ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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86.平和になった世界で

オリジナル展開です。飛ばしてもらって構いません。

 

 

 

その後、勇者達一行は世界各地を回り、魔王は倒され世界は平和になった事を報告した。あちこちで宴が開かれ、勇者達は必ず主役としてもてなされた。仲間達は数ヶ月後にまた会う事を約束し、各地で別れていった。

 

 

 

最後の砦

 

 

 

パチパチパチ

 

 

 

待っていたかのように全員がイレブン達を出迎えた

 

 

 

イレブン「やっぱりここでもそうだよね」

 

 

 

 

マルティナ「これで何回連続かしらね?もう数え切れないわ」

 

 

 

 

デルカダール王「勇者イレブンよ、よくぞ魔王を倒し、世界を救ってくれた。本当にありがとう。王として、この世界に生きる一人の人間としてお主に感謝する。

 

 

 

そして、我が娘マルティナよ。よく生きていてくれた。こっちにきてよく顔を見せてくれ」

 

 

 

 

マルティナ「お父様。私、頑張りました」

 

 

 

 

デルカダール王「ああ、マルティナ。よかった、本当によく頑張った」

 

 

 

デルカダール王はマルティナを抱きしめる

 

 

 

ペルラ「イレブン!私はあんたなら絶対にできると思ってたよ。よく無事で帰ってきてくれた」

 

 

 

ペルラも人混みの中からかき分けて出てきた

 

 

 

イレブン「母さん。うん、ただいま。もう世界は平和になったよ、心配しないでね」

 

 

 

 

ペルラ「ああ、イレブン。おまえのじいさんも喜んで、きっと今頃私みたいに泣いてるよ。おまえの大好きなシチューたっぷり作ってあるからね。たんとお食べ」

 

 

 

ペルラは涙を拭っている

 

 

 

デルカダール王「グレイグ、お主もよく無事でいてくれた。そして、勇者を守る盾であった。お主はこの国の、いや、この世界に誇れる最高の騎士だ」

 

 

 

 

グレイグ「王よ、私は、私は、ううっ」

 

 

 

グレイグはデルカダール王の言葉に涙している

 

 

 

デルカダール王「さあ、皆の者。宴だ!世界は平和になった!騒ぐのだ。わしも久しぶりに宴に参加するかのう」

 

 

 

 

マルティナ「お父様、私も一緒に行きますわ」

 

 

 

 

デルカダール王「そうだ、忘れるところだった。イレブン達に聞きたいことがあるんじゃ。すぐに終わるからこの後、わしのテントまで来てくれ」

 

 

 

 

イレブン「何だろうね?」

 

 

 

 

マルティナ「まあ、わからないけど行ってみましょう」

 

 

 

王のテント

 

 

 

デルカダール王「おお、来てくれたか。お主らは、ラースという茶髪の男を知っておるか?」

 

 

 

 

3人「!?」

 

 

 

 

マルティナ「お父様、どうしてその名前を!」

 

 

 

 

デルカダール王「わしにもよくわからないのだが、2週間ほど前にわしの夢の中に出てきたんじゃ。そして、自分の事をラースと名乗り、マルティナを悲しませたと言って謝罪してきてな。

 

 

 

それで詳しい事はイレブン達に聞けばわかると言い消えていったのだ」

 

 

 

 

イレブン「2週間くらい前といえば、たしか」

 

 

 

 

グレイグ「俺達がガラッシュの村でラースに誓ったあの日と同じだ」

 

 

 

 

マルティナ「お父様、ラースは私達の旅の一員でした。そして、私はラースと付き合っていたんです」

 

 

 

 

デルカダール王「何!?マルティナと付き合っていただと!?」

 

 

 

デルカダール王は驚いている

 

 

 

グレイグ「王よ、落ち着いてください」

 

 

 

 

マルティナ「でも、大樹が落ちた日、私達はお父様と一緒にあの大樹の中心にいました。本来なら、爆発に巻き込まれて全員死んでしまっていたのです。

 

 

 

そこをラースが命を犠牲にして、自分以外の全員を助け出したのです。おそらく私を悲しませたというのは、それを知った私が絶望に落ちていきそうだったからだと思います」

 

 

 

 

デルカダール王「.....という事は、イレブン達やわしが今ここに生きているのは、その男のおかげなのか」

 

 

 

 

グレイグ「.....そういう事になります」

 

 

 

 

デルカダール王「マルティナよ、お主もさぞかしつらい思いをしただろう。その男には感謝してもしきれないな。こうして、愛する娘と抱き合えるのもその男のおかげなのだからな」

 

 

 

 

イレブン「よかったら王様も今度ラースの墓にいきましょう」

 

 

 

 

グレイグ「おい、イレブン。王は簡単に外には」

 

 

 

 

デルカダール王「いや、そこまでしてくれた男の墓に出向かない訳にはいかん。わしもそこまで連れて行ってくれ」

 

 

 

 

グレイグ「王よ、いいのですか?この村の事などは?」

 

 

 

 

デルカダール王「なに、民達はいつもよく働いてくれている。一日休みも必要じゃろう」

 

 

 

 

マルティナ「それじゃあいつにしましょうか」

 

 

 

 

イレブン「3週間後ぐらいでどうかな?世界も落ち着いてくると思うんだ」

 

 

 

 

デルカダール王「ふむ、了解した。それではその日を一日休みにして、村の者や兵士達にも休んでもらおう」

 

