ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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87.忘却の塔

数ヶ月後、ガラッシュの村には勇者達全員が揃っていた

 

 

 

イレブン達は安らぎの唄を吹いている

 

 

 

マルティナ「ラース。今日は世界が平和になって3ヶ月ね。早いものだわ」

 

 

 

 

カミュ「今日はお前が好きだった飲み物持ってきたぜ。ホムラのこの酒だったよな。俺も後で少しもらうぜ」

 

 

 

 

ロウ「わしは花を持ってきたぞ。この花はお主に似合いそうでな」

 

 

 

 

シルビア「それにしても、この曲久しぶりに聞いたけどいい曲だわ」

 

 

 

 

グレイグ「俺もこの曲が気に入ったな。イレブン達もどんどん上手くなっていってるしな」

 

 

 

その後、久しぶりの仲間同士で色んな話をした

 

 

 

カミュ「そういえばイレブン。前に世界中に魔王を倒した報告をしてた時に、グロッタの町の南側で何か光るものがあったんだ」

 

 

 

 

イレブン「え?本当?気づかなかったよ。行ってみる?」

 

 

 

 

ロウ「ふぉっふぉっ、また皆で旅をするのもいいのう」

 

 

 

 

ベロニカ「まあ、少しの間だけどね。行ってみましょう」

 

 

 

ユグノア地方 南

 

 

 

そこには不思議な建物や石像が落ちていた

 

 

 

マルティナ「この独特な装飾。たしか神の民の里でも見たわね。何か関係があるのかしら?何か新しい発見があるかもしれないわ。探索してみましょう」

 

 

 

 

イレブン「ん?隅に何か落ちてる」

 

 

 

イレブンは神秘の歯車をてにいれた

 

 

 

イレブン「??何だろう?これ」

 

 

 

その後

 

 

 

ロウ「この遺跡を調べている間に、神の民が書いた書物を見つけたんじゃ。そこにはこう書かれておる。

 

 

 

ロトゼタシアの大地より生まれし、悠久の時間の流れを紡ぐ精霊。その名は失われた時の化身。神の民の伝承曰く、失われた時の化身が守りしは刻限を司る神聖なる光。

 

 

 

その光輝き燃ゆる時、悠久の彼方に失われしものが大いなる復活をはたさん」

 

 

 

 

シルビア「復活ってもしかして、その光には失ったものを蘇らせる力があるって事かしら?」

 

 

 

 

ベロニカ「という事は、もしかしてラースも?」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

マルティナ「ラースが.....生き返る?」

 

 

 

 

シルビア「ちょっとロウちゃん!その光の力についてもっと詳しく書いてないの?」

 

 

 

 

ロウ「お、おお。刻限の光、忘却の塔にて静かに輝けり。古より神の民が守りし神秘の歯車手に入れし時、失われし時の化身が集う忘却の塔を目指すべし」

 

 

 

 

マルティナ「神秘の歯車、それがラースを生き返られる手がかり!皆、私はもう一度ラースに会いたい!お願い、手伝って!」

 

 

 

 

ベロニカ「もちろんよ、マルティナさん!」

 

 

 

 

シルビア「だけど、肝心の神秘の歯車はどこにあるのかしらねえ?」

 

 

 

 

カミュ「この壁画の真ん中にある歯車の形をした穴、もしかしたらこの近くにあるかもしれねえぜ」

 

 

 

 

イレブン「もしかしてさっき拾ったこれのこと?」

 

 

 

 

セーニャ「まあ!イレブン様、流石ですわ。もう既に見つけていらしたのですね」

 

 

 

 

グレイグ「後は忘却の塔という場所か。聞いたことない名前だな」

 

 

 

 

カミュ「そういえば、命の大樹の北に見慣れない塔があったよな。そこに行ってみようぜ」

 

 

 

忘却の塔

 

 

 

イレブン「あ、この塔に歯車の形の窪みがある」

 

 

 

イレブンは扉にある窪みに歯車をはめてみた

 

 

 

ガタガタガタ

 

 

 

ベロニカ「やったわね、扉が開かれたわ!ここが忘却の塔だったのね。早速先に進んでみましょう」

 

 

 

塔 最上階

 

 

 

そこにはヨッチ族のような不思議な生物がいた

 

 

 

番人「私は時の番人。時の行く末を見守るもの」

 

 

 

 

カミュ「時の番人?あんた一体何者なんだ?」

 

 

 

 

番人「私は何者でもありません。ただ時の流れを見守るだけの存在」

 

 

 

 

セーニャ「時の番人様。この塔には失ったものを復活させる力を持つ光があると聞きました。私達には蘇らせてほしい人がいます。どうか知っていることを教えてください」

 

 

 

 

番人「この先には、時のオーブと呼ばれる宝玉が祀られています。その時のオーブの力を使えば、あなた達の願いは叶うでしょう。ですが、あなた達には本当に失われた時を求める覚悟がありますか?」

 

 

 

 

グレイグ「覚悟だと?どういう事だ?」

 

 

 

 

番人「時のオーブとは、失われた時の化身がはるか古より紡ぎ続けた、ロトゼタシアの時の結晶。その時の流れを壊す事で、時空の流れが乱れ、全てが過去に巻き戻るのです。

 

 

 

仲間を蘇らせたければ、世界の時を断ち切らなくてはならない。失われた時を求める。あなた達のしようとしていることは、世界にとって大きな選択です」

 

 

 

 

マルティナ「ラースを復活させるには、世界の時を巻き戻す」

 

 

 

 

ロウ「うむ....いや、その話が本当ならば、大樹が落ちるより前の日に戻り、ウルノーガの野望を食い止める事が出来るのではないか?」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

イレブン「そうすれば、ラースだけじゃない。あの日失われたロトゼタシアの全てが蘇る」

 

 

 

 

番人「おそらく、今この時を紡いでいる一番新しい時のオーブを壊してしまえば、あなた達が望む世界が闇に覆われる直前に戻る事もできるかもしれません」

 

 

 

 

グレイグ「もし世界の命運を分けたあの日に戻り、ウルノーガをこの手で止められるなら、俺は喜んで過去に戻るぞ」

 

 

 

 

全員「うん!」

 

 

 

 

番人「残念ですが、全員は行けません。時のオーブを壊すには、全てを断ち切ることのできる大いなる力が必要です。そのような力は、この世界でおそらく一つしかありません。あなたの持つ勇者の力です。あなたお名前は?」

 

 

 

 

イレブン「イレブンと言います」

 

 

 

 

番人「イレブン、あなたの持つ勇者の剣なら、時のオーブも砕く事が出来るはず。それができるのは、あなただけ。そう、過去に戻る事ができるのはイレブンだけなのです」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

カミュ「ちょっと待てよ。過去に戻ったイレブンは、またここに戻ってこられるんだろうな?」

 

 

 

 

番人「一度過去に戻れば、おそらく二度とこの世界に戻ってくる事は出来ないでしょう。それに、壊れた時のオーブが暴走すれば、捻じ曲がった時の渦に飲み込まれてしまうかもしれない。

 

 

 

時の渦に飲み込まれたら、イレブンは永遠に時の狭間をさまよう事になるでしょう」

 

 

 

 

ベロニカ「そんな!」

 

 

 

 

番人「かけがえのない仲間と別れ、たった一人で過去に戻る。あなた自身もどうなるかわからない。

 

 

 

イレブン。それでもあなたには、失われた時を求めて、過去に戻る覚悟はありますか?この選択はあなたが決めるのです。覚悟ができたら、時のオーブがある祭壇へどうぞ」

 

 

 

 

 

 


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