その大男は静かにオレを見下ろしていた。
「通り合わせたのも何かの縁だ、仇はとった恨んでも悔やんでも死んだ人間は蘇らん、己が生き延びただけでも良しと思う事だ。」
「………………………………………」
よくある事だ。この世に鬼がはびこる限り何の罪もない人達が殺されていく、そしてこれからも
以前は、鬼殺隊に所属し龍柱として鬼を切っても誰一人救えない事だってあった。
そう考えながら本来の目的である、酒を買いもう一度その場所へと赴く。
「オレが確実にできる事は、犠牲者の骸を葬ってやる事ぐらいか…………これは!?」
目の前にある光景が広がった。
「家族だけでなく、鬼の墓まで作ったのか??」
「鬼だろうと、何だろうと死ねばただの骸だから………」
「その石は??」
「巴と縁とその父親、戦えるのはオレだけだったのに、ここへつく前に二人が殺され巴はオレを庇って…………………………だからせめて墓くらいはいい石をと、添える花も見つからないし」
男は何も言わずに手にある酒を、墓石にかける。
「美味い酒の味を知らんで死ぬのは、不幸だからなオレからのせめてもの手向けだ」
「ありがとう……………あの」
「オレは、比古清十郎見ての通り剣を少々する」
「剣……………」
「小僧お前はかけがえのないものを、守れなかっただけでなく一人いや三人の命を思いを託されたんだお前の小さな手は、その命の重さを知っている、だが託された思いの重さはその比ではないだろう、己を支え人を守る強さを身につける事だお前がこれから生きていく為に、そして大切な物を今度こそ守り抜く為にも」
「守り抜く為に…………………」
「小僧名前は????」
「剣心」
「剣士にはピッタリな名前だな、お前にはオレのとっておきをくれてやる」
それがオレの師匠との出会いだった。
師匠は山奥に住み、普段は陶芸家として活動をしているらしい。元々は鬼殺隊に所属していたらしいがある理由を気に戦線を退いている。修行が始まり一年が過ぎていた。
最初の頃は、辛かったが今はかなり楽になってきた。
「オラァどんどん走れぇ!!!いいかまずは、身体能力を上げる事が基本だ体力が無いようでは、鬼と戦う事は不可能だからな!!ほらそこで翔べ!」
「ハァハァ………………………くっ」
「全集中の呼吸は常に維持は出来てきているな、ならこれは避けれるか?」
と言いながら、背後から石を数個全力で投げつける。
オレは、今目隠しをした状態で走っている感覚を研ぎ澄ます、修行らしい。何かが背後から近づいてくるのを感じとり、頭を左右に振って回避する。そのまま走り続ける。
ここまで感覚を研ぎ澄ます事ができ、全集中の呼吸を維持が出来ている頃合いだな。
「剣心!!明日より剣を持った修行に入る!」
次の日
「オレが今から、一度だけ全ての型を見せると言うよりも、お前に向かって型を放つ」
「はぁ」
「いくぞ」
その後は全ての型を教えてもらったので、師匠はその型を各100回ずつ行う様に言われる。
三ヶ月後
師匠はオレを大きな大木の前に連れて来た。
「剣心この木を木刀で切り倒せ、それができたら修行は殆ど終わる」
「え?木刀でですか???真剣では、ないのですか??」
「木刀だ、オレは半年かかった、おらわかったらさっさとやれ、オレは陶芸をする」
と師匠は言うと、木刀を数本置いて、小屋の方へと歩いて行った。
「よし、とりあえずやるか」
それから毎日大木に向かって木刀を振る日々が始まった。呼吸を使って技を放つが木刀ではやはり威力はあまりでない、だがそれでも技を放ち続けた。手の豆が潰れて痛くても包帯を巻いて木刀で技を放つ。
