ダンジョンで赤龍を追うのは間違っているだろうか   作:たーなひ

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ソードマスターの授業は刃牙を読む事から始まる。

「はいはい、みんな聞いてなー。新入りを紹介するでー。」

 

食堂で夕飯前にみんなの前に立ちロキが言う。

ロキファミリアでは朝と夕はみんなで揃って食事を取る事にしているらしい。

 

「ほな、クラウド、自己紹介してくれ。」

 

自己紹介を促されるが、最大派閥だけあって人数か多いので少し緊張する。

元の世界ではこんなに大勢の前でしゃべる機会は無かった。

 

「レベル3のクラウド・ベロキシナムだ。紆余曲折あってこのファミリアに入団することになった。よろしく頼む。」

 

「レベル3!?すげぇな!」「あ、あの人新種の時に助けてくれた人だ!」

 

「はい、じゃあそうゆうことやからよろしくしたってな。ほな食べよか!」

 

「「「「いただきまーす」」」」

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ!」

 

「ん?」

 

「私、ティオナ・ヒリュテ!よろしくー!」

 

褐色の肌でボーイッシュな感じの露出が激しい少女が話かけてきた。

確か彼女のような人間はアマゾネスという種族だったはずだ。

 

「あぁ、よろしく。」

 

「私達もついこの前入ったんだー!同期だねー!」

 

なんというか天真爛漫という言葉がぴったりな感じで、明るい雰囲気だ。

それよりも…

 

「"達"?」

 

「そうそう。ほら、あそこに私と似てるアマゾネスの子いるでしょ?」

 

示す先にはフィンの周りで忙しなくアピールしている少女が1人。

 

「あのフィンにベタベタしてる子のことか?」

 

「そうそう。あの子はティオネって言ってね、入団してから団長にゾッコンなんだよねー。」

 

なんか…なんというか凄い好きな事は伝わるんだけど…残念というか…。

 

「……愛が重いな。」

 

「あははー、確かにねー。でさ!クラウドはレベル3なんでしょ?私達もレベル3なんだー!」

 

「へぇ」

 

「どこのファミリアから改宗したの?」

 

「オラリオの外のファミリアだ。辺境のファミリアだから多分言ってもわからんぞ。」

 

「へー!じゃあさじゃあさ!どんな所だったの?他の団員は?どんな神様だった?あ、そうだ!新種も倒したんだってね!どんなモンスターだったの?」

 

怒涛の質問連撃。双剣もびっくりの手数ですね。

 

「ティオナ、クラウドが困ってる。一個ずつ質問しないと。」

 

アイズが注意してくれたが当のアイズも俺の故郷には興味があるらしい。

 

「いや、別に大丈夫だ。そうだな…。まずどんな所かっていうとだなー……

 

あの後結局モンスターの話で2人に質問されたりなんかしてなかなか話が進まなかったので、折角フィンと詰め切った設定を説明する前に夕食の時間も終わっていた。

 

2人はまだ話をするつもりだったらしいが、俺は夕食後リヴェリアにダンジョンについての講義を受けることになっている。その事を2人に話したら哀れみのような視線を向けられた。…さてはあの人スパルタか?

 

 

 

 

リヴェリアのダンジョン講座は一通り習って、そのまま復習の問題を解いて全問正解したら次の単元に移るという物だった。

なるほど、確かに全問正解するまで永遠にやらされるから物覚えの苦手な人間にとっては苦痛でしかない。

とは言えハンターにとっては地理を理解することとモンスターの知識は死活問題なので、ダンジョンにおいての知識の吸収に関しては何の問題もなかった。

 

 

 

 

 

リヴェリアのダンジョン講座が思っていたより早く終わってしまったので、武器の手入れでもしようかと思って自室に向かっていると、アイズがいた。

 

「あれ?クラウド?逃げてきたの?」

 

「逃げる?何から?」

 

「リヴェリア。」

 

「…?あぁ、ダンジョン講座か。もう終わった。」

 

 

「え………?」

 

アイズは目をはち切れんばかりに見開いて驚いていた。そんなに驚くほどのことなのか…

 

と、思ったら顎に手を置いて考えこんでしまった。

そんなにリヴェリアのダンジョン講座は難易度高いのか?でも確かに言われてみれば、最初は驚いていたがどんどん機嫌が良くなっていっていたような気がする。

 

が、アイズが考えていたのは全く別の事だった。

 

「クラウド……さん。私に剣を…教えて、下さい。」

 

そう言ってアイズは頭を下げた。

 

これは、弟子入りってことか?弟子か……。師匠元気かな…。じゃなくて。

 

「なんでまた俺なんだ?俺はレベル3、アイズはレベル4だろう?」

 

「レベルは関係ない…です。私はクラウドさんの剣を見て、教わりたいと、思いました。」

 

「俺の剣?別にそんな大層なもんでもないだろう?」

 

「ううん。敵の攻撃を紙一重で躱す身のこなしは、私に足りないものだと思うから…。」

 

あぁ、見切りを教わりたいと。

どうするか…別に教わりたいという彼女の要望は俺には断る理由が無いんだが…

 

「俺は新入りだ。新入りに弟子入りするのはマズかったりするんじゃないのか?」

 

アイズは11歳にしてかなりの古参だと聞いている。そんな彼女が新入りの弟子になるのは、彼女自身のプライドもあるし、何より周りの人間が良く思わないかもしれない。

 

「私は気にしない…です。。教えて下さい。お願いします。」

 

そう言ってまた頭を下げてしまった。

参ったな…。

……………………まあ、そこまで言うなら…

 

「わかった。ただ敬語はやめてくれ。今まで通りでいい。」

 

「はい…じゃなくてうん。ありがとう。」

 

