行こう
ある月の綺麗な夜だった、そんな日に一人の男が鬼殺隊本部に足を踏み入れていた。
「ずいぶんと醜い姿をしているな?産屋敷」
そう鬼の始祖、鬼舞辻無惨が姿を現したのである。
「あぁそうか、やはり来たか無惨、あまね?無惨はどんな姿をしている?」
と輝哉は側で自身を支えている、妻あまねに問いかける。
「二十代前半男性の姿をしています、髪は黒く目は瞳孔が鋭いですそして輝哉外見は貴方にそっくりです」
「ありがとうあまね、やはりそうか君は我が一族から産まれ出たのか」
「それがどうした?そんな話しも千年以上も前の話しだ今更何も関係はない、それにそう気に病む事はないぞ?何せ貴様は此処で死ぬのだから」
「その前に無惨一つ君に確認したい事があるんだけど」
「遺言として聞いてやろう」
「君が死ねば全ての鬼は滅びるのかな?」
「…………………………………」
「どうやら当たりの様だね、それだけ分かれば充分だ」
無惨は輝哉に殺す為に、近付いて行くがその時隣の部屋の襖が何者かの手により破られる。
「!!!」
反応が一瞬遅れる無惨、其処に一人の剣士が距離を詰めて行く。
「お館様と話すのに気を取られすぎたな無惨、龍の呼吸、拾弐ノ型、九頭龍閃!」
無惨を屋敷より遥か後方へと吹き飛ばす剣心、そして追撃をすべく屈んで反動を付ける。
「剣心、後は頼んだよ」
剣心は頷き、無惨を追う。
「っち、一人潜んでいたかだがまぁいい直ぐに戻りあの鬼狩りも殺して」
その時無惨の腹を何者かが貫く、無惨は即座に自身の周りに衝撃波を放つと姿を消していた珠世が姿を見せる。
「貴様は珠世か?目障りな女だ!まだ私を恨んでいるのか?」
「当たり前だ!ただ私は子供の健やかな成長を見たかっただけだったんだ!それなのにそれなのに」
「逆恨みにも程がある、喜んで人を食べていたのは誰だ?貴様だろ?」
「そうだ!だから今日、お前を殺す!緋村さん!」
無惨が上空に視線をやると、追ってきた剣心が既に型を放つ態勢に入っていた。
「っち、貴様!」
「龍の呼吸、壱ノ型、龍槌閃!」
珠世を掴んでいた無惨の手を斬り裂き、珠世を安全場所迄逃し再び剣心と無惨は見つめ合う。
「珠世、どうやら私に何か薬を打ち込んだ様だな?」
珠世は黙っている。
その隙を付き、剣心は間合いを詰めて行く其処に他の柱達も到着する。
それに気付いた剣心が、声を上げる。
「こいつが無惨だ!こいつを倒せば全てが終わる!お館様は無事だ!」
柱全員頷き、皆無惨へと攻撃を仕掛ける。
「龍の呼吸、参ノ型」
「日の呼吸」
「蛇の呼吸、肆ノ型」
「風の呼吸、壱ノ型」
「岩の呼吸、伍ノ型」
「霞ノ呼吸、陸ノ型」
「恋ノ呼吸、参ノ型」
「蟲の呼吸、蝶ノ舞」
「水の呼吸、漆ノ型」
「雷の呼吸、捌ノ型」
全員が一斉に攻撃を仕掛ける瞬間、琵琶の音が辺りに鳴り響き全員突如現れた扉に無惨共々落とされる。
炭治郎は無惨に声を上げる。
「無惨!必ずお前の頸に刃を振るう!必ずだ!」
それに対し無惨も。
「やれるものならやってみせろ!今宵終わりのは貴様等だ!」
剣心は落ちる直前しのぶの方へと視線を送るしのぶはコクリと頷き皆鬼の根城無限城へと落ちて行くのであった。
「あまね、子供達は皆行ってしまったんだね」
「はい、今回の指揮は輝利哉がとっています、私達が出来る事は祈る事だけ」
「わかっているよ」
輝哉は涙を流しながら剣心とのやり取りを思い出す。
「お呼びですか?お館様」
「わざわざすまない、剣心あまねから既に聞いてると思うが無惨が必ず数日中に此処に姿を見せるだろう」
「はい」
「私を囮にし無惨を」
「お館様………それは他の柱達もそうだがオレは勿論承知しません、貴方には生きてほしいそれに後数日で全てが終わるそうすればお館様の呪いは解かれる筈です」
「剣心」
「それに見て欲しいんです、鬼のいない平和な世界を」
剣心は一人城の中を走っていた、所々から雑魚鬼が現れるが気にする事も無く斬り捨てながら進んで行く。
(この様子だと、オレだけはかなり遠くに飛ばされてるかもな)
別の屋敷にて、指揮を取る輝利哉、ひなき、にちか、くいな、かなたの五人。
「城の中に、鴉達も侵入した様だね、愈史郎さんの術も発動しているひなき状況は?」
「緋村様は城の恐らくは最奥に飛ばされてる様です、他の柱の皆さんもまだ上弦とは遭遇していません」
「やはり、剣心を無惨はかなり警戒しているか皆それぞれ無惨の元へ行く様に指示を頼むよ」
「なるほど珠世めこの薬は人間の戻る効果がある様だな、禰豆子にも使われている可能性が高いな急がねば…………」
無惨は一人城の中心部で回復に入る。
甘露寺は伊黒と行動を共にしていた、現れる雑魚鬼は殆ど伊黒が斬っている。
「醜い鬼共が、甘露寺の視界に入ることすら許さん!」
「きゃぁぁ普段も格好いいけど、今日は一段と格好いいわ!伊黒さん!」
「……………行くぞ」
「…………血の匂いそれにこの気配間違いない」
しのぶは一人廊下の突き当たりで辺りを見渡し、気配のする襖を開ける。
「ん?やっと来たのかい?、おや?君は確か」
その部屋にいた鬼は上弦の弐童磨だった。
「義勇さん!日の呼吸、烈日紅鏡」
「分かっている、水の呼吸、弐ノ型、水車」
二人はそれぞれに型を放ち、迫ってくる鬼を斬り刻む。
「義勇さん、行きましょう!」
「あぁ」
(これが炭治郎の使う始まりの呼吸か確かに、美しい剣技だな)
義勇と炭治郎は無惨の元へと移動を開始する。
(いるな、アイツがこの音間違いない)
一人城の中を走る善逸、ここで一つ違和感に気が付く雑魚鬼が一体足りとも姿を現さないからだこの城は鬼の本拠地おかしいと善逸は考える。
(それとも、オレを誘ってるのかその方が体力を温存出来るからありがたいがな)
「ここか」
襖を開けると其処には、善逸のかつての兄弟子そして悲鳴嶼の寺に鬼が襲ってくるきっかけを作った上弦の参、獪岳がいた。
「来たかよ、カス」
今作では獪岳は鬼としての才がある設定にしています、与えられた血の量は童磨よりも多いです。