俺が信じる道   作:アイリエッタ・ゼロス

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二人の夜ともう一人の家出娘

「あ、あの、お邪魔します....」

「あ、あぁ....」

 晩飯も食べ終わってそれなりに時間が経ち、俺の部屋には二乃が来ていた。だが、

 お互いの間にはどこか緊張した空気が漂っていた。

 

「(落ち着かねぇ....)」

「....そろそろ寝るか?」

 俺はこの空気に耐えられず二乃にそう聞いた。

 

「え、えぇ....」

「そうか。布団で大丈夫か?」

「大丈夫....」

「そうか。じゃあ、おやすみ....」

「おやすみなさい....」

 そう言って俺は電気を消してベッドに入ったのだが....

 

「(寝れるか....)」

 隣に二乃がいるというのを理解していたので眠るにも眠れなかった。すると....

 

「....一海君、まだ起きてる?」

 布団で寝ているはずの二乃がそう聞いてきた。

 

「....あぁ。どうかしたか?」

「....今日はごめんね。私のせいで迷惑かけて....」

「俺は別に気にしていない。....謝るのは俺じゃなくて、上杉と五月だろ? 二乃も、

 それぐらいはわかってるんだろ」

「っ! それは....」

「二乃。お前は優しい奴だ。だからこそ、お前がやった事が人を傷つける事ってのは

 わかってるだろ」

「....」

「謝れるなら、謝れるうちに謝ったほうが良いぞ....」

 俺のその言葉を最後に、二乃は何も言わなくなった。そして、俺はそのまま眠りに就いた。

 

 ~~~~

 次の日

 

「急に呼び出してごめん、カズミ....」

「別に良い....それよりも急に呼び出してどうした?」

 俺は三玖に呼ばれて中野家に来ていた。

 

「これ、二乃に渡して欲しくて」

 そう言って三玖が見せてきたものは学校のカバンとキャリーケースだった。

 

「学校の教科書とメイク道具と服。今カズミの家にいるんでしょ? だったら必要と思って」

「そうか。....お前が渡さなくていいのか?」

「....うん。二乃、今は私達に会いたくないと思うから」

「....そういえば、一花と四葉は?」

「一花は撮影、四葉は朝から出かけたからわからない」

「そうか....」

 そう言いながら、俺は部屋を見渡した。

 

「この部屋、こんなに広かったんだな....」

「私も思った....ケンカなんて今まで何度もあったけど、こんなに大きなケンカは初めて....」

「....五月は見つかったのか」

「まだ。カズミに渡したら探しに行こうと思ってた」

「そうか。なら俺も付き合うぞ。二人で探したほうが早いだろ」

「....ありがとう」

 

 ~~~~

 

「図書館にショッピングモールにはいない....」

「飲食店にも公園にもいない....あと行くとしたら何処だ?」

 三玖と共に、俺は五月がいそうな所を探していたのだが予想を付けた場所には五月の姿は

 無かった。

 

「仕方ない....最後の手段を使う」

「最後の手段?」

 そう言うと、三玖は髪形を五月の髪型に変えて近くを歩いている人に話しかけに行った。

 

「すみません、こんな子を見ませんでしたか?」

「あぁ、それならさっき....」

「(嘘だろ....?)」

 

 ~~~~

 

「向こうの方で見たって。黒髪短髪で目つきの悪い男の子といたみたい」

「それって....」

「うん。多分....」

 三玖と俺の脳内に出てきた人物は一人しかいなかった。

 

「取り敢えず、あっちの方って事は家だろうな....行くぞ三玖」

「うん」

 そう言って、俺と三玖はある人物の家に向かった。

 

 ~~~~

 

「あ! 胡蝶さん! それに三玖さん!」

 しばらく歩いて着いたのは上杉の家だった。

 

「ようらいはちゃん。上杉いるか? いるんだったら少しお邪魔したいんだが....」

「お兄ちゃんならいますよ! 三玖さんもどうぞどうぞ!」

「う、うん。お邪魔するね」

 そう言われ、家に入るとそこには....

 

「....いた」

「人が必死に探してる時に呑気にカレーとは....随分なご身分だな五月」

 皿いっぱいに盛られたカレーを食べている五月がいた。

 

 

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