 

こうしてアイズに剣を教えることになった。

 

あの後明日の早朝から稽古をする事だけ決めて別れた。

 

弟子か…どうやって教えるんだろ…。

俺の時は闘技場で死ぬほどドスジャグラス狩らされたけど……。見切り縛りとかもしたっけなぁ…懐かしい。

 

となるとダンジョンに行って見切りの練習でもさせるのが良いのか…。だがアイズはレベル4だ。生半可なモンスターじゃなんの練習にもならんだろう。中層辺りでミノタウロスでも相手にするのが無難か…。こっちのモンスターでも居たらいい練習相手になりそうなんだけどな…。

 

そこまで考えた辺りで、明日の事を考えて眠った。

 

 

 

 

ー翌朝ー

 

朝起きて部屋を出ると、アイズが部屋の前に立っていた。

 

「ん?おぉ、おはようアイズ。なんで俺の部屋の前に?」

 

「どこでするのか、聞いてなかったから…。」

 

「…そういえばそうだったな。」

 

「どこでするの?」

 

「ダンジョンだ。行こう、あんまり時間がない。」

 

 

 

 

 

 

 

「ダンジョンで何をするの?」

 

歩きながらアイズが聞いてきた。

 

「モンスター相手に見切りの練習だ。中層のミノタウロス辺りで練習しようかと思ってるんだが問題ないか?」

 

「うん。大丈夫。」

 

「朝食って何時だっけ?」

 

「8時。」

 

ダンジョンについたら5時半前か…。ま、2時間は練習できるな。

 

 

「ねえクラウド。」

 

「ん?」

 

「なんでクラウドは全身に防具付けてるの?動きにくくないの?」

 

「確かに柔軟な動きは制限されるが、オーダーメイドで作られてるからな。普通の動きは殆ど制限されないように調整されてるんだ。」

 

「つまり柔軟な動きは出来ないって事?」

 

「確かにそういうことだが、そうならないために立ち回るのがプロのハンターだ。」

 

「へー。」

 

 

 

 

 

そうこう話しているうちにダンジョンに着いたので縦穴を使ってミノタウロスの出現する15階層まで一気に降りる。

 

 

「すごいな…。」

 

アイズを見てそうこぼしてしまった。モンスターの群れに突っ込んで余裕のある立ち回りで殲滅しまくる彼女は、とても11歳とは思えない。

だが年齢が理由だろうか、どこか危なっかしさを感じてしまう。

 

 

 

 

 

「まずは間合いを見極めろ!少しずつ近くで躱せ!」

「一気に近過ぎだ!目測を見誤ると死ぬぞ!」

「まだ大きい!もっと近くで!」

「大きくさがるな!常に貼り付け!」

「間合いが遠い!下がったらすぐに貼り付け!」

「そうだ!そのまま躱し続けろ!」

「相手が疲弊しても下がらず貼り付け!動きが緩慢になったらカウンターがささる。」

 

「よし、こんなもんだろう。お疲れさん。」

「はぁ…はぁ…ありがとう…ございました…。」

 

結局見切りの練習はミノタウロス五体と、ライガーファング二体を倒して終わった。

 

 

 

帰りながら口を開く。

 

「アイズは筋が良いな。きっちり間合いは見れてる。後は体のこなしだが、まだアイズは体が成長するだろうからな。感覚だけでも掴んでおけば成長したあともなんとかなるだろう。」

 

「…怒られてばっかりだった気がするけど。」

 

「改善の余地があることには違いないからな。」

 

実際、アイズの才能は俺の想定を遥かに超えていた。たった2時間で身のこなしは殆ど完璧になった。ケチをつけれなくもないが、少なくとも大枠では完成と言える。

 

もう俺に教えれることなんか無いんじゃないか。

少し荒削りだが身のこなしは十分。後はアイズがどれだけ詰められるかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームに帰ったら、一度部屋に戻ってシャワーで汗を流した。

少し疲れたが、自分の力でダンジョンを降りるのはなかなか楽しかった。初めてのマップに来たようなワクワクがある。

 

シャワーを浴びた後、食堂に向かった。

 

 

 

朝食後、しばらく暇なので部屋に戻ろうかと考えていると、リヴェリアが話しかけてきた。

 

「クラウド。」

 

「リヴェリア、おはよう。」

 

「あぁ。アイズとダンジョンに行っていたそうだな。」

 

「アイズに聞いたのか?」

 

「あぁ、どうだった?あの子は。」

 

「そうだな……。一言で言うなら才能の塊…だな。

剣の才能は言わずもがな、飲み込みのスピードが異常に速い…って感じかな。」

 

「そうか……。…今回はいいが、今度からアイズとダンジョンに行く時は行く前に私かフィンかガレスに声をかけてくれ。」

 

「別に構わないが、アイズは実力もあるし、レベル4だぞ?そこまで過保護になる必要は無いんじゃないか?」

 

「頼む………………。」

 

そう言って、リヴェリアは頭を下げてしまった。

 

「……訳ありなようだな。わかった。今度から声をかける。」

 

「あぁ。すまんな。」

 

「気にしないでくれ。」

 

 

アイズは11歳とは思えないほど落ち着きがある。ティオナぐらい騒がしい方が年相応なくらいだ。

そして、何より強い。しかも今の強さで満足していない。はるか高みを目指している。

 

何やら訳ありのようだし、ただの子供ではないことはわかる。

彼女はあの歳でどんな重りを抱えているのだろうか。

 




うーん。話はサクサク進んでるのにストーリーが進まない。
このままやと原作までバカみたいにかかるからどっかで〜年後ってして過去編の息抜き回として出しますね。

因みに特訓のところの躱すイメージは刃牙のピクル編ですね。
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