シケスビア雪原
カミュ「しかし、ベロニカもセーニャもラースもいないってのに聖地ラムダに向かっていいのかよ」
イレブン「うーん、そこは気になるけどひとまずはラムダに向かって魔王を倒せるヒントがないか確かめた方がいいと思うんだよね。それに、3人とも魔物なんかにはやられないと思うし」
ロウ「なに、ベロニカとセーニャなら自分でラムダへ向かおうとしておるかも知れん。ラースも賢いやつじゃ。わしらがラムダへ向かうのは予想できておるかもしれん。わしも行ってみるのがよいと思うぞ」
氷獄の湖
イレブン「あれ?ここってこんな大きな穴空いてたっけ?」
イレブン達が歩いている湖には凍っているが、そこに大きな穴があいている
マルティナ「いえ、こんなに大きな穴は空いていなかったはずよ」
グレイグ「.....何やら禍々しい気配がする。イレブン、周囲に注意.......ハッ!イレブン、上だ!下がれ!」
上からは黒い竜が降りてきた
ネドラ「氷獄の湖の氷が砕かれ、我は長き封印から解き放たれた。我が名はネドラ!貴様らの命、我が糧としてくれるわ!」
魔竜ネドラがあらわれた
シルビア「イレブンちゃん!バイキルト!」
シルビアはイレブンの体に緑の魔法陣を描くと、イレブン全体が緑色のオーラに包まれ、イレブンの筋肉がかなり増大する
イレブン「全身全霊斬り!」
イレブンが真正面から全力で大剣をネドラに振り下ろす
ネドラ「ふん!当たらんわい!」
ネドラが軽々と避けると
グレイグ「鉄甲斬!」
ネドラの背後に回っていたグレイグが斧を振り下ろした
ズバッ!
ネドラ「ぐうっ、そうか、今のは誘導」
ネドラの体の鱗が一部剥がれた
ロウ「降り注げ、いやしのあめよ」
ロウは祈りを捧げて雨乞いをすると、聖なる雨がイレブン達に加護のように優しく降り注ぐ
ネドラ「うがああっ!」
ネドラは大きなおたけびをあげる。その声は気迫に満ちており、声の大きさと合わせて腰を抜かしてしまいそうである
グレイグ「そんなもの効かん!」
ネドラ「グランドプレス!」
ドスゥン!
ネドラはイレブン達に勢いよくのしかかった
イレブン「ぐぐぐく....はあっ!」
イレブン達は盾で堪えた後、ネドラを空へ押し戻した
シルビア「グレイグ!バイキルト!」
シルビアはグレイグの体に緑の魔法陣を描くと、グレイグ全体が緑色のオーラに包まれ、グレイグの筋肉がかなり増大する
イレブン「グレイグ、同時に!全身全霊斬り!」
グレイグ「ああ!蒼天魔斬!」
イレブンとグレイグは息を合わせて、同時にネドラの左右から攻撃を仕掛ける
ネドラ「ふんっ!もうその程度の動きは通用せん!」
ロウ「ベホマラー!」
ロウはイレブン達全体に緑色の魔法陣を描くと、周囲に強い治癒の力をかけて、イレブン達の傷を瞬時に治した
ネドラ「ドルモーア!」
ネドラはロウの足下に黒い魔法陣を描き、闇の力を集めて爆発させた
ロウ「ぬう....」
ネドラ「うがああっ!」
ネドラは再び大きな声をあげるが、イレブン達は誰も腰を抜かさず立ってネドラを見ている
シルビア「うふふ、吠えてばかりいたって無駄よ!」
ネドラ「ぬぬぬ.....。我の声に怯まぬとは」
シルビア「ほとばしる~、アモ~レ!」
シルビアはみりょくの力を指先に集めると、ハート形にして撃ち出した
ネドラ「な、なんだこれは。はあ!」
ネドラはハートに噛み付いて砕いた
ネドラ「ふん、こんなもの.....!?」
砕け散ったハートの真後ろは、まさにイレブンが大剣を振り下ろす瞬間だった
イレブン「全身全霊斬り!」
ズバァン!!
