「あ、シャンプーとか分かった?」
「は、はい。ありがとうございました....」
「良いの良いの! 今コーヒー淹れるね」
お風呂から上がった私に、甘奈さんはそう言った。そして、少しすると甘奈さんは
私の前にコーヒーを置いてくれた。
「砂糖とミルクはいる?」
「は、はい」
「OK! ....はい、どうぞ」
「ありがとうございます....」
私はコーヒーに砂糖とミルクを入れて一口飲んだ。
「っ! 美味しい....」
「口にあったのなら良かった」
そう言いながら、甘奈さんは私の方を見て笑っていた。そして、甘奈さんは何も言わず
テレビを見ていた。
「....あの。何も聞かないんですか?」
私はこの空気に耐えられず甘奈さんにそう言った。
「....まぁね。見たところ、家出したって事はわかるからね」
「っ....」
「部屋着で財布も携帯も持ってないようだったからね。何となくすぐ家出だってわかったよ」
甘奈さんの言葉に私は何も言えなかった。
「ま、一応家出した理由は私は聞かないでおくよ。二乃ちゃんが言いたくなったら聞かせて
もらうね」
「....ありがとうございます」
「いいのいいの!」
甘奈さんはそう言うと椅子から立ち上がりキッチンの方に向かっていった。
「二乃ちゃん、とりあえずしばらくはこの家にいて良いから。でも! ここの家にいるからには
色々と手伝ってもらうよ! 二乃ちゃん料理できるんでしょ?」
「は、はい」
「よし。なら、少し晩御飯を作るの手伝ってもらうよ。良い?」
「わ、わかりました」
そう言って、私はキッチンに連行された。
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一海side
「疲れた....」
バイクで二乃の家の周りやこの周辺に五月がいないかを探した俺は家に帰って来た。
結局五月は見つからず、俺はずぶ濡れになっていたので風呂に入り部屋着に着替えて
リビングに向かった。すると、リビングでは甘奈さんと二乃が料理をしていた。
「あ、おかえり一海君」
「お、おかえりなさい....」
「た、ただいま....何やってんだ二乃?」
「その、晩御飯のお手伝いを....」
「二乃ちゃんにはしばらく居候してもらうから。だから料理のお手伝いをしてもらってるの」
「へぇ....って、居候!? 良いんですか?」
甘奈さんの言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
「良いよ良いよ。この雨の中追い出す方が可哀そうだし。一海君、布団と毛布出して自分の
部屋に持って行ってくれる?」
「わ、わかりました」
そう言って、俺はリビングから出て布団を自分の部屋に持って行ったのだが、一つ気づく事が
あった。
「(....ちょっと待て。布団をここに置くって事は二乃はここで寝る気か!?)」
~同時刻~
「(待って....布団を胡蝶君の部屋にって、私、胡蝶君の部屋で寝るの!?)」