゴーレムがそのまま倒れ込む

 

 

イレブン「.......うん、すごい痛い。めちゃくちゃ硬いね」

 

 

イレブンは剣を持っていた手をぶんぶんと振っている

 

 

四人「ええええええええ!!!」

 

 

 

ケニー「斬りやがった!!!普通に斬りやがった!!!」

 

 

 

ロック「イレブン様マジすげーーー!!」

 

 

 

ダバン「は、はははは.....イレブンさんって、見た目に似合わずゴリラ?」

 

 

 

ミラ「こ、こら、ダバン。失礼な事言わないの。あと前の呼び方に戻ってる」

 

 

 

ダバン「やべ、ついうっかり」

 

 

バラバラバラ....

 

 

ゴーレムはバラバラと崩れていき、赤い石が浮き上がっている

 

 

イレブン「倒したのか?」

 

 

 

ミラ「いえ!違います、イレブン様!それは攻撃です!」

 

 

 

イレブン「!」

 

 

ミラがそう叫ぶと同時に赤い石は猛スピードでイレブンに向かっていく

 

 

イレブンが避けた後も背後から再度向かってくる

 

 

イレブン「ん、これは面倒」

 

 

イレブンはなんとか避けながら剣を構える

 

 

イレブン「つるぎのまい!」

 

 

ガァンガァンガァンガァン!!

 

 

その場で剣を持って舞を踊るように飛んでくる岩をたたき落としていく

 

 

ロック「優雅だなー、イレブン様。攻撃技なのになんであんなに余裕そうなんだろ」

 

 

 

ダバン「グレイグ将軍とは違う雰囲気だな」

 

 

何回かたたき落としていくと赤い石は動かなくなった

 

 

イレブン「ふう.........んー、キリがない」

 

 

赤い石がそのまま戻っていくと周囲の岩をくっつけながら再度大きなゴーレムへと戻っていく

 

 

イレブン「ダバン達!ちょっといいかい!また僕ギガデインを唱えたいんだけど、かなり時間かけないと威力が出ないんだ。僕一人だけじゃ悠長に唱えてる時間はないんだよね。誰か時間稼ぎ出来るくらい動ける人いる?」

 

 

 

ダバン「俺が」

 

 

 

ロック「ばっか、ダバン!お前まだ足が折れてるんだぞ!」

 

 

 

ダバン「でも!時間稼ぎくらいなら!」

 

 

 

ミラ「ダメよ、ダバン。これ以上無理して本当に足が動かなくなったらどうするのよ」

 

 

 

ダバン「う.....でも!俺以外に適任は」

 

 

 

ケニー「俺がやる」

 

 

 

ダバン「ケニー」

 

 

 

ケニー「俺がやらなきゃいけないんだ。最初に違和感に気づいたのは俺だったのに結局こんな事になっちまったし、途中も俺が何回も油断したから、ロックも、兄貴も、ミラも......ボロボロになった。怖いからとかもう言ってられない。俺も覚悟を決める。あいつに一泡吹かせてやるんだ」

 

 

 

 

ダバン「ケニー....お前の考えすぎだぞ。そんな事ないって、俺は何度も」

 

 

 

ケニー「研究者の女は、一人でこんな山からユグノアまで戻って王様に救援を出してくれた。ロックは、馬鹿な俺を庇ってくれた。ミラは、知識と勇気で俺達を助けてくれた。......兄貴は、いつも俺を守ってくれていた。あり....がとう。

 

 

 

今度は、俺の番だ!!もう皆はしっかりやるべき事をやってくれた!!だから今度は、俺が皆を守る!!感謝とか後悔とか全部これが終わったらやる!!あとちょっとであいつを倒せるんだろ!!皆であいつを倒すんだ!!倒して家に帰るんだ、皆で!!」

 

 

 

ダバン「ケニー....ぐすっ....」

 

 

 

ロック「うぉぉおおーー!!なんかよくわかんねえけどケニーいいやつだ~」

 

 

 

ミラ「....すんっ....ええ、皆で帰るわよ、ケニー!!」

 

 

 

ケニー「な、何揃って泣いてんだよ!!王様、俺が出ます」

 

 

 

イレブン「.....うん。よろしく頼むね、ケニー」

 

 

イレブンは雷を緩めるとゆっくりケニーが出てきた

 

 

ケニー「王様、俺は時間稼ぎしか出来ない。それに長くもあまり持たない。だから、俺が動けるうちに早くその呪文唱えてくれ。一撃で決めてくれよな」

 

 

 

イレブン「うん、任せて。ケニー、信じてるよ!」

 

 

イレブンはそう言うやいなやすぐに呪文を唱え始めた

 

 

ケニーはそれを確認するとゴーレムに向かっていく

 

 

ゴーレム「ゴーレムー!!!」

 

 

 

 

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