ネルセンの宿屋
イレブン「ふう、ネルセンの宿屋についたね」
シルビア「それじゃあ夢というのも気になるし休みましょうか。もし、何かみれたら明日報告してね」
夢
男がそこにいる。周りには青い炎があがっている
???「ああ、くちおしい。後悔という名の鎖がこの身を縛りつける。私は何もできなかった無力な存在。もしあの日に戻れるのなら、地獄の業火に焼かれても構わない。ああ、くちおしい、くちおしい」
今度は男とは別の女性の声が聞こえてきた
.....誰か私の願いを受け止めて。あの人を暗い絶望の闇から解き放って。私の声よ、どうか誰かに届いて。お願い
朝
ロウ「ふむ。それでは噂通り、皆が同じ夢を見たようじゃな。くちおしいと嘆く戦士の夢を」
シルビア「何だか必死に助けを求めてたわね。できれば手を貸してあげたいけど、手がかり無しじゃお手上げだわ」
ロウ「あの戦士の甲冑に描かれた紋章は、間違いなくユグノアのものじゃった。そういえば、世界が闇に覆われてからユグノアがどうなったかも気になる。少し様子を見にいかんか?」
イレブン「そうだね、ユグノア城に行ってみようか」
ユグノア城 跡地
ここにも黒く焼け落ちた岩や木が落ちており、前よりも更に酷い荒れ方となってしまった
ロウ「この場所は元々崩壊しておったが、さらに酷い有様になってしまったのう。たしかこのあたりじゃったかのう。すまんが、このガレキをどかしてもらえんか?」
イレブン「わかった、ちょっと待っててね」
ガレキをいくつかどかしていくと階段があらわれた
ロウ「これは地下通路への入り口。ユグノアに何か危機が訪れた時に、城の外へ逃げるための道じゃ。わしの読みが正しければ、この先に夢で見た戦士の手がかりがある」
地下通路 奥地
そこには夢と同じ姿の戦士がいた
???「おのれ、またやってきたのか。邪悪なる魔の者達よ。貴様ら魔族のせいで、私は全てを失ったのだ!許さんぞ!」
謎の戦士は剣を抜いて今にも襲いかかってきそうである
ロウ「この戦士はやはり!.....イレブン、あの戦士を宥めるのじゃ。あの戦士と話がしたい」
イレブン「わかった。気をつけていこう」
嘆きの戦士があらわれた
シルビア「グレイグ!バイキルト!」
シルビアはグレイグの体に緑の魔法陣を描くと、グレイグ全体が緑色のオーラに包まれ、グレイグの筋肉がかなり増大する
イレブン「はやぶさ斬り!」
イレブンが戦士に向かって攻撃を仕掛ける
戦士「はっ!」
キンッ!ゲシッ!
イレブン「!!」
戦士はいとも簡単にイレブンの攻撃を受け止めると同時に蹴りをイレブンに入れてイレブンを押し戻した
戦士「ダークブレイク!」
戦士はそのまま闇の力を纏った剣で薙ぎ払ってきた
全員「ぐっ!」
戦士「許さんぞ!」
戦士は手から黒い球を作り出すとグレイグに向かって投げつけてきた
グレイグ「くっ!これは呪いか!」
グレイグは全身が呪われた影響で、筋肉が固まり上手く体が動かせなくなった
グレイグ「全身全霊斬り!」
なんとか意地で攻撃を仕掛ける
戦士「はっ!」
ガン!
グレイグ「ぐうっ!」
しかし、戦士には通用せず逆にカウンターとして脇腹に剣を叩き込まれる
ロウ「グレイグよ、おはらいじゃ」
ロウはグレイグの体に聖なる力をかけて呪いをはらった
グレイグ「ありがとうございます、ロウ様。あの戦士、かなりの剣の腕前をしております」
イレブン「みたいだね。油断してると本当に危ないや」
シルビア「イレブンちゃん!バイキルト!」
シルビアはイレブンの体に緑の魔法陣を描くと、イレブン全体が緑色のオーラに包まれ、イレブンの筋肉がかなり増大する
イレブン「ありがとう、シルビア!はやぶさ斬り!」
イレブンはパワーアップした攻撃で再び戦士に攻撃を仕掛ける
ガキン!
戦士「ぬ.....」
イレブン「やあ!」
カァン!
