ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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勝者

 

 

ケニー「こいよ、化け物!!お前の相手は俺だ!!」

 

 

ケニーは大きく叫びながらゴーレムへ走っていく

 

 

ケニー「毒が弱点なんだってな!ヴァイパー」

 

 

ケニーは落ちている赤い破片を拾っており、既にナイフの形にしていた

 

 

そのナイフに毒が纏っていく

 

 

ゴーレム「グオオオー!!」

 

 

ゴーレムが真正面から向かってくるケニーに対して大きな腕で薙ぎ払おうとする

 

 

ケニー「もう慣れたぜ!よっと!」

 

 

ケニーはギリギリまで腕を引き付けると、寸前でしゃがんで腕を回避した

 

 

ケニー「ファング!!」

 

 

ガン!!

 

 

ゴーレムの腕にナイフが突き刺さった

 

 

しかし、ゴーレムにダメージが入った様子はない

 

 

ロック「全然効いてないぞ!」

 

 

 

ミラ「少量じゃあの巨体には毒もダメージもないようなものだわ。もっとたくさんあれば」

 

 

 

ケニー「まだまだいくぜ!ヴァイパーファング!」

 

 

ケニーは即座に足下に落ちている赤い破片を拾ってすぐに向かっていく

 

 

今度は足に向かって走っていく

 

 

ゴーレム「ゴーレム!!」

 

 

ゴーレムは踏みつぶそうとしてくる

 

 

ケニー「へっ、余裕だぜ」

 

 

ケニーは軽々避けるとそのまま破片を突き刺した

 

 

ガン!!

 

 

足に刺さって抜けなくなっているがまだダメージがある様子はない

 

 

ゴーレム「ゴーレムー!!」

 

 

ゴーレムはケニーを指さした。すると、周りの岩が激しく回りながらケニーの周囲を浮いていく

 

 

ケニー「なんか回ってんな」

 

 

 

ダバン「これまでと岩の動きが違う!警戒しろよ、ケニー!」

 

 

 

ロック「ケニー、なんとか避けるんだぞ!!」

 

 

シュン!

 

 

回転する岩がケニーに向かってきたが

 

 

ガン!

 

 

ケニー「!?」

 

 

岩はケニーに届かず少し手前の床に落とされた瞬間

 

 

ガァン!!!

 

 

ケニー「がは.....」

 

 

回転していた岩は床の反射で更にスピードと威力を増してケニーに襲いかかった。反応が遅れたケニーの顔に直撃する

 

 

当たった額と目から多量の血が出てくる

 

 

そんなケニーに無数の回る岩が襲いかかる

 

 

ケニー「ちっ!!」

 

 

ケニーはそのまま倒れそうになるがなんとか体勢を持ち直し、飛んでくる岩と反射してくる岩を避けていく

 

 

ミラ「ケニー!!!あんな計算高く岩を操れるなんて!」

 

 

 

ダバン「回転してるせいもあって、ただぶつけられる威力も相当の物だったのにそれよりも更に大きな威力を生み出してる。一瞬で皮膚なんてえぐられるぞ」

 

 

 

ロック「まだこんな大技残してたのかよ!!俺達はもう瀕死だってのに!」

 

 

 

ケニー「いってぇな....くそ....!でも、これくらいじゃ、俺は倒れないぜ!!」

 

 

ケニーは顔に流れてくる血を頭を振って振り落とすと、飛んでくる岩の隙間を縫ってゴーレムに向かっていく

 

 

ケニー「ヴァイパーファング!」

 

 

ケニーは自分に追いついてきた岩を見ずに掴むと、そのままゴーレムの足に再度突き刺した

 

 

ガン!!

 

 

すると

 

 

ピシッッ!!

 

 

ベキベキベキベキ!

 

 

ゴーレムの片足に細かいヒビが入り、崩れていく

 

 

ゴーレム「!!」

 

 

ドォン!!

