俺が信じる道   作:アイリエッタ・ゼロス

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花火大会

 あのテストを受けて数日が経った。

 上杉に現状を聞くと、現在真面目に受けているのは

 三玖と四葉らしい。

 

「....で、普通に考えたら上杉って奴マズイんじゃね?」カチカチ

「だよな....」カチカチ

 そんな話を俺は隣にいる中学時代からの友人の龍牙に話していた。

 

「てか、よくそんなバイトを受けたよな」カチカチ

「まぁ、あいつにも事情があるんだよ。....てか貰ったぞ」

「あ!? しまった!」

 俺の使っていたゲームのキャラクターは龍牙のキャラクターを吹っ飛ばした。

 

「これで俺の7連勝だな」

「くっそー! もう一回、もう一回だけ!」

「そのセリフ何回目だよ....」はぁ

「頼むって! 次負けたら自販機でアイス奢るから!」

「....わかった」

 そう言って俺は100円を入れた。

 

「よっしゃ! 次こそ勝つ!」

 

 〜数分後〜

 

「アイスご馳走さん」

「なぜ勝てねぇんだぁぁ!!」

 俺は龍牙に奢ってもらったアイスを呑気に食べていた。

 

「そういや、最近小倉とはどうなんだ?」

 俺は不意にそう言った。小倉は龍牙の彼女の名前だ。

 

「香澄か? そんなもん、バリバリ仲が良いに決まってるだろ! 

 この前も遊園地にデートに行ったばかりだ」

「へぇ、お熱いことで....」

「ほんと、お前には感謝してるぜ。あの時お前が背中を

 押してくれなかったら香澄とは付き合えてなかったからな」

「よせよ。俺は何もしてねぇって」

「謙遜すんなって!」

 そう言って龍牙は俺の背中を叩いてきた。

 

「....そういや、今日花火大会だけどお前行くのか?」

「あぁ、当たり前だ! もちろん香澄とな」

「そうか。なのに、こんな呑気に俺とゲーセンにいて良いのかよ?」

「しゃあねぇだろ。夕方まで暇だったんだよ」

「....はぁ、たまたま俺が暇で良かったな。暇じゃなかったら

 どうしたんだ?」

「んなもんジムに行く」

「この脳筋め....」

 そう言って話していたら龍牙の携帯が鳴った。

 

「悪りぃ、香澄からだ。もしもし香澄か?」

 龍牙は電話をしながら離れていった。

 

「(....さて、どうしたもんか)」

 俺は携帯を触りながら上杉の家庭教師の事を考え始めた。

 

「(数日経って二人だけしか受けてないって相当マズイな。

 五人教えないといけないのにまだ半分もいってない....

 バレたら最悪クビの可能性もあるな)」

 上杉は五人の家庭教師を頼まれているのに、未だに二人だけしか

 受けていない。

 そもそも二乃と五月に関しては上杉の事を毛嫌いしている。

 一花に関しては謎でしかない。

 

「(二乃、俺には普通に聞くのにな....)」

 同じクラスの二乃は、授業の時に分からないところがあれば

 俺には普通に聞いてきたりしていた。

 

「(....一度話を聞いてみるか)」

 そう思いながらアイスの棒を捨てたら龍牙が帰ってきた。

 

「終わったのか?」

「あぁ。それとスマン! 今から香澄の家に行ってくる!」

「そうか。ならさっさと行け、このリア充」

「悪りぃな。今度昼飯奢るわ」

「おう。じゃあな」

 そう言うと龍牙は手を振って去っていった。

 

「(さて、どうすっか....)」

 そう思ってゲーセンの中を歩いていたら後ろから声をかけられた。

 

「あれ、胡蝶君?」

「....五月か」

 後ろにいたのは五月だった。

 

「五月さーん、どうしたの? って、胡蝶さん! こんにちは!」

「一海!」

「よう、らいはちゃん。てか、上杉も一緒か。こんなとこで

 何やってんだ?」

 五月の後ろから上杉と、上杉の妹のらいはちゃんが現れた。

 

「実はな....」

 今日の朝、上杉は五月から家庭教師代を貰ったらしい。しかも、かなりの金額を。

 そして、いつも苦労させているらいはちゃんの行きたいところを

 聞いた結果、ゲーセンに来たらしい。

 

「で、なんで五月もいるんだ? デートか?」

「「誰がこいつ(この人)と!」」

「息ぴったりだな」

「胡蝶さんも一緒に遊びませんか?」

「良いぜ。何する?」

 そう言って俺は三人についていった。

 シューティングゲームをやり、UFOキャッチャーでらいはちゃんと

 五月にぬいぐるみを取ってやったりした。

 そうしていたら、既に外は夕方になっていた。

 

「はぁ、せっかくの日曜日が....」

「そう言うな。らいはちゃんも喜んでたんだ。てか、今から

 帰ってやったら良いんじゃないか?」

「それもそうだな。五月、お前らも夜は勉強しろよ」

 上杉が五月に向かってそう言うと、五月は突然方向転換した。

 

