俺が信じる道   作:アイリエッタ・ゼロス

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見舞い

「だいぶ顔色は良くなってるな」

「あぁ。かなり体調は良くなったからな」

「そうか。あ、これ見舞いの品な」

「わざわざ悪いな」

 俺は上杉が入院している病院に来ていた。そして、俺はポカリやらフルーツが入った袋を

 ベッドの横にある荷物置きに置いた。

 

「今更だが、よくこんな高そうな部屋に入院できたな」

「アイツらの親父さんが入院費を出してくれるんだとよ。俺としては助かったけどな」

「へぇ....」

「(二乃の親父さん、医療関係の仕事だったのか)」

 そう考えていると、突然扉が開いた。

 

「はぁ、はぁ....」

 中に入ってきたのは、何故か汗をかいている二乃だった。

 

「二乃」

「こ、胡蝶君!」

 二乃は俺がここにいる事に驚いている様だった。

 

「どうした? そんな汗だくで」

「ちょっと厄介な事に巻き込まれてるの。悪いけど、私がここにいるのを黙ってて」

 そう言うと、二乃は上杉が寝ているベッドの向かいのベッドに隠れた。

 

「何だったんだ?」

「....さぁ?」

 そうして話していると、再び扉が開かれた。

 

「上杉さん! ここに二乃が来ませんでしたか?」

 入院室の外から顔を見せたのは四葉だった。その後ろには、何故か一花と三玖もいた。

 

「お前ら....」

「あれ? カズミ君もいたんだ?」

「学校を休んでフータローのお見舞い来てたの?」

「違う。用事の帰りにここに寄っただけだ」

 そう言いながら俺は立ち上がった。

 

「ま、渡す物は渡したし俺は先に帰るぞ。上杉、さっさと治せよ」

 俺はそう言うと上杉の病室から出た。そして、俺が病院を出ようとした時、自販機で何かを

 買っている五月を見かけた。すると、五月は俺に気づいたのか俺に近づいてきた。

 

「こんにちは胡蝶君。こんなところで何をしているんですか?」

「上杉の見舞いだ。お前も一花達と同じで上杉の見舞いか?」

「....まぁそんなところです」

「そうか。....んじゃ、また明日」

 そう言って俺が立ち去ろうとした時....

 

「あ、胡蝶君」

 俺は五月に呼び止められた。

 

「何だ?」

「あの、体調は大丈夫なんですか?」

「体調?」

「その、林間学校の帰り、顔色が悪そうだったので....」

「....あぁ。もうすっかり良くなった。明日は普通に学校に行く」

「そ、そうですか....」

「....んじゃ、また明日な」

 そう言って、俺は五月にそう言ってその場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜その頃〜

 

「もしもし。今大丈夫か?」

『えぇ。大丈夫ですが、どうかしたんですか? 氷室さん』

「....今日、神谷達を轢き殺した車のメーカーと車体が分かった」

『っ!? 何処からその情報を....』

「一海君だ。記憶が少しだが戻ったらしい」

『一海君が....』

「悪いが、お前の方でも調べておいてくれないか?」

『分かりました。何か分かったら連絡しますよ』

「あぁ。頼んだぞ、()()

 

 

 




内海 成彰
警視庁特別捜査官 サイバー犯罪捜査官の巡査部長
氷室や石動、神谷夫妻の同級生
警察を退職した氷室の代わりに警察内部で神谷夫妻を殺害した犯人を追っている

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