「今日も良い天気だ」
出久はそう言いながら街の中を歩いている。
両手には買い物袋を抱えている。
「それにしても相変わらずと言うかなんと言うか」
出久が街の周りを見渡すとヴィランが暴れている。
それを抑えるべくヒーローが駆け寄ってくる。
そんな様子に「賑やかだな-」と呟く。
そこでふと昔の自分を思い浮かべる。
ヒーローに憧れていた頃に。特に大好きだったオールマイトに密着していたが。
しかし今の自分はヒーローに対して何も粘着したい程とは思わなくなった。
もしまだ怯えて震えていて助けを求めていた自分にヒーローが駆けつけてくれたなら僕はよりいっそうヒーローの事が好きになっていただろう。
しかし現実はそううまくできていなかった。
結局誰も助けには来てくれなかった。
そのせいで今はこんな風な自分に仕上がってしまった。
しかし出久にとっても嬉しい限りだとは思った。
自分が生まれもって入れる筈の個性は結局は無かったけど狂った研究者が僕の脳をいじくりなんか才能と言うものを植え付けてくれたお陰で沢山の個性が使えるようになったし個性なしでも何でもできるようになった。
頭も良い視力も良い運動能力も高かれば身体能力だって同じだ。他には料理だってできるし必要ないけどアイドルだってできるんだよね。(そもそもアイドルなんてしない)まだまだ出きることは沢山あるがあくまでも僕が求めていたのは個性の方だ。
そんな個性を一度研究者に向かってぶっぱなした事はあるけどあれ以来封印しているのであまり使うこと無い。
下手をすれば地球そのものをいや宇宙その物を消す可能性だってある。
以後気をつけるようにしなければ。
もし使うならあまり危険のないような個性を使ってみようかなと出久は考える。
それでも注意はしておかなければならないが。
「でもこんなものは結局は与えられただけの力だ」
いくら個性がすごいからと言って調子にのってはいけない。
下手をすれば自分の身を滅ぼしかねないのだから。
そんな風に考えていると周りが一気に騒がしくなりそちらに振り向いて見るとヘドロのような物が暴れている。
そしてそのヘドロの中には何かがいてもがいている。
「かっちゃん」
そう呟く出久。そうあれは間違いなく出久の知っている爆豪だった。もう昔、10年前以来だけどずいぶんと大きく変わったんだと思う。
そんな彼がどうしてあんなところにいるのだろうと才能で分析する。
あちこちにはヒーローがいる。何とかしようと対策を考えているみたいだがあのヘドロではどうにも出来ないと判断してかどうすれば良いのか思い悩んでいる。
一方あそこにいるのはオールマイト。あの似てもにつかない姿だがあれは間違いなくオールマイト。出久はあらかじめオールマイトがなであんな姿になってしまったのかは調べておいた。
しかし今はそんな事はどうでも良い。どうみても彼がへまをやらかしたのだろう。
そんなことよりなぜそんなところでボケーと突っ立っている。なぜ助けに行かない。
「ヒーローとしての活動限界が来ているからか」
はあ、と出久は溜め息を吐く。
仕方がないと思いつつヘドロに近づく出久に他のもの達が呼び止めようとするが無視をする。
普通にゆっくりと近づいてくる出久にヘドロはこちらに目を向ける。
そしてとらえられている爆豪も驚いた目でこちらを見つめる。
「…デ、ック!」
爆豪は今にも苦しそうにしているので出久は腕を軽く振るう。
それだけでヘドロはきれいに吹き飛んだ。
それを見たもの達は驚きの表情でこちらを見つめている。
ヒーローも同じくと言ったところ。
「はあ、…っはあ!」
爆豪は息を荒く吐いてこちらを睨みつける。
個性使わない出久あまりにも強くしすぎましたかね。
これじゃあ個性ある必要ががが……
いろいろおかしいところがありますが良かったら感想お願いします。