俺が信じる道   作:アイリエッタ・ゼロス

2 / 23
転校生

「焼肉定食、焼肉抜きで」

「....お前、相変わらずだな」

 俺は目の前でそんな注文をする奴にそう言った。

 

「っ! なんだ一海か。知ってるだろ、俺の事情も」

「あぁ。....俺の唐揚げ分けてやろうか?」

「い、いらん!」

「....そうか」

 そう言いながら俺は上杉の後ろを歩いた。

 そして、上杉がいつもの席にトレーを置いた瞬間、同じタイミングで

 別の生徒が同じ席にトレーを置いた。

 相手の方を見てみると、黒薔薇女子の制服を着た生徒だった。

 

「あの! 私の方が先でした。だから隣の席に移ってください」

「ここは俺が毎日座っている席だ。あんたが移れ。

 それに連れがいる」

 そう言って上杉は俺の方を見た。

 

「関係ありません。早いもの勝ちです!」

「....はぁ。上杉はそこに座れ。俺が隣に座る。

 あんたもそれでいいだろ?」

 そう言って俺は隣の席に座った。

 

「....わかりました」

「別にお前が動く必要はないだろ....」

 そんな事を二人は言いながら席に座って昼飯を食べ始めた。

 すると、黒薔薇の生徒は飯を食べながら勉強をしている上杉に

 注意をしていた。

 そして上杉の見ていたテストを見て固まっていた。

 

「上杉風太郎君。得点は....100点....」

「あぁぁ〜〜! めっちゃ恥ずかしい!」

「....やめてやれ上杉」

「わざと見せましたね!」

「さて、何の事だか」

「うぅ....勉強が出来ないので羨ましいです」

 すると、黒薔薇の生徒は何かを思いついたのか手を叩いた。

 

「そうです! せっかく相席になったんです。勉強を教えてくださいよ」

「ごちそうさまでした」

 上杉はその子の言葉を無視して席を立った。

 

「えぇ!? お昼それだけで足りるんですか? 私の少し分けましょうか?」

 黒薔薇の生徒は少し心配したようにそう言った。

 

「満腹だね。むしろあんたが頼みすぎなんだ。太るぞ」

「ふとっ....」

「おい上杉、今のは....」

 上杉に少し注意をしようとしたら、上杉はポケットから携帯を

 取り出してどこかに行ってしまった。

 

「何ですか! あの無神経な人は!」

「俺の連れがすまなかった....」

 俺は黒薔薇の生徒に謝った。

 

「あ、あなたは悪くないんですから! 気にしないでください!」

「そうは言ってもだな、って....」

 俺が黒薔薇の生徒をよく見ると、昨日男に絡まれていた女の子に似ていた。

 

「どうかしました?」

「あんた、俺とどこかで会ったことがないか?」

「? いえ、あなたは初めて会ったと思うんですが....」

「そうか....」

「(他人の空似か?)」

 そんな事を考えながらも、俺は飯を食べ終えた。

 

「じゃあな転校生。....後、上杉が悪かった」

 俺はそう言って立ち去ろうとしたら....

 

「待ってください! あの、名前教えてもらってもいいですか?」

「....胡蝶 一海だ」

「胡蝶君ですか。私は中野 五月です。同じクラスだったらよろしく

 お願いしますね」

「あぁ。じゃあな中野」

 俺はそう言って立ち去った。

 

 

 〜教室〜

 

 教室でしばらくイヤホンで音楽を聴いていたら担任が教室に

 入ってきていた。

 

「全員席につけー。後、胡蝶はイヤホンを外せ」

 俺はイヤホンを外してケースに直した。

 

「えぇー、何人かは知ってると思うが今日からこのクラスに

 転校生が入ってくることになった」

 担任がそう言うと、教室内は騒がしくなった。

 

「少し静かにしろー。転校生が入りにくいだろー」

 担任がそう言うと教室内は静かになった。

 

「よし、じゃあ入ってきてくれ」

「失礼します」

 そう言って教室に入ってきたのは....

 

「え....」

 俺が昨日助けた女の子だった。

 

「じゃあ中野、自己紹介を」

「はい。中野 二乃です。今日からよろしくお願いします」

 そう挨拶すると、教室内は拍手が巻き起こった。

 

「じゃあ中野は....胡蝶の横に座ってくれ」

「はい」

 担任がそう言うと、中野は俺の隣の席の方に歩いてきた。

 そして、俺の顔を見ると驚いた表情になった。

 

「君は昨日の!」

「....昨日ぶりだな」

「....まさか、同じ学校だなんて」

「それは俺もだ。ま、よろしくな中野」

「えぇ、こちらこそよろしくね。えっと....」

「胡蝶 一海だ」

「胡蝶君ね。よろしく胡蝶君」

「なんだ、胡蝶の知り合いか。色々教えてやれよ胡蝶」

 そう言って担任は授業を始めた。

 

 

 〜授業中〜

 

「えぇ〜、ここはじゃあ....中野」

「は、はいっ!」

 数学の授業中、担任が中野に問題を解く様に言った。

 だが、中野はわからないのか困惑していた。

 

「....中野」コソッ

 俺は自分のノートに問題のところに赤丸を書いて、こっそり中野に渡した。

 

「! えっと....」

 中野は赤丸をしたところを読んでいった。

 

「おっ、正解だ。えぇ、中野が言った通りにだな、この問題は....」

 担任は中野の答えを聞いて答えを黒板に書いていった。

 

「ありがとう」コソッ

「....気にすんな」コソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お気に入り登録ありがとうございますm(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。