五人全員が刃を赫くし無惨の身体を斬りつける。
(っち流石に五人全員が刃を赫くされては面倒だな)
無惨は腕の再生速度を早め攻撃を続けて行く。
「いい加減てめぇの攻撃にも慣れてきたぜぇ!おらぁ!」
「雷の呼吸、捌ノ型、雷光一閃突き」
鋭い風を帯びた斬撃が無惨を斬りつけ雷が如き剣技で左腕を斬り裂いて行く。無惨は二人に攻撃をしようとするが。
「水の呼吸、参ノ型、流々舞い」
「蛇の呼吸、参ノ型、塒締め」
死角をつき義勇、伊黒が更に無惨の身体を攻撃し一瞬動きを止めた所に行冥の鉄球が胸元を抉る。
「…………………………………………」
「カナヲ!ちゃんと皆に薬を注入出来たわね?」
「出来たわ!しのぶ姉さん!他にする事はある?」
「おい!しのぶ!俺もあのキモい鬼と闘いてぇ!」
「お館様からの指示に従いなさい!貴方達は強いけど柱達は皆連携をとっているの行っても邪魔になるわ!」
しのぶの言葉に黙る伊之助。
「でも紋壱だって命を賭けて闘ってるのに親分のオレガ」
「伊之助悔しいのは伊之助だけじゃない此処で治療をしている隠、他の隊士達も悔しいんだよ」
「ウン」
「カナヲは炭治郎君に呼び掛けあげて!伊之助君も!」
しのぶの指示を聞き、二人は愈史郎の治療を受けている炭治郎の元へと駆ける。
柱達の闘いを隠達は離れた所で固唾を飲んで見守っている。隠達は皆思った、このまま無惨をこの場に留める事が出来るのではないかとだがそう考えた次の瞬間突然大きな地震が起きた、隠達が顔を覗くと。
柱達は吹き飛ばされていた姿が見えない為生死もわからない。
「よく頑張ったが所詮は人間つまらぬ幕切れだったな、ん?」
無惨は吹き飛ばした方を見ると、不死川はまだ立ち上がろうとしていた。
「ほうあれを喰らってまだ立てるかだが無駄だ、お前は死ぬどうだ?鬼にならないか?私の手駒にしてやろう」
「誰がなるかぁ!クソがぁ!」
「ならば死ね」
腕を不死川に向かって放つ、不死川は怪我の影響からか上手く身体を動かせないだが。
「兄貴!」
間一髪の所玄弥が実弥を助ける。
「玄弥てめぇ、一人で何しに来たぁ?馬鹿がぁ殺されるぞ」
「兄ちゃん俺一人じゃないよ!」
無惨の腕が二人に迫るが一人の剣士が二人の前に現れ腕を赫刀も無しに容易く斬り刻む。
「実弥さん、そして皆俺が来るまでよく堪えてくれた後は任せろ」
「剣心………………遅ぇんだよてめぇは」
「玄弥、実弥さんをそして隠達と協力して他の皆を」
「わかりました!頼みます」
(赫刀も無しに私の腕を斬れるかなる程、黒死牟を倒しただけはある様だな)
「どうした?自慢の硬い身体を豆腐の様に斬られた事に動揺してるのか?」
「こんな傷にもならぬ事にいちいち動揺などしない、それにしても貴様は随分とゆっくりな登場の仕方だな」
「まぁなお館様の指示には逆らえまい」
「貴様は出て来るべきではなかったな貴様を殺せば文字通り鬼殺隊は崩壊する」
「違うな崩壊するのはお前だ無惨」
剣心はゆっくりと無惨へと近付いて行く。
「龍の呼吸、参ノ型、龍翔閃」
「!」
神速の斬り上げにより無惨の右腕は斬られるが、赫刀でないが故に腕は即再生するが。
「龍の呼吸、捌ノ型、双龍閃」
鞘を使い即再生を阻止する。そのままその場で腕を斬っては鞘を使っての繰り返し膠着状態になる。
「どうした?このまま続けて行けば体力切れを起こすぞ?」
鞘と剣の波状攻撃を強めて行き一気に無惨との距離を詰めて行く。無惨もそれを防ぐ様に腕の攻撃速度を早めて行くが剣心は一歩早く懐へと入る。
