甘奈side
「....? あそこにいるのは....」
ある日の土曜日、雨の中の買い出しの帰りに私はある人を見つけた。
「....二乃ちゃん?」
私が見つけたのはずぶ濡れの中、スーパーの屋根で雨宿りしている二乃ちゃんだった。
「あなたは確か....甘奈さん....?」
「こんな所でどうしたの? それにずぶ濡れになって....」
私はそう言いながら二乃ちゃんの様子を見た。二乃ちゃんの服装は部屋で着るようなもので、
財布や携帯を持っている様子はなかった。
「(....見たところ家出って言ったところかな)」
そう思い、私は二乃ちゃんにこう言った。
「二乃ちゃん、ちょっとうちに寄っていきなさい」
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「ただいま」
「お、お邪魔します....」
家に帰ってくると、店の前の看板などは片付けられていた。恐らく、一海君が全て片付けて
くれていたのだろう。
「お帰りなさい甘奈さん....って、二乃!? お前どうしたんだよ!」
一海君は二乃ちゃんがいる事と様子に驚いてそう叫んだ。
「一海君、取り敢えず二乃ちゃんに何か服貸してあげて」
「わ、わかりました!」
一海君はそう言って、階段を上がって自分の部屋に戻っていった。
「二乃ちゃん、私についてきて」
そう言って、私は二乃ちゃんをお風呂場まで案内した。
「一応シャンプーとかリンスは揃ってるから。好きに使ってくれたら良いからね。あと、
お湯も溜まってるからゆっくり入って」
「あ、ありがとうございます....」
私は二乃ちゃんにそう言うとお風呂場から出た。すると、一海君が着替えを持ってきた。
「あ、一海君。着替えは私が置いておくよ」
「わかりました」
そう言って着替えを受け取った時、一海君の携帯が鳴った。
「すいません。ちょっと出てきます」
そう言うと、一海君は上の階に行った。
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一海side
電話が鳴り、階段を上がって画面を見ると、電話をかけてきたのは一花だった。
「もしもし。どうした一花?」
『あ、ごめんカズミ君。忙しい時に....』
「別に今は大丈夫だが....どうかしたのか?」
『うん。その、二乃と五月ちゃんがケンカしちゃってさ....二人とも家出しちゃったんだよね』
「そうか。家出か....家出!?」
一花の言葉に俺は大声が出てしまった。
『うん....』
「一体何があったんだよ!」
『その、二乃がフ―タロー君が作った問題集を破ってね。それに怒った五月ちゃんがビンタして
大喧嘩になっちゃって....私や三玖も止めようとしたんだけど止められなくて....』
「....そうか。取り敢えず、二乃ならさっき俺の家に来た」
『ホントに!?』
「あぁ。甘奈さんに頼んでしばらく家に置いてもらうように頼んでおく」
『そっか。ごめんね、迷惑かけちゃって....』
「別に良い。後は五月だが....携帯は?」
『家に置きっぱなしだよ』
「そうか。なら、少し探してくる。後で折り返し電話する」
そう言って電話を切り、濡れてもいい服に着替えて俺はバイクに乗って五月を探しに行った。