四ヶ月が過ぎた頃、オレはある感覚に襲われていた。まず気付いた事は二つある、技を放ち続けても全く疲れなくなった、それだけじゃなかった。目の前にある大木が透けて見える様になってきたそのおかげか木刀を振り抜く時何処に一番力が加わるかそして何処が脆いかを理解する事が出来きその日の内に大木を倒す事が出来た。
「やった……………」
「お前なら、オレよりはやくその世界に至ると思っていたが、その齢で入るか」
「世界??何なんですか師匠それは?」
「ほれ、物が透けて見えただろ?あれが透き通る世界だよ、あれに入らない限り大木を木刀で切り倒すなんざ不可能さ」
「よし、明日から最終段階に入る!覚悟しておけ剣心!!」
「はい!」
次の日オレの目の前に立つ師匠は腰に皿を括り付けていた。
「あの師匠それは???」
「これか??見ての通りの皿だお前は、今からこの皿を壊す事はだけに集中する事だもちろんオレも攻撃をする」
「まさか、最終段階とは?」
「察しの通りださぁここからが本番だ、剣心」
余りの迫力に思わずオレは、怯むだがやるしかないと呼吸を整えへ構える。
「行きます」
「おう」
こうしてオレは、最終段階の修行に入った。あれから更に
五ヶ月が過ぎオレは、11歳になっていたが未だに皿は愚か師匠に掠り傷すら与えられない。
と言うのも、師匠も透き通る世界に入れるからそれも当然なのだが……
「どうした?剣心?もう終わりか??」
「いえ、まだやれます」
いい目だ、諦めるつもりは微塵をないな、コイツはまだまだ強くなる、いくら天賦の才を持っていようが強くなりたいと心から思わなければ、その才は磨かれる事はないからな。
そして13才になった頃
師匠とオレは何時もの様に向かいあっていた。
「行きます」
「おう」
師匠が返事をした瞬間、師匠は上空へと翔んだ。オレも迎え撃つべく上空へと翔ぶ。
「龍の呼吸。壱ノ型、龍縋閃!!!」
「龍の呼吸。弍ノ型、龍牙閃・対空!!!」
互いの技が衝突する!!!!!!
「剣心………………私は、貴方に傷付いて欲しくないのただ平和に」
「剣心…………………無茶は駄目だそ!!剣心!!!」
「おら!起きろ!!!剣心!!!!!」
「は!?夢???」
と剣心の、頬に涙が。
「全く技を放つのに全ての力を込めるから、オレの攻撃を回避出来ないんだまぁそうでもしないと、オレの皿を壊すなんざ無理だろうがな」
「え???」
ふと、師匠の腰に巻いてある皿に目をやるとパリッと音を起ててバラバラになっていた。
「これで全ての修行は、完了だ!!良くやった剣心!!」
「ありがとうございました」
「まぁでも、ぎりぎりだったがな、丁度もう時期鬼殺隊の最終選別があるからな」
「最終選別……………」
「心配するな!剣心!オレに一太刀入れる事が出来たんだ、その辺の鬼には負けはせん!」
「あの!師匠一つ聞きたい事があるのですが………」
「ん?何だ言ってみろ??」
「何故鬼殺隊を……戦線を退いたのですか??」
「理由は簡単、オレが上弦の鬼を殺り逃がしたからだ」
「上弦??」
「いずれわかるさ……………、さぁ剣心今夜は馳走だ、英気を養えよ!」
「わかりました」
その夜はかなりの豪華な食事だった、その時に師匠の鬼殺隊に所属していた頃の話しを聞いた。
次の日の朝
「ここから東に進むと、藤襲山と呼ばれる場所があるそこへ向かえ」
「わかりました、師匠お世話になりました」
「剣心、最後に言っておくオレはお前を不幸にする為に、剣を教えた訳じゃないからな」
「はい、ではオレはこれで」
これで、一段落だなこれからアイツがどう生きていくかは奴次第だがな、ちょっと寂しいが…………、さてとアイツのこれからの無事を祈って仏像でも掘るとするか。
次回、最終選別編長くなるかも
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コソコソ噂話
師匠はこの世界でも強いです。いずれ出番があるかも!?