ネドラ「グアアアアッ!!」
ネドラの頭から体までに勢いよく叩きつけられた大剣は見事に鱗を剥がし、ネドラに深い傷を与えた。骨すら砕けたような音がしたその威力はまさに会心の一撃
グレイグ「蒼天魔斬!」
地面に横たわったネドラに追い討ちとして、グレイグが斧で斬りつける
ネドラ「我は......負けん!!」
バシン!
グレイグ「ぐっ....」
ネドラは傷を堪えながら勢いよく起き上がり、グレイグに長い尻尾をぶつけた
ロウ「ベホイムじゃ!」
ロウは自身に強い治癒の力をかけ、傷を塞いだ
ネドラ「もう許さぬぞ!!グランドプレス!」
ネドラは再び勢いよく全員にのしかかった
ドスゥン!!
先程よりも素早くかつ更に体重をのせてイレブン達を押し潰す
シルビア「きゃっ!」
シルビアは耐えきれずに転んでしまった
ネドラ「貴様からだ!ドルモーア!」
転んだシルビア目掛けて黒い魔法陣が描かれると、シルビアを中心に闇の力が集まっていき爆発をおこした
全員「うぐっ!」
イレブン「全身全霊斬り!」
イレブンが爆発が終わった瞬間にネドラの前に飛び出してきた
ネドラ「もう当たらんと言っただろう!」
ネドラも警戒していたのか、軽々と避けてくる
グレイグ「蒼天魔斬!」
その後ろからは再びグレイグが回り込んでいた
ネドラ「貴様もだ!!」
しかし、これも予想されていたようで今度はグレイグの攻撃も避けられた
ロウ「大丈夫かの?シルビア。ベホイムじゃ」
ロウは転んだシルビアに手を出して立ち上がらせると、強い治癒の力をかけてシルビアの傷を瞬時に治した
シルビア「ええ、ありがとう、ロウちゃん」
ネドラ「はあっ!」
ネドラがシルビアに向かってくる
シルビア「ロウちゃんはアタシの後ろに。さあ、アナタの相手はアタシよ!」
ネドラ「ドルモーア!」
ネドラはシルビアに向かって闇魔法を放とうとすると
ロウ「ならば、妨害させてもらおう!わしもドルモーアじゃ!」
二人が同時に闇魔法を繰り出し、シルビアの周囲は真っ暗で見えなくなった
ネドラ「ぬう、厄介な」
シルビア「うふふ、アタシはここ」
ネドラ「!?」
シルビアはいつの間にかネドラの後ろにやってきていた
シルビア「ほとばしる~、アモ~レ!」
シルビアがネドラに向かってハート形を撃ち出した
ネドラ「ぬうっ!この強さ!遥か昔にあいまみえた勇者ローシュを思い出すわ。だが、所詮は人間!ハアアッ!」
ネドラは高く飛ぶと、オレンジ色の息をイレブン達に吹きつけた
ゴウッ!
