オレは産まれてからずっと何に対しても恐怖を無く怒りを無く感動も無かった、鬼になってからもそれは同じだっただがあの夜を堺にそれは変わった。
鬼も元は人間、人間は何かに恐怖或いは負けられないと言う気持ちを糧にし成長をする、童磨の場合は死への恐怖そして緋村剣心への恐怖を糧にし成長をした。
(なるほど、この気配はあの時しのぶちゃんと一緒に現れた男かまぁいいさ柱が何人来ようが関係ないオレの獲物はあの男だけだ)
「おい、余所見かよぉ!風の呼吸、壱ノ型、塵旋風・削ぎ!」
再度実弥は童磨に向かい突進するが、それをぎりぎりで躱す。
「酷いなオレは今、自分の感情に浸っていたのにさ邪魔しないでよ」
其処にしのぶも蟲の呼吸を用いて攻撃をするが全て扇で防がれてしまう。
(何よこいつ、目は見えて無いんじゃないの?)
「っち、流石に同じ技は見切られちまうかぁ!」
実弥としのぶは変化を付けながら童磨に接近を試みるが。
「そんなんじゃあオレには近付けないぜ!血鬼術!呪氷吹雪!」
凍てつく冷気を実弥としのぶに向かって放つ、実弥は塵旋風・削ぎを連続で放ち冷気を風で相殺させるすかさずしのぶは童磨の腹に突きを食らわせる。
「近付いたわよ!この馬鹿!蟲の呼吸、蝶ノ舞、戯れ!」
「しのぶ!刺したら一旦距離をとれぇ!」
実弥の指示を聞きしのぶは距離をとり、毒が効いたかを確認するが。
「ふふ凄い威力だねこの毒は下弦の鬼なら瞬殺出来るよ、でも残念だね上弦の鬼の上位陣には通用しないな!」
何故童磨が目も見えていないのに正確に二人の位置を把握出来るか、理由は一つこの戦っている部屋全体を人形を至る所に配置している為だ、人形は目が見える人形から見た景色がそのまま本体童磨に伝わるその伝達速度は光よりも速い。
「ふふ、顔色が悪いよ?しのぶちゃん?さぁ今度はこちらから行くよ!血鬼術!千年氷牢」
二人が気付いた時には遅かった、二人の周りを氷の柱が囲んでいた。
(しまった、反応が遅れた)
(せめてしのぶだけでも)
「花の呼吸、玖の型、千本桜・影芳」
「獣の呼吸、獣化、陸ノ牙、疾風斬り裂き!」
新たに現れた二人の手によりしのぶと実弥は窮地を脱した。
「はーはっは!さぁ伊之助様の登場じゃーい!」
「貴方ねカナエ姉さんを凄いめに合わせた鬼は」
「ふーん今の攻撃を防ぐんだやるねぇ、それにしても其処の君は何?猪の毛皮?変わってるなはは」
「ごちゃごちゃうるせぇぞ!行くぜおら!!」
「待って伊之助!」
カナヲの静止を聞かず一人童磨に突っ込む伊之助。
「はは何か騒がしいな、血鬼術、冬ざれ氷柱!」
「っけ!効くかこんなもん!獣の呼吸、獣化、壱ノ牙強喰い噛み!」
二本の刀を用いて氷柱を砕いて行くがその間に童磨は伊之助との距離を詰める、そのまま伊之助を扇を使い後方へと弾き飛ばし腹を扇で貫こうとするが。
「一人で突っ込むなぁ!猪!風の呼吸、捌ノ型、初烈風斬り!」
「そうよ!アオイにチクるわよ!花の呼吸、肆ノ型、桜蘭散乱!」
二人の斬撃により童磨の両腕を斬り落とし、すかさずしのぶの突きを喰らわせるが毒を即座に分解し四人に向かって再び術を放つ。
「四対一かぁふふ楽しいな!血鬼術!大紅蓮氷龍!」
四体の氷龍がそれぞれに襲ってくる。
「やべーぞ!あれ!喰わうとやべえ!!」
「っち、いちいちうるせぇ!いいから黙って避けろぉ!」
「皆一つに固まるんじゃ無くて、くそ!」
「しのぶ姉さん!実弥義兄さん!ここは私が!」
カナヲが高速でうねりを上げながら迫ってくる氷龍四匹に狙いを定める。
「此処だ!花の呼吸、玖ノ型、千本桜・影芳!」
四匹が重なる瞬間に合わせて花吹雪を放つが四匹の氷龍を止める事は出来ず花吹雪を全て凍らせて龍達は更に威力を上げていく。
「っち、このままだと……………………………………」
氷の龍を躱すさなか伊之助の被っている毛皮が飛ばされてしまう。
「っち、クソ!」
童磨は龍を操作しながら伊之助の顔を見ながら昔殺したある女の事を思い出す。
「あれれ?その顔見た事があるねぇ!ねぇ君さ昔高い所から落ちた記憶とかないかな?」
「あぁ?そんなもん…………………………」
以前死にかけた時に見た、泣きながら自分を崖に落とす女性を。
「ふふある様だね!まさかあの時、見逃した子供がこうして親の仇をとりに来るなんて本当に運命って皮肉だね!」
「って事は何か、てめぇがオレのかあちゃんを殺したのか?」
「そうなるね!さぁ頑張って君の親の仇は今目の前にいるよ!」
「ゲスが」
「どうしてもアンタは此処で倒さなきゃいけない様ね!」
カナヲとしのぶも改めて童磨に対して敵意を燃やす。
「はは!燃えるのは結構だけどさ!この状況でどうするんだい?皆死ぬのも時間の問題だぜ?」
実弥は龍を躱しながら剣心との稽古を思い出していた、そしてカナエと玄弥のやり取りを。
「剣心の土龍閃を風の型に改良した型にするのも大変だなぁ」
「ですが全ての型は皆、一つから派生した物必ず出来ますよ」
「てめぇが言うならそうだよなぁ、よし続きと行くか」
「実弥さん、貴方は痣を出したいと思いますか?」
「思う、守りたい者を守る為ならオレは喜んで痣を出すぜぇカナエもわかってくるさ」
「兄ちゃん、オレはさ兄ちゃんこそ幸せになって欲しいんだ!だから絶対に死なないでくれ、オレは大丈夫だから!」
「実弥君は痣を出すつもりなの?」
「いざとなればな、今度は必ずしのぶをお前の大切な者を守り通す」
「馬鹿私にとっては実弥君も大切なんだよ?、それでも出すの?それに…………ね産まれて来るこの子はどうするの?」
「オレの子……………………、ならよぉその腹の子がデカくなったら伝えてくれやぁ」
実弥は龍を躱しながら、自身の体温そして心拍数が高まって行くのを感じ取る。
「お前の父親は大切なもん守る為に、全てを賭けれる男だとさ」
右頬に風車に似た奇妙な痣を発動させ、龍の群れの中へ単身攻め込んで行く。
実弥にも痣が。
痣を発動させるとデメリットの存在があまりにも辛いでもこうする以外に手はないから尚辛い。