 

 

ゴーレムはバランスを崩して転倒した

 

 

全員「!?」

 

 

 

ケニー「はっ、甘く見てると痛い目みるぜ」

 

 

ゴーレムの片足からはシュウウと白い煙が出ている

 

 

ミラ「毒だわ!!突き刺した場所からどんどん毒が渡っていって脆くなって足が崩れた!!まさか、ケニー.....計算してこれを.....?」

 

 

 

ダバン「す、すげえな.....。毒が弱点なんてさっき初めて知ったのに、こんな事考えられるなんて」

 

 

 

ロック「ダバンより頭良くね?ぐえっ」

 

 

 

ダバン「おーー、そうだなーー。俺は馬鹿だからなーー」

 

 

ダバンは額に青筋を浮かべてロックの首を絞めている

 

 

ロック「ご、ごべ....ギブギブ。つい本当の事を口にして、がっ.....まっでだばんざま、じぬじぬじぬ.....」

 

 

 

ダバン「ちっ」

 

 

 

ミラ「でも、ケニーは何も持ってないのに毒なんてどこに持って.....!?ダバン、ケニーの手見て!」

 

 

 

ダバン「ん?.....あいつ!自分の手に毒を塗っているのか!!」

 

 

ケニーの片手はゴーレムと同じ白い煙を立てている。直接皮膚に塗ってあるせいで、毒が皮膚を溶かしている

 

 

ダバン「馬鹿野郎、ケニー!!お前そんな事したら手が動かなくなるぞ!!」

 

 

 

ケニー「今生き残るにはもうこれしかない。うやむや言ってやれるか。ヴァイパーファング!」

 

 

ケニーは倒れているゴーレムの体にどんどん破片を突き刺していく

 

 

片腕や胴体の一部もその度に崩れていく

 

 

ロック「で、でも、なんかこのまま倒せそうじゃねえか!?」

 

 

 

ミラ「え、ええ、いけるかも!」

 

 

 

ダバン「(反撃してこないのか?いや、それだけの体力もあっちにはもう.....)!!?逃げろケニー!!!」

 

 

ダバンがなにかに気づき大きな叫び声をあげた

 

 

ケニー「え」

 

 

ケニーがその声に反応してその場から飛び退こうとすると

 

 

ガシ

 

 

ケニー「な!?」

 

 

ゴーレムの体から崩れていったはずの腕が再度動いており、周囲にある大量の破片に紛れて見えなくなっていた。その腕がケニーの足を掴んだ

 

 

ゴーレム「ゴーレムー!!!」

 

 

 

ケニー「うおおおお!!?」

 

 

ゴーレムは突然動き出し、ケニーを掴んだまま手繰り寄せた。ケニーは転んで床に引きずられていく

 

 

ゴーレム「ゴーレム!!!」

 

 

ゴーレムはケニーをぶんぶんと振り回した後床に思いっきり叩きつけた

 

 

バアアアン!!!

 

 

ケニー「がっ.......」

 

 

ケニーの体から勢いよく血が飛び散る

 

 

ゴーレム「ゴーレム!!!!」

 

 

ゴーレムは止まらず、そのままケニーを掴んだまま何度もケニーを床に叩きつける

 

 

 

バアアアン!!!

 

 

バアアアン!!!

 

 

バアアアン!!!

 

 

バアアアン!!!

 

 

 

ダバン「やめろおおおおお!!!!!!」

 

 

 

ミラ「いやああああ!!!!!」

 

 

 

ロック「ケニーーーー!!!!!」

 

 

 

ダバン「イレブン様!!!!!!ここから出してください!!!!!ケニーが死んじまう!!!!!」

 

 

ダバンは涙を流して格子状の雷を掴んだり叩いたりするがビクともしない

 

 

イレブン「~~~~~」

 

 

イレブンは額に汗をかきながら真っ直ぐにゴーレムを見つめて呪文を唱えている

 

 

ゴーレムの真上にはどんどん大きな雷雲が出来上がってきている

 

 

ダバン「イレブン様!!!!!」

 

 

 

ゴーレム「ゴー......」

 

 

声も出なくなったケニーに気づいたのか攻撃がやんだ。ケニーを掴んだまま頭上にかがげて様子を見ている

 

 

ミラ「ケニー!!!」

 

 

ケニーは身体中が血だらけになり、腕や片足も折れており、生きているかどうかすらわからないほどになっていた

 

 

ダバン「もういい、ケニー!!!!戻ってこい!!!」

 

 

 

ケニー「.......へ......へ......あにき......まだ......おれは」

 

 

 

ロック「ケニー!!まだ生きて.....」

 

 

 

ケニー「いま......さいこうに......いい....とこなん.....だ.....」

 

 

ケニーはそう言うと

 

 

ケニー「ぐっ!!」

 

 

バキン!!

