ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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71.カミュという男

クレイモラン王国

 

 

 

カミュ「........」

 

 

 

カミュは少し暗い顔をしている

 

 

 

ロウ「あれほどの大惨事の後じゃ。クレイモランもただではすむまい。シャール女王のもとへ向かうぞい。皆は城下町で情報を集めてくれ。ん?どうした?カミュ、ひどい顔色じゃが」

 

 

 

 

カミュ「いえ、俺なら平気です。町の様子を見てくればいいんですよね」

 

 

 

 

イレブン「でもカミュ、顔色がよくないよ。本当に大丈夫なの?」

 

 

 

 

ロウ「記憶もないのに一人でいるのも心許ない。お主もわしらと共に来るのじゃ」

 

 

 

クレイモラン城 玉座の間

 

 

 

シャール「......」

 

 

 

シャールは落ち込んでいるようで、顔色もよくない

 

 

 

ロウ「顔を上げなされ、シャール殿。王たる者、常に民に不安を与えてはならぬぞ」

 

 

 

 

シャール「!?あ、ロウ様!それにイレブンさん達も。ご健在だったのですね。大樹が落ち、世界が闇に包まれ、黄金病がこの地に蔓延しても、希望は残されていたのですね」

 

 

 

 

ロウ「ふむ。その黄金病とやらを教えてくれるか?」

 

 

 

 

シャール「数週間ほど前から、クレイモラン王国全域で、突然奇病が流行りだしたのです。この病に感染した者は、人間も動物も植物も身体が黄金と化してしまうのです」

 

 

 

 

カミュ「身体が.....黄金に?」

 

 

 

 

シャール「原因も治療法もわからぬこの病は、怯える人々から黄金病と呼ばれるようになりました。他の国に助けを求めようにも、病と共に現れた巨大な黄金の氷山により、陸路も海路も閉ざされ、この地は今や陸の孤島。

 

 

 

病を調べていた魔女リーズレットもあらぬ疑いをかけられ、城の地下に幽閉されてしまいました。友人として彼女を解放しようとしましたが、民達の強い反対にあい、それも叶わず。黄金病がこの国を混乱に陥れているのです」

 

 

 

 

ロウ「なんとそのような事が。じゃが、シャール殿安心なされよ。黄金病の謎、わしらが調べよう」

 

 

 

 

シャール「ありがとうございます、皆さん。城の者や城下町の民にも、協力するよう伝えておきます。どうか、よろしくお願いします」

 

 

 

クレイモラン城下町

 

 

 

ロウ「おお、そこ行くご婦人。よければ、わしらに話を聞かせてくれんか?」

 

 

 

 

おばあさん「何だい、あんた達は?こんなとこでボサッとして身体が金になっても知らないよ。.....ちょっとお待ち!あんたもしかして、カミュじゃないか?」

 

 

 

おばあさんはカミュを見ると驚いたように話しかけてきた

 

 

 

カミュ「俺の事知ってるんですか?」

 

 

 

 

おばあさん「知ってるも何もおまえさんは.....うぐっ!う、うう.....。そんな、これは、まさか......私も感染しちまったのかい!うあああ!」

 

 

 

突然おばあさんは苦しみ始めると光りに包まれ、その光が消えるとおばあさんは金の像になっていた

 

 

 

全員「!!」

 

 

 

 

マルティナ「何て事!これが黄金病!」

 

 

 

 

グレイグ「こんな突拍子もなくだとは.....」

 

 

 

 

カミュ「あ、ああ......うあああ!」

 

 

 

カミュはおばあさんの金の像を見るとその場に倒れ込んだ

 

 

 

シルビア「ちょっとカミュちゃん!?急にどうしたの!?」

 

 

 

 

イレブン「カミュ!」

 

 

 

 

神父「.....カミュ?声を聞きつけてきてみれば、まさか君がいるとは」

 

 

 

奥からは神父がやってきた

 

 

 

ロウ「お主もカミュを知っておるのか。わしらは旅の仲間なんじゃが、今カミュは記憶を失っておってのう」

 

 

 

 

神父「わかりました。私の知ってる限りですが、カミュの事をお話ししましょう。後ほど教会の方にきてください」

 

 

 

教会

 

 

 

神父「よく来てくれました。カミュ、君も元気そうで何よりだ。最後に見かけてから、5年ぶりくらいだろうか」

 

 

 

 

カミュ「5年前.......ですか。それまで俺はこの町にいたんですか」

 

 

 

 

神父「かつて、このクレイモラン城下町は北海で活動するバイキングの寄港地でね、以前は交流も盛んに行われていたんだ。.....カミュ。当時君は、そのバイキングの手下だった」

 

 

 

 

カミュ「俺が.....バイキング」

 

 

 

 