戦士とイレブンは力比べの結果、イレブンが戦士の剣を弾き飛ばした
戦士「ビッグバン!うおおお!」
戦士は呪いの力を凝縮させ、イレブン達全体で爆発させた
全員「グアアア!」
全員の体が呪われ、上手く体が動かせなくなった
シルビア「まずいわ!全員動けなくなっちゃう!」
ロウ「わしが祓おう!頼んだぞ、グレイグよ。おはらいじゃ!」
ロウはなんとかグレイグの体に聖なる力をかけて呪いをはらった
グレイグ「ありがとうございます、ロウ様。ここは俺が!」
グレイグが戦士の前に出る
グレイグ「うおおおお!」
グレイグが連続で大剣で攻撃を繰り出していく
戦士「ふんっ!やあっ!はっ!」
キン!ガン!キン!
激しい打ち合いが続く
グレイグ「!ここだ!全身全霊斬り!」
グレイグが一瞬の隙を突いて、戦士の体に全力で肩から腰にかけて切り裂いた
戦士「うう.......。くちおしい、くちおしいぞ。よくもエレノアとイレブンを。ゆるさぬ、許さぬぞ!」
戦士は膝をついた。その戦士からはイレブンとイレブンの母であるエレノアの名前が出てきた
イレブン「え......?僕と、母さんを知ってる?」
ロウ「やはりそうか。お主はアーウィンじゃな。アーウィンは、このユグノアの王であった男じゃ。それと同時に、勇敢なるユグノアの戦士でもあった。そしてイレブン、お主の父親でもある。まさかこんな形で再会するとは思わなかった。
アーウィンよ、なぜお主はこのような姿になってしまったのだ。わしによく顔を見せておくれ。......なっ!これは一体!」
ロウが被っている兜を取るとそこには顔はなく、黒く渦巻いている
その時、どこからか夢の中でも聞いた女性の声が聞こえてきた
???「ああ、ついに来てくれた。彼を救ってくれる人が現れるのをずっとお待ちしていました。
あなた方のおっしゃる通り、この方はユグノア王国を治めていたアーウィン王です。16年前ユグノアを襲った悲劇の時、彼は闇に怯む事なく戦い抜き、正義の光を胸に立派に王国を守りました。
しかし、今やその光は失せてしまった。今の彼は生きることも死ぬこともできない、悪夢を彷徨う悲しい屍。
どうかお願いします。暗く悲しい悪夢から彼を解放してあげて。彼の絶望に、光を照らしてあげてください」
イレブン「おじいちゃん、僕がやってみる。父さんを助けてみせる」
イレブンは顔を覗き込んだ
すると、イレブンは黒く渦巻く場所に意識が飛ばされていく
???「ケファファファ、また餌がきた。さあ、我が絶望の中に落ちてくるがいい。極上の悪夢を見せてやろう」
何者かの怪しい声がイレブンの頭に僅かに聞こえた
ユグノア城
イレブン「ここは.....?あれは父さん?」
イレブンは気づくとお城の中にいた。周りからイレブンは見えていないようだ
男性「アーウィン王!イレブン様の誕生おめでとうございます!」
アーウィン「ありがとう」
イレブン「ここは、僕が生まれた日なのか」
アーウィン「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。本日は、我が国ユグノアにとっても大切な日。祝杯の宴をどうか楽しんでください」
エレノアの部屋
イレブンが静かに部屋に入ると、そこには実の母であるエレノアと子どものマルティナと産まれたばかりの赤ちゃんであるイレブンがいた
子マルティナ「赤ちゃんってこんなに小さいのね。ちょっと触ったら壊れちゃいそう。エレノア様、イレブンに触ってもいい?」
マルティナは興味深々でイレブンを見ている。マルティナが優しくイレブンに触ると、イレブンはマルティナの指をふんわりと掴んだ
エレノア「ふふ。この子ったらマルティナの事好きみたいね。遊んでほしいって言ってるわ。イレブンは勇者として生を受けた希望の子。この子が大きくなったら、いかなる困難も乗り越える、力強く逞しい子になってほしいわ」
子マルティナ「エレノア様に似たら皆に優しい子になるわね、きっと!あ、アーウィン様!」
扉の前で見ていたイレブンの後ろにはアーウィンがやってきていた。アーウィンは立っているイレブンを通り抜けてエレノア達の前にやってきた
アーウィン「さあ、エレノア。もうすぐ四大国会議が始まるよ。イレブンをこちらに」
外は雨が降り始め、雷も落ちている
エレノア「こんな特別な日に急にこんな天気になるなんて。それに私、さっきから妙な胸騒ぎがして」
アーウィン「エレノア、安心してくれ。何があっても、君とイレブンは私が守るから心配いらないよ」
四大国会議中
バタン!