 

 

掴まれていた足を自分から関節を曲げてへし折った。すると、ゴーレムの巨大な手の隙間からケニーが落ちていく

 

 

ゴーレム「!?」

 

 

 

ケニー「油断したな!!!」

 

 

 

ケニー「サプライズラッシュ!」

 

 

ケニーが床に叩きつけられた時に取っていた塊をゴーレムの頭にぶつける

 

 

ゴオオオン!!

 

 

ゴーレムと一緒にケニーも倒れていく

 

 

ドサァ

 

 

ケニーはゆっくりと立ち上がりゴーレムに近づく

 

 

ケニー「お前の......じゃくてん......ここだろ!......オネロスハント!」

 

 

ケニーは片腕で赤い破片に白い闘気の力を纏って、倒れているゴーレムの胴体の中央に突き刺した

 

 

パリィィィン!!!

 

 

綺麗に中央付近が割れると赤いキラキラした塊かドクドクと動いている

 

 

ケニー「今だ、王様!!!魔法を打て!!!」

 

 

 

イレブン「最高だよ、ケニー!!離れてて!!!ギガデイン!!!!」

 

 

ゴーレムの頭上に出来た巨大な雷雲から凄まじい雷がゴーレムに落とされる。轟音と共に眩い光が遺跡内部を覆う

 

 

ドゴオオオオオン!!!!!

 

 

鼓膜が破けるような激しい雷の音が響く。ケニー達は耳と目を塞いでもなお、目と耳がやられかける

 

 

なんとか目を開けると

 

 

シュウウウゥゥゥ.....

 

 

ゴーレムは煙をあげてボロボロと砂になって消えていった

 

 

ケニー「.........かった.......勝った、勝ったぞーーー!!!!!うおおおおおおお!!!」

 

 

ケニーは雄叫びをあげながら笑顔でダバン達の元へなんとか走っていく

 

 

ケニー「兄貴!!ミラ!!ロック!!」

 

 

 

ダバン「馬鹿野郎が!!!!!」

 

 

 

ケニー「え」

 

 

ケニーがダバンに抱きつこうとすると、ダバンは怒鳴り声をあげた

 

 

ケニー「な、なんだよ.....兄貴。俺、あいつを」

 

 

 

ダバン「そんなのどうだっていい!!!お前.....どんだけこっちが心配したと思ってるんだ!!!!」

 

 

 

ケニー「兄貴.....」

 

 

ダバンは泣きながらケニーを見た

 

 

ダバン「もうあんな姿を見せるな。俺には.....生きた心地がしなかったんだぞ....」

 

 

ダバンは止まらない涙を腕で拭っている

 

 

ケニー「........ごめん、兄貴」

 

 

 

イレブン「さっ、入って、ケニー。君も傷を癒さなきゃ」

 

 

イレブンがケニーの背中を押してダバン達の中に入れた

 

 

ケニー「うっ.....ここにいると身体中が熱い.....」

 

 

ロック「そりゃそんなボッロボロだもんな、当たり前だぜ。でも本当によくやったぜ、ケニー!!俺はお前が誇らしい!!」

 

 

ロックは笑顔でケニーの頭をがしがしと撫でている

 

 

ケニー「いてえいてえ!怪我人にはもうちょっと優しくしろよな!」

 

 

 

ミラ「私達、生きてるのね」

 

 

 

ケニー「......ああ」

 

 

 

ミラ「ありがとう、ケニー」

 

 

 

ケニー「ミラこそありがとな、すげえ助けられた」

 

 

 

ミラ「ふふふ、どういたしまして。.......ほら、ダバン、そろそろ泣き止んで」

 

 

 

ダバン「だって.....だってよう.....」

 

 

 

ケニー「やれやれ、これじゃどっちが泣き虫なんだか」

 

 

ケニーが苦笑いしながらふとイレブンを見ると

 

