ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

63 / 589
63.シルビアとゴリアテ

プチャラオ村高台

 

 

 

イレブンが向かうとシルビアは一人で遠くを見つめていた

 

 

 

シルビア「話し合わなくちゃ伝わらない.....か。

 

 

 

.....!?イレブンちゃん!いつの間にそこにいたの?あの親子、再会できて本当によかったわね。

 

 

 

だけど......失われた命や人々は帰ってこない。ねえ、イレブンちゃん。魔王ウルノーガは世界を滅亡させるほどの強大な力を持っていたわ。あの力を前にしても、やっぱり戦うというの?」

 

 

 

 

イレブン「うん。僕らは魔王なんかに負けない。この世界を守るために、もう一度戦うんだ」

 

 

 

 

シルビア「やっぱりイレブンちゃんは勇者ね。世界に笑顔を取り戻す!なんて言って世助けパレードを始めたけど、魔王を倒さなくちゃ本当の笑顔は訪れない。

 

 

 

だからアタシ、イレブンちゃんの旅にもう一度ついて行くわ!だけど、その前にお願いがあるの。アタシはウルノーガと戦って命を落としても構わないわ。

 

 

 

だけど、パレードの皆は巻き込めない。だから皆を信頼できる人の所に預けたいんだけど、実は一人だけ当てがあるの。

 

 

 

でもその人ホンットにおっかなくて一人で会うのは心細いの。だからお願い。イレブンちゃん、ついてきてくれない?」

 

 

 

 

イレブン「うん、いいよ。それなら一緒にお願いしに行こうか」

 

 

 

 

シルビア「ありがとう!それじゃあパレードの皆に伝えに行きましょう」

 

 

 

プチャラオ村 入り口

 

 

 

パレードA「何かしら、オネエさま。大事な発表って」

 

 

 

パレードB「きっと大事な事なのよ。ドキドキするけど」

 

 

 

パレードの全員が集まり、シルビアの発表を待ちわびていた

 

 

 

シルビア「はーい!みんな〜聞いて〜。

 

 

 

アタシ、パレードやめる!」

 

 

 

 

パレード達「えええええ!!」

 

 

 

シルビアのその発言にナカマのパレードの人達も驚いている

 

 

 

シルビア「だけど安心して。魔王ちゃんをやっつけるまでの間よ。倒したら、絶対に皆のもとに戻ってくるわ」

 

 

 

ガヤガヤガヤ

 

 

 

全員はどうしようなど不安そうな声をあげて騒いでいる

 

 

 

その時、一人が決心したように叫んだ

 

 

 

パレードA「.....アタシ、オネエさまを応援する!みんなの笑顔を奪う魔王ちゃんなんて絶対に許せないもの!」

 

 

 

 

パレード「アタシも応援するわ!オネエさまと離れるのは寂しいけど、魔王ちゃんを倒すなんてオネエさまにしかできないもの!」

 

 

 

不安そうだった声はいつしか応援する声へと変わり、どんどんシルビアを応援する声が上がっていく

 

 

 

シルビア「そう。世界に笑顔を取り戻すためよ。だから、それまでの間アタシのパパがいるソルティコって町で待っていてほしいの」

 

 

 

 

グレイグ「......パパ?......ソルティコ?」

 

 

 

グレイグは何かを思いついたのかシルビアに近づいて顔を覗いた

 

 

 

グレイグ「......貴様まさかとは思うが、ゴリアテか?」

 

 

 

 

シルビア「うふふ、やっと気づいたのね。いつ気づくかずっと待ってたのよ、グ・レ・イ・グ」

 

 

 

シルビアはグレイグの問いにウインクで返した

 

 

 

グレイグ「な!!?」

 

 

 

グレイグはかなりのショックを受けたようで驚いたまま固まってしまった

 

 

 

イレブン「え?ゴリアテ?誰?」

 

 

 

 

シルビア「それじゃあソルティコヘむけてしゅぱ〜つ!」

 

 

 

シルビアはそんな事を気にした様子もなく進んでいく

 

 

 

イレブン「だ、大丈夫?グレイグ」

 

 

 

 

グレイグ「な.....何て事だ。あの生真面目なゴリアテが、あんな姿に。さぞ、ジエーゴ殿はお怒りになるに違いない。おお、イレブン、すまない。あまりにもショックだったもので取り乱してしまった。

 

 

 

ヤツの本当の名はゴリアテ。剣の達人とうたわれる、ソルティコの名門騎士の跡継ぎだ。

 

 

 

ヤツは幼少から父上のジエーゴ殿に鍛えられていたから、さぞ立派な騎士になると思っていた。ところがある時、理由はわからないがジエーゴ殿と凄まじい大げんかをして、町を飛び出していったのだ。それきり行方はわからなかったが....

 

 

 

丁度いい、私もジエーゴ殿にお会いしたかったのだ。このままソルティコヘ向かおう」

 

 

 

ソルティコの町

 

 

 

シルビアは懐かしそうな、どこか苦しそうな顔でソルティコを見ている

 

 

 

シルビア「不思議なものね。この町には二度とくるまいと思ってたのに、まさかこんな風に帰ってくるなんて。心の準備をしたいから、イレブンちゃんはパパのお屋敷に先に行ってて」

 

 

 

ジエーゴの屋敷

 

 

 

グレイグ「師匠、グレイグでございます。久方ぶりです」

 

 

 

部屋に入ると中年くらいの男性がベッドに座っていた

 

 

 

頭には怪我のような跡がある

 

 

 

ジエーゴ「おうおう、グレイグじゃねえか。てめえが修行を終えて旅立ってからもう数十年か。近くに来てツラ見せろい。

 

 

 

......てめえの活躍は聞いてるぜ。図体でかいだけが取り柄だったお前が今やデルカダールの英雄様だ、ハハッ!」

 

 

 

師匠と呼ばれたジエーゴという男性は乱雑な言葉遣いだが、グレイグの来訪に喜んでいるようだ

 

 

 

グレイグ「思ったよりお元気そうで何よりです。師匠の元で騎士道を教わっていなければ、今の私はありえなかったでしょう。

 

 

 

.....ここを旅立ってから色々な事がありました。16年前のユグノアの悲劇に始まり、先日の大樹の落下、そして今や魔王が....。

 

 

 

そういえばあいつはどうしたのだ。俺は師匠と話しているから、イレブン、様子を見てきてくれ」

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。