兵士「王様方!お逃げください!数えきれない魔物達が!」
兵士が王様達に緊急事態を知らせるが、既に城内には多くの魔物が侵入していた
デルカダール王「くっ!何という事だ!そなたはイレブンとエレノアを連れて城の外に逃げろ!ここは私とロウが引き受けた!」
デルカダール王とロウはアーウィンとイレブンを部屋から出して魔物の気を自分達に惹きつけた
アーウィン「ありがとうございます、デルカダール王!」
エレノア「あなた!ああよかった!窓から魔物の大群が見えてあなたとイレブンが心配で」
エレノアとマルティナもなんとかここまで逃げてきていた
アーウィン「あまり話している時間はない。早くここから出よう。君とイレブンは私が何があっても助ける」
地下通路
アーウィン「さあ!早く逃げろ!追ってはここで私が何とかする!」
アーウィンは外に出る扉の前でエレノア達を逃すと、自分はその場に残り追ってを倒すために剣を抜いた
アーウィン「さあ、忌々しい魔物達め!覚悟しろ!」
その後、アーウィンが魔物達を倒すと
デルカダール王「マルティナ!!ここにもいないのか?マルティナ!」
デルカダール王が焦った声でマルティナを探している声が聞こえてきた
アーウィン「デルカダール王、そうか。マルティナはエレノアと共に逃げた。伝えなければ」
デルカダール王「ぐはっ!」
ドサァ
アーウィン「デルカダール王!?おのれ、お前は一体何者だ!」
デルカダール王は突然倒れ、アーウィンが発見するとその側には謎の魔物が立っていた
ウルノーガ「フフフ」
ウルノーガはデルカダール王の中に入っていく
その後、すぐにデルカダール王が目を覚ました
アーウィン「デルカダール王!ご無事でよかった!うぐ!一体何を....」
ドサ
デルカダール王は近づいてきたアーウィンを剣で貫いた
デルカダール王「フフフフフ」
若グレイグ「デルカダール王!いらっしゃいますか!これは!?」
その時、まだ若いグレイグがデルカダール王を探しにやってくるとアーウィンが倒れている事に驚いている
デルカダール王「アーウィンは魔物に取り憑かれ、私に襲いかかってきたのだ。私は仕方なくこの手でアーウィンを........。やはり、勇者という光が闇を引き寄せたのだ。
勇者イレブンがいなければこんな事にはならなかった!イレブンはこの世界に光をもたらす希望の子ではない。災いを呼ぶ悪魔の子だ!
悪魔の子を生かしておくわけにはいかない!草木をわけても探し出せ!」
デルカダール王はグレイグと共に去っていった
アーウィン「く.....ちが.....イレブンは悪魔の子なんかじゃ.....すまない、エレノア、不甲斐ない私を許してくれ」
アーウィンは誰にも聞こえないようなか細い声を出した
???
謎の空間にイレブンは侵入しており、そこでは魔物が今の光景をムシャムシャと食べている
バクーモス「ゲファファファ、うまいうまい。我が名はバクーモス。絶望を喰らうもの。国は滅び、愛する家族とは死に別れ、この男の絶望はまさに高級フルコース。一度食べたら忘れられぬ。16年間こいつの絶望を食べたが、そろそろ違う味も試したかったところだ。
さあ、お前の新鮮な絶望をいただくとしよう。これは、お前の記憶の中にある最も忌まわしい記憶」
バクーモスが目を光らせると、イレブンの頭の中にあの時の大樹の光景が浮かび上がる
バクーモス「お前は勇者の力を奪われ、魔王を誕生させてしまった。だから世界は滅びたのだ。お前は誰も守れなかった。お前は世界を救えなかった。それは無力な勇者の罪」
イレブン「う、うう....」
思い出したくない記憶を、言われたくなかった事を言われ、イレブンは苦しそうにしている
ドサ
バクーモス「さあ、絶望の中に落ちてしまえ」
倒れ、暗い場所に落ちていくイレブンの頭に先程の女性の声が聞こえてきた
???「イレブン。私の声が聞こえますか?あなたの中にある聖なる光は、決して消える事はありません。
その光はあなたの中で密やかに目覚めの時を待っています。さあ、その光で再びこの世界を照らすのです!
闇を滅ぼす事ができるのは勇者であるあなただけ!!
さあ、目覚めなさい!
イレブン「!?そうだ、僕は負けない!」
カアアッ!
イレブンからは光が溢れてくる