 

イレブン「............」

 

 

 

ケニー「王様?」

 

 

イレブンは青ざめた顔で遺跡から覗く空を見つめていた

 

 

ロック「どうかしました?イレブン様」

 

 

 

ミラ「なにか上に?」

 

 

 

ダバン「?.........!!!?」

 

 

ダバンもなにかに気づいたようにハッとした顔で空を見た

 

 

ミラ「え、ダバンまで」

 

 

 

ケニー「待て........あいつは確実に倒したはず。なら、この感じた事のないプレッシャーは......」

 

 

ケニーも顔がどんどん青ざめていく

 

 

ロック「なんだよ、なんだよ!一体何が起こってんだって!」

 

 

 

イレブン「くる」

 

 

イレブンが静かにそう呟くと同時にその場を急いで離れる

 

 

その瞬間

 

 

ドォン!!ドォン!!

 

 

二人「!?」

 

 

イレブンのいた場所に何かが落ちてくる

 

 

ミラとロックがびっくりした様子でそこを見た瞬間

 

 

パリィィン!!

 

 

二人「危ない!!!」

 

 

ダバン達を覆っていた格子状の雷と魔法陣も一瞬で割れ、何かが落ちてくる。ダバンとケニーはミラとロックを急いで連れてその場を離れた

 

 

イレブン「ライデイン!」

 

 

避けたイレブンは即座に指に雷の力を宿すとそのまま上空に向かって撃ち放った

 

 

雷が上空に向かって見えなくなると、遺跡を覆っていた謎の気配も消え去った

 

 

イレブン「.......消えた」

 

 

 

ダバン「なんだったんですか、今の.....って、イレブン様!?」

 

 

 

イレブン「!?」

 

 

イレブンの周囲に落ちてきた物が光り出していた

 

 

それに気づいた瞬間

 

 

ボオン!!!

 

 

イレブンの周囲に大きな爆発が引き起こる。それと共にダバン達の元に落ちてきた物も爆発した

 

 

ケニー「これは....イオの魔法!!」

 

 

 

ダバン「時限式!?そんなの見た事ない!」

 

 

 

ロック「イレブン様大丈夫ですか!?」

 

 

煙が晴れると鋼鉄になったイレブンが現れた

 

 

ミラ「きゃっ、イレブン様が石像に」

 

 

パリィィン

 

 

イレブン「大丈夫、アストロンで防いだよ。ゆりかごもあんなにたやすく壊されちゃうなんて.....何者だ」

 

 

 

ダバン「......何かが起ころうとしているのか」

 

 

 

ケニー「ん?」

 

 

ケニーはふとゴーレムのいた場所を見るとなにかに気づいた

 

 

ケニー「これ.....防具か?」

 

 

赤い瓦礫の中から大きな鎧が出てきた。赤と金を基調としており、マントも付いている。ボロボロになっていたりはせずに新しい雰囲気である

 

 

ダバン「鎧だな、なんでいきなり?」

 

 

すると、突然鎧が光り出した

 

 

二人「!?」

 

 

どこかから声が聞こえてくる

 

 

???「そなた達の大いなる勇気と力に感謝を述べよう。それは遥かなる時であり、生きとし生けるものであり、大地そのものである。そしてその身を覆いつくす鎧こそがまた大いなる大地とならん。この鎧を授ける」

 

 

声は聞こえなくなった

 

 

二人はキョロキョロと周りを見渡す

 

 

ケニー「今のなんだ?」

 

 

 

ダバン「俺にもわからない」

 

 

 

ミラ「なに?また何かあったの?突然キョロキョロして」

 

 

 

イレブン「僕にも何もわからなかったけど」

 

 

 

ケニー「え!?皆聞こえたんじゃないのか!今の声!」

 

 

 

ロック「声?」

 

 

 

ケニー「この鎧が喋ったのか?」

 

 

 

ダバン「まさか。でも、なんで俺達に?」

 

 

 

イレブン「ふーん?とりあえずそれも持ってきて、調べないと。あとあまり長くここにいても仕方ない、ルーラですぐにユグノアに戻ろう。全員治療しないとだからね。ルーラ!」

 

 

 

 

 

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