「おい、怪しいな。宿題は出ただろ。終わらせたのか」

「つ、ついてこないでください!」

 そう言ってごちゃごちゃしていたら、らいはちゃんが俺に聞いてきた。

 

「胡蝶さん、五月さんが四人いる....」

「何言ってんだらいはちゃん?」

 俺はらいはちゃんの方を見ると、そこには浴衣姿の二乃達がいた。

 

「って、お前らか....」

「おまたせ五月。早く行こ」

「あれ、デート中だった。ごめんね〜」ニヤニヤ

「五月! 何で上杉と一緒にいるのよ!」

「わ〜、上杉さんの妹ちゃんですか? これから一緒に花火大会に

 行きませんか?」

「花火!」

 四葉の言葉に、らいはちゃんは目を輝かした。

 

「お、おいらいは!」

「お兄ちゃん、ダメェ?」ウルウル

 らいはちゃんの言葉に、上杉はたじろいて....

 

「....そ、そうだな。行くか、花火大会」

「やったー!」

「ただし! お前ら五人は宿題を終わらしてからだ!」

「「「「「えぇぇー!!??」」」」」

「ほら、とっとお前らの家に行くぞ! すまんが一海、もしもお前も

 花火大会に行くなららいはを一緒に連れて行ってくれないか?」

「わかった。じゃあ行くか、らいはちゃん」

「はい! じゃあお兄ちゃん、また後でね」

「おう」

 そう言って上杉は五人とマンションの方に向かっていった。

 俺も俺で、らいはちゃんと神社の方に向かって歩き出した。

 

 

 〜数時間後〜

 

「あ、お兄ちゃーん! こっちこっち!」

「遅かったな」

 らいはちゃんとしばらく神社で出店を回っていたら上杉から

 電話があり、俺とらいはちゃんは神社の待ち合わせ場所で待っていた。

 

「お兄ちゃん、見て見て!」

 そう言ってらいはちゃんは射的で取った花火セットと金魚すくいで

 取った金魚を見せていた。

 

「らいは、それ今一番要らないやつだぞ....」

「えぇー、せっかく胡蝶さんが取ってくれたのに〜」

「お前が取ったのか!」

「いや、らいはちゃんが欲しいって言ったからな」

「そうだったのか....らいは、ちゃんとお礼言ったか?」

「うん!」

「そうか。悪いな一海」

「別に良い」

「さてと、これからどうするんだ?」

 上杉が五月に聞くと....

 

「まずはアレを買いに行きます」

「アレ?」

「えぇ、アレを買わないと」

「アレがないと....」

「そうですよ!」

「そうだねぇ」

「さっきから言ってるアレって何なんだ?」

 俺は気になって五人に聞いた。

 

「かき氷」

「りんご飴」

「人形焼き」

「チョコバナナ」

「焼きそば」

「全部買いに行こー!」

「....アイツら、本当に姉妹か?」

「疑わなくてもいいだろ....」

 そう言って俺と上杉も五人の後ろをついていった。

 

 〜〜〜〜〜

 

「なぁ二乃」

 買う物を買って、俺は二乃の隣を歩いていた。

 

「なに?」

「花火大会、そんなに楽しみだったのか?」

「....まぁね。ママとの思い出だから」

「お母さんとのか?」

「えぇ。ママが花火が好きで毎年揃って見に行ってたの。

 ....ママが亡くなってからも毎年揃ってね」

「そうだったのか....」

「(俺と一緒か....」

「えっ?」

「っ! ....何でもない。気にするな」

「え、でも今....」

 二乃が何かを聞こうとした時、俺は視線を逸らした。

 すると、さっきまで後ろにいたはずの六人が消えていた。

 

「おい二乃。アイツらどこにいった?」

「っ! な、なんで皆いないのよ!」

 そう言っていると、急に周りの人間が動き出した。

 

「ちょ、ちょっと!」

「二乃!」

 俺は人の波に流されている二乃の腕を掴んだ。

 

「あ、ありがとう....」

「ひとまず、どこか目立つ所に移動するぞ。そこで電話して

 全員集める」

「それなら良いところがあるわ。こっちよ」

 そう言って二乃は俺の腕を掴んできた。

 

「あの、二乃....?」

「....はぐれたら困るから。ダメ?」

「っ! い、いや、大丈夫だ」///

 一瞬、二乃の表情に見惚れてしまった。

 

「じゃあ、早く行きましょ」

 そう言った二乃に連れられて来た場所はあるお店に前に来た。

 

「毎年どこかの屋上を借り切ってるの。もしかしたら....」

「(ブルジョワか....)」

 俺はそんな事を考えながら階段を駆け上がった。

 しかし....

 

「誰もいないな....」

「あ....」

「どうした」

「今年のお店の場所、私しか知らないんだった....」

 

 

 

 

 




万丈 龍牙
一海の中学時代からの友人
裏表のない真っ直ぐな人間で友達も多い
小倉 香澄という恋人がいる
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