グレイグ「盗賊カミュの出自は、我らデルカダール王国がいくら調べても謎だった。まさかバイキングの生まれだったとは」

 

 

 

 

神父「いえ、生まれに関しては何とも。カミュは幼い頃、彼の妹と共にバイキングに拾われ育てられたようです。それが幸せだったのかはわかりません。彼と妹はかなり過酷な生活を強いられていたようでしたし。

 

 

 

実際ある日、彼の妹が亡くなったという知らせを受け、その日を境に彼もまた姿を消してしまいました」

 

 

 

 

カミュ「......やめろ」

 

 

 

妹の話題が出た辺りから、カミュは俯き始め、小さく呟いている

 

 

 

神父「神父として彼らを救えなかった事は、私の中で心残りとして強く残りました。ですから、彼が困っているなら今こそ」

 

 

 

 

カミュ「やめてくれっ!.....しばらく一人にしてください」

 

 

 

カミュは怒鳴ると、その場から飛び出していった

 

 

 

イレブン「あっ!カミュ!」

 

 

 

桟橋近く

 

 

 

そこではカミュが一人で佇んでいた

 

 

 

イレブン「カミュ、見つけたよ」

 

 

 

 

カミュ「あ、イレブンさん。すみません、俺急に飛び出して」

 

 

 

その時

 

 

 

キャアアアッ!

 

 

 

二人「!?」

 

 

 

港からの叫び声にイレブンとカミュが振り向くと、船に乗って金色の魔物がやってきていた

 

 

 

カミュ「......!?あいつらはまさか!う、ううう!!」

 

 

 

カミュは再び頭を押さえて地面にうずくまった

 

 

 

イレブン「カミュ!」

 

 

 

 

グレイグ「イレブン、カミュ!ここにいたのか。港に接近する船を見たか?叫び声といい、ただ事ではないぞ」

 

 

 

 

イレブン「うん!でも、カミュが....」

 

 

 

 

神父「カミュの事は私に任せてください!皆さんは港のほうに」

 

 

 

 

ロウ「うむ!イレブン、行くぞ!」

 

 

 

神父がうずくまったカミュに寄り添うようにして、イレブン達は城下町へ走っていった

 

 

 

クレイモラン城下町

 

 

 

金の魔物達「この世全ての黄金は、偉大なる六軍王が一人、鉄鬼軍王キラゴルド様のもの!さあ野郎ども、仕事の時間だ。宝石だろうが人間だった黄金像だろうが、この町のお宝を根こそぎ奪いとれ!」

 

 

 

 

魔物達「ヤイサホー!」

 

 

 

 

グレイグ「この魔物達、黄金像になった人達を持ち去ろうというのか。ならば黄金病もこいつらが?」

 

 

 

 

魔物「貴様ら、鉄鬼軍王キラゴルド様に逆らう気か?お宝ゲットの邪魔はさせないぞ!」

 

 

 

 

魔物達「ヤイサホー!」

 

 

 

魔物達はイレブン達に襲いかかってきた

 

 

 

イレブン達が魔物達を倒し終わると、他の場所では別の金色の魔物達により、黄金の像は取られていった

 

 

 

ロウ「まずい!こやつらは囮じゃったか。黄金像が他のやつらにとられてしまった。追いかけるぞ」

 

 

 

 

 

 

グレイグ「イレブン!あれをみろ!」

 

 

 

引き上げようとしている船の中には金色の像と魔物達と一緒にカミュがいた

 

 

 

イレブン「え!?カミュ!!どうして!」

 

 

 

 

シルビア「出発しちゃうわ!急がないと!」

 

 

 

しかし、イレブン達が到着する頃には船は出発してしまった

 

 

 

マルティナ「くっ、間に合わなかった。まさかカミュが連れて行かれるなんて」

 

 

 

 

シルビア「それじゃあ取り返すだけよ。神父ちゃんに話を聞いてみましょう」

 

 

 

すると、神父が焦った様子でこちらに走ってきた

 

 

 

神父「すみません、皆様!私が気を抜いていたばかりに、カミュが魔物にさらわれてしまいました。しかし、カミュは宝石も何も持っていなかったのに、まるで最初から知っていたように迷う事なく連れ去っていきました。

 

 

 

......あの魔物の喋り方や癖.......まさかそんな事が?」

 

 

 

神父は何か思い当たるところがあるようだ

 

 

 

マルティナ「何か知っているの?」

 

 

 

 

神父「実は先ほどの魔物達の喋り方や癖に私は見覚えがありまして、この地に寄港していたバイキング達にどこか似ているのです。彼らなら、カミュの事を知っていてもおかしくない。

 

 

 

当時の彼らの住処は、このクレイモランのすぐ横の洞窟にありました。そこに行けば何かわかるかもしれません」

 

 

 

 

イレブン「わかりました、それじゃあ行ってみます」

 

 

 

 

 

 

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