 

 

3週間後

 

 

 

デルカダール王「それでは行くとしよう」

 

 

 

 

マルティナ「お父様と一緒にどこかに行けるなんて16年ぶりね」

 

 

 

 

グレイグ「それじゃあイレブン、ガラッシュの村まで頼んだぞ」

 

 

 

 

イレブン「うん、ルーラ!」

 

 

 

ガラッシュの村

 

 

 

マルティナ「着きましたよ、お父様。ここがラースの故郷、ガラッシュの村だった場所です」

 

 

 

 

デルカダール王「随分と酷い状態だな、滅んでしまっているのか」

 

 

 

 

グレイグ「.....これは、魔物に魂を売ったホメロスとその魔物達が、村の民達諸共滅ぼしました。ラースの目の前で」

 

 

 

 

デルカダール王「.....ホメロスの話はグレイグに聞いたが、そうか。あの子はこんな事まで。わしはあの子の心に気づく事ができなかった。この村の者にもラースにも申し訳ない事をした」

 

 

 

 

ベロニカ「イレブン、先に来てたのね」

 

 

 

 

セーニャ「あら?デルカダール王様?どうしてこちらに?」

 

 

 

入り口からはベロニカとセーニャもやってきた

 

 

 

デルカダール王「君達はたしか、イレブン達の仲間の...」

 

 

 

 

ベロニカ「ベロニカよ、よろしくね、王様」

 

 

 

 

セーニャ「妹のセーニャといいます」

 

 

 

 

グレイグ「王はここに我々と一緒に墓参りに来たのだ。何やらラースが王の夢に出てきたようでラースの事を知っていたのだ」

 

 

 

 

マルティナ「ベロニカ達はどうしてここに?」

 

 

 

 

ベロニカ「あれ?イレブンから何も聞いてないの?」

 

 

 

 

セーニャ「私達はここであの安らぎの唄を演奏しようときたんです」

 

 

 

 

イレブン「ごめんね、どうせなら予定合わせちゃったほうがいいかなって思ってさ」

 

 

 

 

マルティナ「そういえば、大樹に登る前に約束してたわね。いいわね、私もまたあの曲を聴きたいわ」

 

 

 

 

イレブン「僕がラムダに行ってちょくちょく一緒に練習してたんだよ」

 

 

 

 

ベロニカ「でもイレブン!王様がいるなら言いなさいよ!間違えちゃったら恥ずかしいじゃない」

 

 

 

 

イレブン「まあまあ、そこはごめん。忘れてたの。それよりほら、お墓に行こう」

 

 

 

ガラッシュの村奥地

 

 

 

デルカダール王「ここが彼の墓、そして村の者達の墓か。私の息子同然のホメロスがこんな事をしてすまなかった。そして、ラースよ。わしの娘マルティナに息子同然のグレイグ、そして勇者まで救ったその勇気。誠に感謝する」

 

 

 

 

イレブン「ラース、久しぶりだね。今日はデルカダール王も来てくれたんだ。それと、あまり上手じゃないけど、君や村の皆が好きだったっていう安らぎの唄を練習してきたんだ。よかったら聞いてね」

 

 

 

 

グレイグ「安らぎの唄とは何なのだ?」

 

 

 

 

セーニャ「そういえばグレイグ様は知りませんでしたね。安らぎの唄はラース様に教えていただいた、このガラッシュの村に伝わる子守唄だそうです。優しく心が暖かくなるような唄なんです」

 

 

 

 

ベロニカ「どうせならラースに教えてもらったフルバージョンでやろうと思ってるの。それじゃあ行くわよ。せーの」

 

 

 

〜♪

 

 

 

ゆっくりと曲が流れていく

 

 

 

グレイグ「これは.....何とも心地のいい」

 

 

 

 

デルカダール王「落ち着く気分になれるのう」

 

 

 

 

マルティナ「これがフルバージョンなのね。やっぱりいつ聞いてもいい曲だわ」

 

 

 

演奏が終わるとどこからか風が吹き、花びらが数枚イレブン達の上を舞っていた

 

 

 

ベロニカ「あら?もしかして」

 

 

 

 

セーニャ「あの時と同じ風でしたわ!」

 

 

 

 

イレブン「感動してくれたのかな。ラースはやっぱり僕たちの事見ててくれてるんだね」

 

 

 

 

マルティナ「きっとそうよ。今一瞬だけラースの気配がしたわ。私も久しぶりに聞いて優しい気持ちになれたわ」

 

 

 

 

デルカダール王「今の曲がここの子守唄。とてもよかったぞ」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、心が穏やかになっていくような気分だ。ラースもきっと褒めているな」

 

 

 

 

ベロニカ「ありがとう。最初は緊張していたけど、私もこの曲を吹いている時はどうしてか緊張しないの」

 

 

 

 

セーニャ「それではお参りしたら私達はラムダへ帰りますね」

 

 

 

 

イレブン「うん、ありがとう。また演奏しようね」

 

 

 

 

マルティナ「それじゃあ、イレブン。私達も帰りましょう」

 

 

 

 

デルカダール王「そうだな、イレブンよ。ここに連れてきてくれて感謝する。もし時間があればまたここに来よう」

 

 

 

 

イレブン「ありがとうございます、王様。それじゃあ、ルーラ!」

 

 

 

 

 

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