その夜、キャンプ場
夕飯を食べ終えて、各々自由に過ごしていた
マルティナは一人でガラッシュの村の方を見つめている
マルティナ「........」
ベロニカ「マルティナさん、村の方ずっと気にしてるわね」
ロウ「ラースが心配なのじゃろう。一瞬で全てを失ったラースと、16年前のあの日の自分に少し重ねておるのじゃろう。それに、石碑に村の者達の名を全員書いておったな。あのつらさや気持ちはわしにもよくわかるからの」
ロウもマルティナを見て少し俯きながら呟いた
カミュ「....なあ、少し聞いてもいいか?」
ロウ「どうしたんじゃ?」
カミュ「じいさん達やラースは過去に面識があったみたいだが、どうやって出会ったんだ?」
マルティナ「ああ。それは5年ほど前にね、私が旅の最中に風邪をひいてしまったの。その時に運悪く、魔物に囲まれてしまってね」
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ここから回想シーンです
マルティナとロウの周りには数体の魔物が二人を囲んでいた
マルティナ「はぁ....はぁ....」
マルティナは息をきらし、ダルそうにしている
その顔はどこか熱を帯びているように少し赤くなっている
ロウ「姫よ、その体で無理してはならん」
マルティナ「ですがロウ様、今は囲まれております。そんな事を言っている場合ではないでしょう」
魔物「ギィィ!」
一匹の魔物がマルティナに飛びかかった
マルティナ「来なさい!」
その時、マルティナ達の後ろから声が聞こえてきた
???「旅の方!伏せてください!」
二人「!!!」
ロウとマルティナは驚きながらも言われた通りに身を屈めた
魔物「ギィ!?」
飛びかかった魔物はしゃがんだおかげでマルティナを通り越していった
???「イオラ!」
マルティナ達の周囲にオレンジ色の魔法陣が描かれ、魔法陣が光ると一斉に爆発が巻き起こる
ドオオン!
???「パワフルスロー!」
その爆発の直後、円を描くように勢いよくブーメランが飛んでくる
ザクッ!
魔物達「ガァァ......」ジュワ~
ブーメランは的確に敵を切り裂いていった
魔物は全員いなくなり、少し後ろの方から先程のブーメランを持った焦げ茶色の髪をした青年が歩いてきた
???「大丈夫か?急にすまねえな」
その青年はブーメランについた血を払いながらロウ達に声をかけてきた
ロウ「いや、助かったぞ、ありがとのう」
マルティナ「ありがとう。あなたも旅の人かしら?」
???「ああ、そうだ。無事で何よりだな....ん?君、顔が赤くないか?風邪か?」
ロウ「そうじゃ、姫よ。お主は休んでおれ」
マルティナ「いえ、私は平気ですよ」
疑問に思った青年はマルティナの額に手を当てる
???「ちょっと失礼。....おいおい、かなり熱いじゃないか。動いたら悪化するばかりだぞ。
ちょっと待ってな。この近くに聖水をまいて魔物がよらないようにしてくる。それと、少し先に行ったところに川があるからそこで水も持ってくる。じいさんはその子を見といてくれ」
そう言い残し、青年は走っていく
マルティナ「あ、ちょっと!」
マルティナは青年を呼び止めようとするが、青年は既に遠くに走っていってしまった
ロウ「姫よ、今は彼の言う通りゆっくりしておるのじゃ」
マルティナ「....わかりました」
ロウにも言われ、マルティナは渋々座る事にした
数分後
青年はタオルを持って戻ってきた
???「戻った。大丈夫か?」
ロウ「おお、わざわざすまんのう」
???「いや、平気だ。タオルを濡らしてきたから、これを額に当てて冷やした後、結べるヒモで軽く縛っておこう。体温を下げれば少しは楽になるはずだ」
マルティナ「ありがとう。そう言えば、あなたの名前まだ聞いてなかったわね」
ラース「あ、すまねえ。名乗るのが遅れたな。
俺の名前はラースっていうんだ。各地を旅してる、よろしくな」
ラースは申し訳なさそうに述べた
マルティナ「ラースね、よろしく。私の名前はマルティナよ」
ロウ「わしはロウという。じいさんでも構わんよ」
二人は笑顔で自己紹介をした
ラース「.....よろしくな、2人とも」
ラースは数秒固まった後、何事もなかったかのように返事をした