「何も斬るだけが剣士の闘い方だと思うな」
「何だと?」
「龍の呼吸、捌ノ型、双龍閃・一閃」
斬撃を周囲に細かく放ち胸元に鞘を思いっきり突き出し近くの建物に無惨を吹き飛ばす。これには離れた所で見ていた隠や隊士達はもはや剣心は人の域を超えているそう感じた。
「包帯を用意して!柱の皆さんを用意した布団の上に寝かせて!」
しのぶは一人隠、隊士、カナヲ達に指示を出し医療現場の指揮をとる。絶えず激しい衝撃音が聞こえ剣心の身を案じながら一人奮闘するがやはり指示が間に合わなくなる。
(糞一人では柱の皆さんを……………………どうすれば)
「私も手伝います。蟲柱様ご指示を」
凛とした声が辺りに響く、しのぶが振り返ると姉胡蝶カナエがいた。
「姉さん」
泣きたくなるのをぐっと堪えてしのぶはカナエに指示を出し二人で柱の治療に入る。
「炭治郎!炭治郎!眼を覚ましてよ!お願い!」
カナヲは必死に炭治郎の名を呼ぶがまだ意識は戻らない。
剣心は無惨を飛ばした方へ歩いて向かっていた。
「おいお前の力がこの程度では拍子抜けだぞ?」
その瞬間建物は吹き飛び中から怒りの表情を浮かべる無惨が出て来た。背中にも八本の触手を纏い。
「舐めるなぁ!私をよっぽど怒らせたい様だな!」
腕と触手を同時に放つ剣心は一旦無惨との距離を取り建物の壁を走り攻撃を回避する。
(壊した建物はお館様が何とかするだろう、それにこの付近一体に人の気配はないか)
「龍の呼吸、陸ノ型、土龍閃!」
壁を走りながら一瞬壁に立ち衝撃波を建物に放ち、無惨が立っている方へと倒す。
「こんな物で私が止まるかぁ!」
腕、触手を使い迫る建物を破壊するが、無惨は剣心の姿を見失う。
(奴はどこだ?逃げたか?)
「龍の呼吸、拾壱ノ型、戦乱龍撃閃」
瓦礫の隙間から斬撃を纏った突進を喰らい無惨は上空へと翔ばされる。剣心も上空へ翔び追撃を仕掛けるが触手が次々と襲ってくるが上空で拾ノ型を駆使して躱す。
「っち!ならばぁ!」
腕を伸ばし建物の一部を剥ぎ取り剣心へ向かってぶん投げ、剣心は地上へ降り避ける。
「人の真似を」
「黙れ!」
再び地上戦になる剣心は迫る攻撃を避けると言うよりも勝手に身体が反応する。即ち上弦の鬼と闘ったあの状態になっている。
(妙だな奴の避け方まるで勝手に避けている様に見える)
触手と腕を束ねて放つが難なく躱す。
「龍の呼吸、弐ノ型、龍牙閃」
突きを放ち胸元を抉るがそれは無惨の罠だった。
(勝手に身体が反応するのならば、反応出来ない攻撃をすればいいだけ!)
パギャと歪な音と地鳴りが発生し剣心の腹と肩に無惨の攻撃が当たる。
(足からもか何処からでも触手が出せるのか)
剣心は飛ばされるが刀を地面に突き刺しブレーキをかけその場で止まり、無惨の位置を確認しようとするが触手が迫ってくる。
(休む間も無しか)
上空へ翔び避けようとするが。
「馬鹿め!死ぬがいい!!」
全方位回避不可能の攻撃を放ち勝利を確信する。
「龍の呼吸、伍ノ型、龍巣閃」
全方位の攻撃を全て斬る。
(何!だが何度斬ろうが私の身体は…………………………何だと再生が)
無惨は驚愕の表情を浮かべながら剣心の方を見る。そこには頬に龍の痣を浮かべ赫刀を発動している剣心がいた。
「行くぞ無惨、身体の再生は終わったか?」
「減らず口を言うその頭蓋一つたりともこの世には残さん!」
「カァカァ夜明け迄、五十分!五十分!カァ!」