マルティナ「ごほっ!ごほっ!」
イレブン「これは、やけつくいき!くっ!体が....」
仲間達は麻痺して動けなくなった
ネドラ「己の無力さをあの世で悔やむといい。貴様らの命、くらい尽くしてくれる!」
ネドラが倒れているイレブン達に向かっていくと
ベロニカ「させないわ!メラゾーマ!」
別の場所から、大きな火の塊がネドラに飛んできた
ネドラ「ぐぬう!」
~♪
ネドラが突然の火に怯むと、今度は聖なる竪琴の音が聞こえてきた
ネドラ「なんだ、この音は。体中から.....力が抜けていく」
近くにある丘の上にはセーニャが竪琴を奏でながら、自身の周囲に黄緑色の魔法陣を描き、大きな竜巻を発生させている
セーニャ「忌まわしき魔物よ、風の裁きを受けなさい。バキクロス!」
セーニャの周囲にある大きな竜巻は弱ったネドラに向かっていき、ネドラの体を風の刃が切り裂いていく
ネドラ「ギィヤアアア!」
ジュワー
ネドラは消え去っていった
ベロニカ「皆!大丈夫?セーニャ!」
セーニャ「皆様、今お助けいたします。キアリク!」
セーニャがイレブン達全体に緑色の魔法陣を描き、イレブン達の体についた強い痺れを取り払った
カミュ「ベロニカ!セーニャ!」
二人「勇者様、私達は勇者を守る宿命を持って生まれた聖地ラムダの一族。世界が滅びようとも、命に代えてあなたをお守りいたします。
イレブン/(様)、よくぞご無事で」
ベロニカとセーニャはイレブンの前にひざまづくと、互いの手を合わせて綺麗に礼をした
マルティナ「2人とも助けてくれてありがとう。今までどこで何してたの?」
ベロニカ「私達は気づいたら2人で知らない場所にいて、魔王のせいで苦しんでいる人達を少しずつ助けながら、ラムダを目指していたの」
セーニャ「黄金の氷山が溶けたと聞いてやってきたら、まさかこんな所でお会いできるなんて」
ロウ「聖地ラムダに行けば、魔王を倒す手がかりの神の乗り物について何かわかるに違いない」
ベロニカ「うーん、私達は知らないわね。まあ、そう言う話なら長老様が知ってると思うわ。それじゃあ、このままラムダへ向かいましょう。皆、改めてよろしくね」
セーニャ「イレブン様、皆様、またよろしくお願いします」
ベロニカとセーニャが再び仲間に加わった
聖地ラムダ
前までの神聖な雰囲気はなくなり、燃えた木や岩が降り注ぎ、家や神殿、広場などが一部ボロボロになっていた
マルティナ「なんて酷い光景。あんなに綺麗な場所だったのに」
シルビア「やっぱり大樹ちゃんの近くだから、被害はどこよりも大きいわね」
ラムダの広場
ベロニカ達の父、母「おお、私の天使達よ、今頃どこに」
ベロニカ達の父親と母親が祈りを捧げている
ベロニカ「お父さん!お母さん!」
セーニャ「よかったですわ、お二人とも元気で」
ベロニカ達の父「おお、私の天使達よ!よく顔を見せておくれ。よく生きていてくれた」
ベロニカ達の父はベロニカとセーニャにゆっくり近づきながら抱きしめた。その目は少し涙が流れている
ベロニカ「もう!お父さん。恥ずかしいわよ!」
長老「いやはや、勇者様方もよくぞ無事でいてくれました。.....おや?お仲間が一人見知らぬ方ですな。あの茶髪の青年はどうされました?」
ベロニカ「そうだ、ラースがいないじゃない。どうしたの?」
マルティナ「まだ見つかってないのよ。賢い彼の事だから、ラムダに来るんじゃないかと思ったんだけど」
セーニャ「そうだったんですか。でも、ラース様ほどの方なら魔物にやられる事はないですし、きっとどこかで生きていますわ」
グレイグ「俺はデルカダールの騎士グレイグと言います。ラムダの長老様に伺いたい事がありまして」
長老「はい、私に答えられる事であれば....」
ロウ「実は伝説の勇者ローシュは邪神と戦う時に、神の乗り物というものに乗ったと聞いたのだ。その事を何か知ってはおらぬか?」
長老「ふむ、神の乗り物.....。すみませんが時間をください。里にある古文書を読みあさってみましょう」
ロウ「かたじけないのう。.....それじゃあ、その間わしらはどうするかの」
イレブン「うーん、やっぱりラースもまた旅にきてほしいよね。頼りになるし、きっとラースも僕達の事を探してると思うんだよ」
マルティナ「そうね。それにやっぱり私、ラースがガラッシュの村にいる気がしてならないの」
ベロニカ「そうじゃない、ラースならあそこに居てもおかしくないんじゃない?」
シルビア「でも、アタシ達一度向かったんだけどいなかったのよね」
マルティナ「まあ時間も経ったし、もしかしたら何か手がかりはあるかも。もう一度ガラッシュの村まで行ってみましょう」